
目次 (Japanese)
1-1 中国でプロジェクトを立ち上げる、現地でコアメンバーとの打ち合わせ
1-1-① 自己紹介をする
1-1-② プロジェクトの目的と目標について話し合う
1-1-③ プロジェクト憲章について話し合う
1-1-④ コアメンバーの期待役割について合意を得ることについて話し合う
1-2-① 要求仕様書について話し合う
1-2-② 顧客の真のニーズを確認する重要性について話し合う
1-2-③ プロジェクトのステークホルダーについて話し合う
1-2-④ 前提条件、制約条件について話し合う
1-3-① 要件定義書を作成しステークホルダーとの合意について話し合う
1-3-② 要件定義書から設計作業について話し合う
1-3-③ WBSを作成の要点について話し合う
1-3-④ WBSからワークパッケージの確定について話し合う
1-4-① WBSからPDMを使って作業手順設定の要点について話し合う
1-4-② WBS,PDM、WPから作業工数を算出について話し合う
1-4-③ 作業工程を基にスケジュール表を作成について話し合う
1-4-④ 作業に必要な要員の確保について話し合う
2-1-① プロジェクトメンバーを集めることについて話し合う
2-1-② プロジェクトの目的、目標について話し合う
2-1-③ プロジェクト組織体制、機能について話し合う
2-1-④ 会議体、進捗報告の方式について話し合う
2-2-① 計画と実際とのギャップ報告について話し合う
2-2-② 作業が遅れている状況(事実)について話し合う
2-2-③ 作業が遅れている原因について話し合う
2-2-④ 作業遅れを回復する施策について話し合う
2-2-⑤ 必要な支援策について話し合う
2-3-① 変更要求管理の基本について話し合う
2-3-② 変更要求内容について話し合う
2-3-③ 変更要求が工程に及ぼす影響について話し合う
2-3-④ 変更要求の受諾可否および付帯する条件について話し合う
2-4-① プロジェクトの前提条件が変更したことについて話し合う
2-4-② プロジェクトの制約条件が変更したことについて話し合う
2-4-③ プロジェクトメンバーが途中離脱したことについて話し合う
2-4-④ 技術的な問題が発生したことについて話し合う
3-1-① 品質保証の基本戦略について話し合う
3-1-② 品質目標について話し合う
3-1-③ 保証、保障、補償の意味について話し合う
3-1-④ 品質保証はプロセス管理が大切であることを話し合う
3-2-① コミュニケーションの重要性について話し合う
3-2-② コミュニケーションの構造について話し合う
3-2-③ ディスカッションスキルについて話し合う
3-2-④ ネゴシエーションスキルについて話し合う
3-2-⑤ 主要なステークホルダーとのコミュニケーションについて話し合う
3-3-① リスクマネジメントの概要について話し合う
3-3-② リスクリスト作成について話し合う
3-3-③ リスクの影響と発生頻度、確率について話し合う
3-3-④ リスク情報を共有することの重要性について話し合う
3-3-⑤ リスクの対応の基本について話し合う
3-4-① チームビルディング(組織編制)について話し合う
3-4-② メンバーの特性、能力について話し合う
3-4-③ コンフリクトへの対応のあり方について話し合う
3-4-④ チームのモチベーションについて話し合う
4-1-① テスト結果について話し合う
4-1-② 発見した問題点について話し合う
4-1-③ 問題点の対応と対策について話し合う
4-1-④ 検収受入準備の要点について話し合う
4-2-① プロジェクト終結にともなう手続きについて話し合う
4-2-② 完成図書の準備について話し合う
4-2-③ 協力会社との業務契約終了について話し合う
4-2-④ 残された課題への対応について話し合う
4-3-① プロジェクト立ち上げ、計画フェーズのレビューについて話し合う
4-3-② プロジェクト実行フェーズのレビューについて話し合う
4-3-③ プロジェクト変更管理のレビューについて話し合う
4-3-④ プロジェクト終結フェーズのレビューについて話し合う
4-4-① 各フェーズで発生した問題について話し合う
4-4-② 各フェーズで発生した問題への解決策について話し合う
4-4-③ 各フェーズで発生した問題への対応で得た教訓について話し合う
4-4-④ 収録した教訓の展開方法について話し合う
4-5-① プロジェクトの目的と目標への達成度について話し合う
4-5-② QCDの計画と実績の評価について話し合う
4-5-③ ステークホルダーの評価と満足度について話し合う
4-5-④ ビジネスとしての成果と評価について話し合う
目录 (Chinese)
1-1-① 自我介绍
1-1-② 有关项目的目的和目标的讨论
1-1-③ 关于项目宪章的讨论
1-1-④ 有关落实核心成员的分工的讨论
1-2-① 关于“需求规范书”的讨论
1-2-② 有关确认客户真正需求的讨论
1-2-③ 关于项目利害相关方的讨论
1-2-④ 有关前提条件、制约条件的讨论
1-3-① 有关编制“需求定义书”,统一各利害相关方意见的讨论
1-3-② 参照“需求定义书”,作与设计作业相关的讨论
1-3-③ 有关编制WBS的要点的讨论
1-3-④ 根据WBS确定Work packge的讨论
1-4-① 根据WBS使用PDM进行作业顺序安排的要点的讨论
1-4-② 有关根据WBS、PDM和WP计算作业工时的讨论
1-4-③ 有关按照作业工序编制作业日程表的讨论
1-4-④ 有关保证必要的作业人员的讨论
2-1-① 关于召集项目成员的讨论
2-1-② 有关项目的目的和目标的讨论
2-1-③ 有关项目组织体制、功能的讨论
2-1-④ 有关会议体系、进度报告的形式的讨论
2-2-① 关于汇报计划和实际情况的差距的讨论
2-2-② 有关作业拖延的实际情况的讨论
2-2-③ 有关作业拖延的原因的讨论
2-2-④ 关于赶回作业进度的对策的讨论
2-2-⑤ 有关必要的支援对策的讨论
2-3-① 有关“变更要求”管理之基本原则的讨论
2-3-② 有关“变更要求”内容的讨论
2-3-③ 关于“变更要求”给工序带来的影响的讨论
2-3-④ 关于能不能接受“变更要求”以及附带条件的讨论
2-4-① 项目的前提条件发生变更时的讨论
2-4-② 关于项目的制约条件变更时的讨论
2-4-③ 关于项目成员中途脱离的讨论
2-4-④ 发生技术问题时的讨论
3-1-① 有关品质管理的基本战略的讨论
3-1-② 有关品质目标的讨论
3-1-③ 有关“保证”、“保障”、“补偿”的意义的讨论
3-1-④ 有关品质保证的过程管理的重要性的讨论
3-2-① 有关沟通的重要性的讨论
3-2-② 有关沟通机制的讨论
3-2-③ 有关讨论的技巧的讨论
3-2-④ 有关交涉技巧的讨论
3-2-⑤ 有关主要利害相关方沟通的讨论
3-3-① 有关风险管理的讨论
3-3-② 有关编制风险一览表的讨论
3-3-③ 有关风险的影响和发生频度、概率的讨论
3-3-④ 有关共享风险信息的重要性的讨论
3-3-⑤ 有关对应风险的基本原则的讨论
3-4-① 有关团队建设(组织编制)的讨论
3-4-② 有关成员的特点和能力的讨论
3-4-③ 有关应对冲突的办法的讨论
3-4-④ 有关团队的积极性的讨论
4-1-① 有关测试结果的讨论
4-1-② 关于发现的问题点的讨论
4-1-③ 关于对问题点的应对和对策的讨论
4-1-④ 关于验收准备工作的要点的讨论
4-2-① 关于伴随项目收尾所需手续的讨论
4-2-② 有关准备最终图文资料的讨论
4-2-③ 有关结束和协作公司的合同的讨论
4-2-④ 有关对应遗留课题的讨论
4-3-① 有关对项目启动、计划阶段进行复查的讨论
4-3-② 有关对项目实施阶段进行复查的讨论
4-3-③ 有关对项目变更进行复查的讨论
4-3-④ 有关对项目收尾阶段进行复查的讨论
4-4-① 有关在每个阶段发生的问题的讨论
4-4-② 有关各阶段发生的问题的解决对策的讨论
4-4-③ 有关对应各阶段发生的问题得到的经验教训的讨论
4-4-④ 有关推广收集的教训的讨论
4-5-① 有关项目目的和目标的达成度的讨论
4-5-② 关于QCD的计划和实绩的评价的讨论
4-5-③ 有关利害相关方的评价和满意度的讨论
4-5-④ 有关作为事业成果的评价的讨论
はじめに (再版にさいして)
現在、日本と中国の間では企業活動は製造業を中心としたモノづくり分野だけでなく、ソフトウエアの開発、商業、サービス業など、広範な分野で進展しています。ITシステム分野においてもソフトウエアプログラムの開発に始まり、多様な業務分野で協業関係が進展しています。
2000年代に入り日本企業のオフショア開発のニーズが高まるにつれて両国の人々がビジネスで交流する機会が飛躍的に拡大してきました。
通常、どの国の企業においても多くの人々が関わる仕事では、円滑なコミュニケーションが重要な要素ですが、そのあり方は仕事の成果にも大きく影響します。コミュニケーションの目的は人と人への情報の伝達と、気持ちの伝達を円滑にすることですが、往々にしてコミュニケーションの拙さが、望まない結果をもたらしています。
とりわけ、ITシステムのソフトウエア開発では、モノづくりとは違って視認性の複雑さがあり、コミュニケーションのミスを誘発しやすい環境ともいえます。仕事におけるコミュニケーションの原点は介在するドキュメントと使用する言語にあります。同じ言語を使用するプロジェクト組織であってもコミュニケーションのミスによる失敗の事例は数多くあります。特に言語を異にする人たちが参画するプロジェクトなどでは、相互に言葉の使い方、会話力の習熟が良好なコミュニケーションの基本ともいえます。
本書では、電子機器製品の開発を巡る日常的な出来事を会話として設定しています。日本語、中国語を母国語とする開発者、技術者が、プロジェクトの各フェーズで発生する様々な課題をメンバー同士の中でコミュニケーションを深めながら解決し、終結に向かうストーリーですが、プロジェクトではよくある普遍的な事例に模して構成しています。
本書は、コミュニケーションにおける大きな要素である言語について、相互に理解が深まることを願って試みたものです。本書をご購入いただいた読者の皆様方へのささやかな一助となることを願っています。最後に本書の中国語翻訳と発刊にご尽力いただきましたTBK株式会社副社長の楊嘉麗氏に心から感謝申し上げます。
平成29年12月25日
前言(再版序言)
目前,日本和中国之间的企业活动不仅在以制造业为中心的制造领域,已经扩大到了软件开发、商务、服务业等广泛的领域。在 IT行业,从软件程序的开发到各种业务领域,双方的合作关系也在不断进展。
进入到21世纪,随着日本企业对离岸开发需求的增加,两个国家人与人之间在商务方面的沟通机会也与日俱增。
通常,无论哪个国家的企业,在有很多人参与的工作中,沟通顺畅都是一个重要因素,沟通的方式方法也会对工作的成果产生重大影响。虽说沟通本来的目的是顺利地传达信息和情感,但沟通不畅往往会带来未曾期望的后果。
尤其是IT系统的软件开发,有不像制造那样直观的复杂性,也可以说这是一种容易诱发沟通失误的工作环境。软件开发有文档和相关用语介入,是开发中沟通的原点。即使是使用相同语种的项目团队,因沟通失误而导致的失败案例也不在少数。特别是在有不同语种的人参与的项目中,相互之间对用语的使用方法,熟练驾驭会话的能力,都是良好沟通的基本。
本书采用了对话的方式。这些对话围绕着电子产品开发的日常工作中发生的事情展开,描述了以日语和汉语为母语的开发者、技术人员在项目各个阶段遇到的各种课题,并通过团队成员之间的深入沟通来解决这些课题,直至项目结束的过程,模拟了项目开发中一般常见的事例。
本书是一种尝试,期望加深对关于沟通的重要因素的用语的理解。希望能为购买本书的各位读者提供些许的帮助。最后,衷心感谢为本书的中文翻译和出版付出巨大努力的TBK株式会社副社长的杨嘉丽女士。
久井 信也
2017年12月25日
第1章 立ち上げ、計画書作成の場面
第1章 启动项目,编制计划书的场景
1-1 中国でプロジェクトを立ち上げる、現地でコアメンバーとの打ち合わせ
1-1-① 自己紹介をする:
(会話の前提)
日本人の前田一郎さんは家庭電機機器製造企業の新商品開発部門に勤務しています。今度、新商品開発プロジェクトのプロジェクトマネジャーとして中国の広東省東莞の現地製造協力会社企業に出張しました。プロジェクトを立ち上げるために現地プロジェクトのコアメンバーに予定している責任者の楊国棟さんとはじめて会合することになりました。
会合の目的は、プロジェクト発足の主旨を伝え、プロジェクトの前提条件、制約条件など主要な事項について情報を共有することとプロジェクトのコアメンバーの選定が狙いです。
前田:楊さん、おはようございます。わたくしは、前田一朗と申します。初めてお会いしますがどうぞよろしくお願いします。
楊 :わたくしが楊国棟です。こちらこそどうぞよろしくお願いします。ところで前田さんは中国には何度目ですか?
前田:今回で3度目です。観光で一度北京に行ったことがあります。もう一度は上海に1か月ほどビジネスで来たことがあります。
楊 :そうでしたか。では、少しは中国の文化に触れておられますね。
前田:いや、それほどでもありません。これから学ぶことがたくさんあります。
楊 :実は私も日本には三度行きました。前田さんと同じで一度は観光であとは仕事の打ち合わせでした。
前田:そうでしたか、お互いに三度の経験ですね。お会いすることができて光栄です。今度のプロジェクトも上手くいきそうな気がします。
楊 :わたくしもその様な気がします。力を合わせてプロジェクトを是非成功させましょう。
前田:力強い言葉を頂き、勇気が湧いてきました。間違いなく成功すると思います。では、早速ですが、新商品開発プロジェクトの概要の説明とプロジェクトの中核になるコアメンバーの人選について話を進めていきたいのですがよろしいでしょうか?
楊 :問題ありません。その2点について話を進めていきましょう。
1-1-② プロジェクトの目的と目標について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクト立ち上げの準備段階として現地の担当責任者の楊氏に、新商品開発プロジェクトの目的と目標について情報を共有し、成功させることの意義について共感を持てるようにすることが狙いです。
前田:今回の新商品開発プロジェクトは、当社の事業戦略の主要な計画の一つです。この新商品は、当社と御社の事業進展にとって重要な影響力をもたらすものと考えています。
楊 :そのようですね。もう少し内容についてお聞かせください。
前田:わかりました。業界の情報では、この新商品の開発は他の企業でも力を入れていると聞きます。したがって、商品をリリースするタイミングが極めて重要になります。
楊 :そうですね。良い商品でも遅れて市場に出しては機会を失いますね。
前田:そのとおりです。このプロジェクトはQ:品質、C:コストはもちろんですが開発納期を遅らせないようにすることが特に重要になります。
楊 :おっしゃっている意味は良くわかります。
前田:ご理解いただいてありがとうございます。では、プロジェクトで納期遅延を発生させないために特に注意することについてお話します。
楊 :是非、お聞かせください。
前田:私は日本でも多くのプロジェクトを成功させる経験してきました。もちろん、失敗したこともあります。その成功、失敗のプロジェクトの教訓として、プロジェクトに関係するステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションのあり方が大きいと言えます。
楊 :それは、私も同感です。私も失敗プロジェクトの教訓として、プロジェクトメンバー間のコミュニケーション不足が問題を起こした経験があります。
前田:私も同じ経験をしたことがあります。プロジェクトで問題が発生した場合、現場、現状、現実で捉えることが大切です。そして誰にどのように伝え、迅速な対応が要求されます。
楊 :その通りですね。
前田:しかし、プロジェクトの失敗要因の多くは、問題が起きても適切なコミュニケーションができていないのです。頭では報告・連絡・相談は必要と理解していても、内容的には不十分なことがあります。
楊 :それは、発生した問題がプロジェクトの成功に及ぼす影響を意識できていないということなのでしょうか。つまり、プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトの目的と目標をしっかりと共有しておくということですね。
前田:その通りです。メンバーがお互いにプロジェクトの目的と目標を理解した上でのコミュニケーションが重要ということです。
楊 :まず基本はプロジェクトの目的、目標を理解することが重要であることは良くわかりました。
前田:ご賛同いただきましたことに感謝します。ありがとうございました。メンバーの皆さんにはキックオフミーティングで入念にお話しすることにしましょう。楊さんにご協力お願します。
楊 :もちろんです。私も協力します。
1-1-③ プロジェクト憲章について話し合う:
(会話の前提)
前田さんはコアメンバーの楊さんと他の2人のメンバーとでプロジェクト企画書(プロジェクト憲章)の内容を確認することになりました。プロジェクト企画書には、プロジェクト発足に必要な主要決定事項が盛り込まれ、前田さんをプロジェクトマネジャーに任命することも記載されています。プロジェクトの名称はコードネームが使われることになりました。
前田:みなさん、おはようございます。今日の会議はOM42Pのプロジェク企画書の内容について理解を深め、情報を共有することです。また、今回の会議には、新たにコアメンバーに選出された劉さんと、張さんが参加しています。簡単に自己紹介をおねがいします。
劉 :今回のプロジェクトのコアメンバーに選ばれた劉です。コアメンバーに選ばれたことを誇りに思います。どうぞよろしくお願いします。
張 :私も劉さんと同様ですが、コアメンバーに選ばれたことをうれしく思います。プロジェクトの成功を目指して頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
前田:こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。では早速ですが、配布したプロジェクト企画文書に沿って進めましょう。では、内容を項目順に読んで行きます。途中で分かり難いところや疑問点がありましたら、随時質問をしてください。
楊 :提案があります。記載項目を各項目ずつ4人で順番に読む方法はいかがでしょうか? 読むことで理解も促進させると思いますが。
劉 :賛成です。その方法のほうが認識の共有が上手くいくと思います。
張 :私も賛成です。私はコアメンバーの仕事は初めてなので情報をしっかり共有したいと思います。
前田:みなさんの積極的な提案を感謝します。わかりました。その方法で進めましょう。では、最初に私が読みます。次に楊さん、劉さん、張さんの順番で進めましょう。先ず、最初にこのプロジェクトの名称について説明します。プロジェクトのコードネームは新しい星を産み出すオリオン座M42番星雲になぞらえて命名しています。オリオンM42プロジェクトと決定し、略してOM42Pとしています。
張 :なるほど、新商品を産み出すプロジェクトという意味ですね。
前田:オリオンは新しい商品開発を願っての命名ですが、ギリシア神話でのオリオンは美男の狩人で、狩猟の女神アルテミスが嫉妬し、蠍を仕掛けて命を奪います。哀れに思ったゼウスがオリオンを天に召して星座になったという神話です。
楊 :前田さんは、ギリシア神話にも詳しいのですね。
前田:いや、それほどでもないですが天体には興味を持っています。オリオンを襲ったサソリは現代に例えれば競合会社の新商品かもしれませんね。
劉 :蠍に負けないように新商品プロジェクトを成功させたいですね。
前田:そうですね。それには我々が一致団結して取り組むのが成功の第一歩でしょうね。では、次の項目を楊さんにお願いします。
楊 :はい、わかりました。では、進めます。
1-1-④ コアメンバーの期待役割について合意を得ることについて話し合う:
(会話の前提)
前回の会議でプロジェクト企画書の記載内容について情報の共有化をすませた前田さんは、次のステップとしてプロジェクト計画書作成に取り組むことになりました。その前にコアメンバーがそれぞれの分野のリーダーとしての期待役割を明確にし、合意することが必要です。
前田:みなさんおはようございます。週末はどのように過ごされましたか?体調はいいですか?
楊 :私は久しぶりに家族と郊外の公園に行きました。子供たちも大喜びでしたよ。
前田:それは良かったですね。劉さんはいかがでしたか?
劉 :土曜日はゆっくりと読書をしていました。日曜日は家内と近くのデパートに買い物にいきました。もっとも、私は見るだけでしたが。
前田:なるほど。奥様のおつきあいも大変ですね。ご苦労様でした。張さんはいかが過ごされました?
張 :私は日頃できていない部屋の掃除と洗濯に大忙しでした。日曜日は彼女と映画を見に行き、夕食を一緒にしました。新しい料理店を見つけたのですがとても美味しかったです。
前田:みなさんそれぞれに充実したお休みだったようで何よりです。今日の打ち合わせは、プロジェクトでの皆さんの担当を決めることです。皆さんのご経験と、要望、そして私が期待していることを合わせて合意したいと考えています。
楊 :私はハードウエアの開発経験が多くあります。是非、それを活かした分野を担当したいと思います。
前田:劉さんはどのような意見をお持ちですか?
劉 :私は電気回路系の開発経験が多く、特に電子回路設計と開発には自信があります。
前田:張さんはいかがですか?
張 :私はソフトウエアプログラムの設計と開発が得意です。できればその分野の仕事を任せていただければと思います。
前田:わかりました。皆さんのご意見と得意を活かした分野を担当していただきたいと思います。次のような案を提示します。楊さんの担当分野はハードウエア開発の責任者です。劉さんは電子回路開発の責任者として、張さんはソフトウエア開発の責任者として決めたいと思います。これについて何かご異議はありますか?
楊 :いえ。異議はありません。喜んでお受けします。
劉 :私も異議はありません。喜んでお受けします。
張 :私も異議はありません。経験が活かせそうで嬉しいです。
前田:では、このプロジェクトのマネジメント体制は私がプロジェクトマネジャーで全体を統括責任者として担当します。先に提示案に基づき各開発分野責任者に皆さんをプロジェクトリーダーとして決定します。皆さん方の積極的なご意見をいただき合意できたことに感謝します。
1-1 在中国做项目,和本地核心成员开会
1-1-① 自我介绍:
(讨论的背景)
前田一郎是日本人,在一家家用电器生产厂家新产品开发部工作。这次,他作为新产品开发项目的项目经理到广东东莞的本地合作厂家出差。出差的目的是为了启动这个项目,他要和将成为本地核心成员的负责人开初次见面会。这次会议的目的是传达这个项目的意图、分享这个项目的前提条件、制约条件等信息,并且要定下核心成员。
前田:杨先生,早晨好。我叫前田。初次见面,请多关照。
杨 :我叫杨 国栋。别客气。也请您关照。请问前田先生是第几次来华访问呀?
前田:第三次。以前去北京玩儿过一次。还有一次是出差去上海,呆了一个月。
杨 :是吗。那您接触过中国文化呀。
前田:这可谈不上,还要学习很多东西。
杨 :其实我也去过三次日本。和前田先生一样,一次是旅游,其他两次是开会。
前田:那么说,我们都有三次的经验。见到您很高兴。我有一种感觉,我们这次的项目会比较顺利。
杨 :我也有同感。让我们好好合作,一定把这个项目做好。
前田:听了您干劲十足的话,我也勇气倍增。我们一定能成功地做好这个项目下面,我将要说明一下新商品开发项目的概要,并且要谈一谈有关项目核心成员的人选问题。您看可以吗?
杨 :没问题。我们就展开这两个内容。
1-1-② 有关项目的目的和目标的讨论:
(讨论的背景)
在项目启动的准备阶段,前田经理要和本地项目负责人杨国栋分享有关新商品开发的目的和目标的信息,对做好此项目的意义达成共识。
前田:这次的新产品开发项目,是我们公司事业战略的一项主要计划,我们很重视。这个新商品不论对我们公司还是贵公司的事业开展都会有很大的影响力。
杨 :是啊。我希望能了解更多的内容。
前田:好。根据业界的情报,听说其他企业也在对这种新商品的开发下力量。所以,商品发布的时机很重要。
杨 :是啊。即便是好商品,延误了商机就失去了市场。
前田:你说的非常对。在这个项目中,品质和成本的重要性就不用说了,而进度的控制尤其重要。
杨 :我完全理解您的意思。
前田:谢谢您的理解。那么,我就说说为了不发生延误交货的现象特别需要注意些什么。
杨 :我很想听一听。
前田:在日本,我有很多项目成功的经验,当然,失败的事例也有。作为成功和失败的经验教训,和项目的利害相关方如何沟通是很重要的。
杨 :对此我有同感。作为失败的教训,就有因为项目成员之间沟通不够而发生问题的经历。
前田:我也有同样的经历。项目出现问题时,关键是要掌握现场、现状和现实。此外要决定应该通知谁,要求做出快速的反应。
杨 :完全同意。
前田:但是,项目失败的原因,往往就在于出了问题后仍然没有有效的沟通。虽然从道理上讲都明白汇报、联络和商量的必要性,但是往往内容不够充分。
杨 :这恐怕是没有意识到发生的问题对项目的成功会带来什么样的影响吧。也就是说,要让项目成功,对项目一定要有共同的目的和目标。
前田:对。项目成员之间的沟通要建立在对项目的目的和目标理解的基础之上。
杨 :您这一番话让我明白了最基本的是要理解项目的目的和目标。
前田:非常感谢能得到你的赞同。谢谢你。在项目启动会上我们要和大家好好地谈一谈这方面的事情,还要请杨工帮忙。
杨 :那当然,我一定配合。
1-1-③ 关于项目宪章的讨论:
(讨论的背景)
前田经理在和核心成员杨工以及其他两位成员审查项目计划书。
项目计划书里有启动项目的必要条件,还记载着任命前田为项目经理。并规定
用项目代号作为项目的名称。
前田:大家好。今天会议的内容是加深对OM42P项目规划书的理解,统一认 识。另外,刘工和张工是新定的核心成员,请作个简单的自我介绍。
刘 :我是刘明,这次被选为项目核心成员,很荣幸,请大家多帮助。
张 :我和刘工一样,被选为核心成员很高兴,为把这个项目做好我一定努力。请大家多帮助。
前田:好,那我们就开始审查大家手里的项目规划书。我按顺序往下读,碰到难点和疑问时,可以随时提问。
杨 :我有个想法,按照各项四个人轮流读可不可以?这样可以帮助理解。
刘 :挺好。这样做有助于统一认识。
张 :我也同意。我第一次当核心成员,对情况的掌握要和大家同步。
前田:非常感谢大家的建议,那我们就采取这种方法。我先读,其次是杨工,然后是刘工,最后是张工。我要解释一下项目的代号。代号取之于产生新恒星的猎户座大型云M42。我们给这个项目定名为猎户座M42,代号就是OM42P。
张 :原来如此,意味着我们这个项目要开发出新商品。
前田:是的,在希腊神话中,奥利安是一个英俊的猎人,狩猎女神阿耳特弥斯嫉妒他,用蝎子毒害了他,宙斯很伤心,把奥利安召回天上,变成了星座。
杨 :前田经理对希腊神话很熟悉啊!
前田:马马虎虎,我对天文很有兴趣。我们也可以认为毒杀奥利安的蝎子也许就是现代社会里竞争对手的商品。
刘 :不能败在蝎子手里,一定要把新商品项目做成功。
前田:对,我们能够团结起来,就是成功的开始,下面请杨工继续吧。
杨 :明白了,我接着读。
1-1-④ 有关落实核心成员的分工的讨论:
(讨论的背景)
上次会议统一了对项目规划书内容的认识,下一步要制定项目计划。在这之前要落实每个核心成员所分工的部分,得到他们的认可。
前田:大家好。周末休息得怎么样?身体状况都很好吧?
杨 :我家去郊游了,很久没出去玩儿了。孩子们很高兴。
前田:真不错。刘工呢?
刘 :星期六一直在看书,星期日在家附近逛逛商店,买买东西什么的。我是只逛不买。
前田:是吗!你是陪太太,劳苦功高。张工的周末是怎么过的?
张 :平常没空收拾屋子,扫扫卫生、洗洗衣服什么的,还挺忙。星期日和女朋友一起去看电影、吃晚饭。发现了一家餐厅,味道非常不错。
前田:周末休息好很重要。今天的会议要定下来各位的分工。基于大家的经验和愿望,加上我的考虑,要和大家达成一致意见。
杨 :我做硬件开发的经验多一些。想在这方面多做些事情。
前田:刘工有什么建议?
刘 :我电路开发做得多,特别是电路设计和制造,我有信心做好。
前田:张工呢?
张 :我的长项是软件程序的设计开发,如果可能的话,这方面的工作可以交给我完成。
前田:我明白了。根据大家的想法,发挥大家的专长,我打算让杨工作硬件开发的负责人,刘工作电路开发的负责人,张工作软件开发的负责人。大家有不同意见吗?
杨 :没有。我完全同意。
刘 :我也没有不同意见。很高兴接受这个工作。
张 :我也没有不同意见。能够各尽所能太好了。
前田:那么,项目的管理体制就这样定下了。我是项目经理,是这个项目的总负责,按照刚才的分工,各位是该部分的分管负责人。感谢大家献计献策,达成了一致的意见。
1-2 プロジェクト計画書を作成する
1-2-① 要求仕様書について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトマネジャーの前田さんは、商品企画部で作成された要求仕様書の内容を検討することにしました。検討メンバーはコアメンバーです。
新商品はPCに接続して使用する低価格カラーレーザープリンターです。省エネルギー、節電は前提として、小型、軽量、機能アップ、性能アップを目指しています。
前田:要求仕様書に記載されている内容について理解を深めたいと思います。まずはハードウエア開発に要求されているところから始めます。楊さん、ハードウエア設計担当責任者の観点からご意見をお願いします。
楊 :軽量化という点では、現製品に比較すると30%程度の軽量化が要求されています。これは、筐体の材質の変更が必要不可欠ですね。
前田:そうですね。新しい材質による筐体の設計が必要です。このことでの問題点や課題にはどのようなことが考えられますか?
楊 :材質の選択には問題はないと思いますが、製造段階での加工技術、生産装置の変更も必要になります。
前田:なるほど。そのほかに問題はありますか?
楊 :材質変更による材料費の上昇を見ておく必要があります。そのほかには省エネルギーの要求に対しては、軸受け、回転部分の摩擦を極小化するために高精度なベアリング部品を採用する必要があります。もう一つは耐久性のことも考慮しながら筐体構成部品のプラスチック成型部品を導入することです。
前田:わかりました。重要な変更事項ですね。では、次に電子回路設計についてはどのような問題がありますか?
劉 :要求仕様書には電気・電子回路に関する要求仕様は、節電、省エネルギーの視点から、消費電力を現製品に比較して30%性能向上と記載されています。
前田:具体的にはどのような部分が改善対象とお考えですか?
劉 :消費電力性能アップが必要と考えるところは、立ち上げウオームアップ時間、待機電力、トナー融着の温度熱源、これらの立ち上り時間を短縮し、且つ安定的な稼働を保証する電気回路の設計、高性能な電気部品、電子部品の開発と選択が必要かと考えます。
前田:開発にはかなり、困難が伴うと思いますが、新商品への期待も高いので可能性を最大限に追求してください。
劉 :もちろんです。QCDのバランスも考慮して検討したいと思います。
前田:具体的な計画作成段階でさらに検討を深めたいと思います。では、次にソフトウエア開発について議論を進めましょう。張さんのご意見をお願いします。
張 :プリンターソフトウエア開発には、基本的には二つの要素があります。機器の稼働に関係する制御系のソフトウエアと利用者の利便性に関するアプリケーションソフトウエアがあります。
前田:そうですね。今回の商品では、機能アップと記載されていますが、どの部分の機能アップがポイントになりますか?
張 :私の判断では、さまざまな利用者のニーズを円滑に実現できるメニュー選択方式の改善が有効だと考えています。
前田:具体的などのようなことでしょうか?
張 :たとえば、プリント時に指示をするメニュー画面です。現状ではチェックする順番が定型化されており、メニュー画面に束縛されます。慣れない利用者は、「間違えるといけない」心理的に負担がかかっていますが、この点を改善すれば使いやすい商品としての競争力も大幅にアップすると考えます。
前田:それは、大いに期待したいところですね。是非、プロジェクト計画書にも反映してください。
1-2-② 顧客の真のニーズを確認する重要性について話し合う:
(会話の前提)
このプロジェクト事例は、社内プロジェクトの例ですが、顧客から要求仕様が示された場合に置き換えて会話を進めます。要求仕様書に記載された内容を鵜呑みして対応することは、真の顧客ニーズに対応したことにならず、後で問題の要因となることが多くあります。真のニーズを確認する会話の進め方について話し合います。
前田:顧客の要求仕様事項について話し合ってきましたが、気がかりなところについて皆さんの意見をお聞きしたいのですがいかがですか?
楊 :今回の仕様書には小型、軽量、省エネ、節電、性能、機能のアップと盛沢山ですが、本当に重視したいのはどこでしょうかね。
劉 :消費電力の削減とありますが、動力機能との関係で難しい関係にあります。
前田:そうですね。そうした課題はいくつかあると思います。顧客に確認したいことを整理して、要求仕様をまとめた顧客担当者、責任者にヒアリング/インタビューすることにしましょう。
劉 :是非、そうしたいですが、どうしても発注者対受注者という関係で、ニーズを聞かざるを得なくなることが心配ですが。
前田:劉さん、心配なようですね。でも、大丈夫です。その要求が、本当に必要なことであれば我々はそれに応える必要がありますが、そうではなく過剰要求や、見当違いのこともあるのです。
劉 :それは言われる通りですが、ストレートに言えなくて・・・
前田:簡単な方法ですが、質問する方法があります。
劉 :どのような質問方法ですか?
前田:懸念事項である項目について、具体的に聞くことです。聞き方としては、①「この機能は何のために必要ですか?」、②「この機能の目的はどういう理由ですか?」③「この機能は本当に必要な機能ですか?」と聞いてみることです。
劉 :上手くいきますかねえ?
前田:質問はその内容を正しく伝えるということもありますが、質問者の聞き方、姿勢、態度ということも微妙に影響します。
劉 :そうでしょうね。私はその微妙なところが苦手です。
前田:そうですね。コミュニケーション力の問題ですが、いかなるコミュニケーションにも、真摯さがもっとも重要なのです。劉さんの顧客に応えたいという真摯な態度があれば大丈夫です。
劉 :そうですね。臆せずに本音でお聞きしたいと思います。
張 :私もその点が気がかりだったのです。特にソフトウエアは成果物が物ではなく視認性が悪いために苦労しているところなのです。
前田:そうですね。そこの難しさは良く理解できます。しかし、基本的にはハードウエアの要求仕様事項への対応と同じです。それぞれの要求事項が「本当に必要な理由はなにか?」、「なぜ必要なのか?」を真摯に聴き取ることです。そのことで合意ができれば問題は解消します。
劉 :わかりました。それで取り組んでみます。
張 :わたくしも懸念事項を整理して取り組んでみます。
前田:私も支援します。要求仕様事項に疑義の無いようにして次に進めましょう。
1-2-③ プロジェクトのステークホルダーについて話し合う:
(会話の前提)
今回のプロジェクトの企画は、日本にある本社の商品企画部門でなされたものです。開発、設計、生産の工程を中国にある100%出資の事業所で行います。プロジェクトの主要なステークホルダーの特定と分析について話し合います。ステークホルダーの特定と分析はプロジェクトに有効なコミュニケーションマネジメント計画作成の視点から重要な要素です。
前田:今回のプロジェクトに関係する主要なステークホルダー(利害関係者を明らかにしておきたいと思います。
張 :私の担当領域以外のステークホルダーについても明確にするとのことですか?
前田:そうです。その理由はプロジェクトの全体でステークホルダーに関する情報を共有しておく必要があるからです。
劉 :主要なステークホルダーとはプロジェクト企画書に記載されている範囲ですか?
前田:プロジェクト企画書に記載されている関係者は当然のこととして、プロジェクトの成功に重要な影響を及ぼすと考えられる関係者です。
楊 :ステークホルダーの特定と分析をしておくことが、プロジェクト運営上で重要な要素になるということですね。
前田:その通りです。
張 :どのようにしてステークホルダーの特定をするのですか?
前田:分かりやすいところからやるようにしましょう。最初にプロジェクト企画書に記載されている事項のステークホルダーを特定し、その次に筐体チーム、電気・電子回路チーム、組込ソフトウエア開発チームに関係するステークホルダーを特定しましょう。
楊 :以前に担当したプロジェクトでもステークホルダー分析をきちんとしていたことがコミュニケーションに大変役立ちました。
前田:それは良い経験をしましたね。わたしの行ったステークホルダー特定の方法ですが、プロジェクトに関わる関係者を表す視座図を作成しました。視座図とはそのプロジェクトに関わる人の立場のことです。
劉 :視座図ですか?初めて聞きました。
前田:難しい方法ではありません。メンバーでステークホルダーを書き出していくことです。抽出した関係者を関係性の近いグループにまとめ、視座図チャートに記入し、抜け漏れがないかチェックし作り上げていく方法です。

図1.プロジェクトのステークホルダー 視座図
劉 :なるほど。早速やってみたくなりました。
前田:ちょっと待ってください。ステークホルダーの特定と分析にはもう一つ工夫が必要です。
劉 :それはどのようなことですか?
前田:それは、視点図と価値観分析です。
劉 :視点図?視点は知っている言葉ですが、視点図とは初めて聞く言葉です。先の視座図チャートとはどう違うのですか?
前田:視点図はあることがらに対して重視していることを言います。言い換えれば着眼点ともいいます。
劉 :なるほど、それとステークホルダー分析とどのような関係にあるのですか?
前田:良い質問です。ステークホルダーとは利害関係者とも言いますが、その立場によって、着眼点が異なります。その人の立場とその人の立場に立ったものの見方をすることで、その人の価値観つまりその人が重視していることが分かります。
劉 :なるほど。ステークホルダー分析といっても漠然ととらえていましたが視座と視点を重ねるとその人の価値観が明確になりますね。
前田:ステークホルダーの価値観がわかれば、コミュニケーションのポイントも的外れにならないのです。
劉 :良くわかりました。この方法で進めてみます。
前田:わからないことがありましたらいつでも聞いてください。
1-2-④ 前提条件、制約条件について話し合う:
(会話の前提)
前田さんはプロジェクトマネジメントの重要事項である前提条件と制約条件に関する情報の共有化を図ることにしました。プロジェクトの企画時に設定した条件もプロジェクト環境の変化によって変更せざるをえないことがあります。
当初企画時の条件をよく理解しておくことで、変更せざるを得ない場合でもその影響度を的確に判断できます。
前田:みなさんおはようございます。これからプロジェクト企画書に記載されている前提条件と制約条件について情報を共有したいと思います。
楊 :いずれもプロジェクトマネジメントの重要な事項ですね。
前田:そうですね。特に制約条件はプロジェクトが成功したか、否かの判断基準になります。制約条件が不明確だとプロジェクトをマネジメントすることができなくなります。
張 :3つの制約条件、品質(Q:Quality)費用(Cost)納期(Delivery)という言葉で言われていますね。
前田:その通りです。プロジェクトの制約条件は、品質、費用、納期が相互関係にあることはご存じの通りです。それぞれの条件には目標となる数値が設定されています。
楊 :今回のプロジェクトでは新商品の要求仕様をすべてクリアすることが品質目標を達成することになりますね。
劉 :では、プロジェクト企画書に設定されたプロジェクト活動に関する費用(C:コスト)を計画した範囲内で抑えることも制約条件ですね。
前田:そうです。計画にそって過不足なく適正な使い方をしているかをマネジメントするということです。
張 :もう一つの制約条件は納期(D)ですが、これはプロジェクト企画書に設定されている、プロジェクト成果物を完成する期日、あるいは納品できる期日のことですね。
前田:そうです。その通りです。ここでは制約条件をよく理解することが重要と話し合っていますが、その理由は、3つの制約条件に関する計画値と実際の数値、つまり実績値との差異が要点になります。差異のプラスマイナスによってプロジェクトが順調に進捗しているか判断する基準になるからです。
楊 :そうですね。プロジェクトマネジメントの要点でもあるわけですね。
前田:たとえば、あるプロジェクトが計画の日程より作業が遅れた場合、遅れを取り返すために定時外勤務をする、また人員を増加するなどをします。そうすると、予定外、計画外に投入した人員のコストが超過する原因になります。
楊 :コストが超過すると利益性を圧迫することになり、計画した利益の確保も影響を受けますね。
前田:そうです。品質目標が達成できない場合でも、手直し、やり直しでコストも納期にも悪影響を与えます。したがってプロジェクトマネジメントでは3つの制約条件を順守することが求められるのです。
劉 :前提条件のところは、どのように考えますか?
前田:前提条件とはプロジェクトの目的、目標を設定した環境条件をいいます。たとえ ば、経営環境が急速に変化し、プロジェクトの目的が合わなくなった場合、ある いは新たな発明、発見、技術革新でプロジェクトの目的を見直さざるを得なくな った場合などがあります。
楊 :プロジェクト運営するうえでかなり大きな環境条件の変化が起きたという場合ですね。
前田:そうです。このような大きな環境予見の変化が起きた場合は、プロジェクト企画段階に遡行して判断が必要になります。したがってプロジェクトマネジメントの上位のプログラムマネジメント判断が必要になります。
劉 :良くわかりました。
1-2 编制项目计划书
1-2-① 关于“需求规范书”的讨论:
(讨论的背景)
项目经理前田召开会议,讨论商品规划部编制的“需求规范书”,核心成员都参加了。新商品是用于电脑的低档彩色激光打印机。要求节能、节电、小型、轻便、多功能、性能好。
前田:我们要认真理解“需求规范书”的内容。杨工,请你从硬件设计负责人的角度发表一下意见。
杨 :就轻量化这一点,要求比现在的产品减轻30%的重量。这样势必要从新考虑箱体的材料。
前田:对。要求使用新材料进行箱体设计。你考虑有什么问题和课题吗?
杨 :材料的选择没问题,但是在制造时要求不同的加工技术和生产装置。
前田:噢,有其他的问题吗?
杨 :材料变更会增加材料费。另外,对于节能的要求,为了尽量减小轴承和传送部分的摩擦,就要采用高精度的轴承部件。还有,考虑到耐久性,箱体部分想采用塑成品部件。
前田:知道了。这是很重要的变更事项。下面,关于电路设计有什么问题?
刘 :“需求规范书”对电气和电路部分的要求是节电、节能,比现在的产品减少30%的耗电量。
前田:具体说对哪部分要进行改善呢?
刘 :要想节电,就要缩短启动预热时间、待机耗电、碳粉融着热源的启动时间,而且作电路设计时要保证稳定运转,选择高性能的电气和电子零部件。
前田:开发中有很多的困难,但是对新商品的期待也很大呀!尽可能地去做吧!
刘 :那当然。还想讨论一下QCD的平衡关系。
前田:这个在计划编制时再深入讨论吧。下面想谈谈软件开发的事情,听听张工的意见吧。
张 :在打印机软件开发中,主要有两大要点。一个是和机器运转相关的控制软件,另一个是方便于使用者的应用软件。
前田:是这样。对这次的商品,要求增加功能,重点是增加哪部分的功能呢?
张 :根据我的判断,如果能够满足各种用户的需求,改善菜单的选择方式会有成效。
前田:具体地说是哪些方面呢?
张 :比方说,要求打印时的菜单画面。现在的做法是受画面制约,选择顺序都被定型了。不习惯的人用起来总担心出错,有心理压力。对此如有改善,更便于操作,可以大大地提高商品的竞争力。
前田:这是我们期待的地方。你一定把它反映到项目计划书中。
1-2-② 有关确认客户真正需求的讨论:
(讨论的背景)
这个项目虽然是公司内部的案例,现在我们要设想当客户给出了需求规范书时,要进行那些讨论。如果囫囵吞枣地理解需求规范书的内容,就会误事。下面我们就谈谈如何抓住真正的需求。
前田:我们讨论了客户的需求规范书,有几点还想听听大家的意见。
杨 :需求书有很多要求,像小型、节能、节电,还有提高性能,增加功能等,到底哪些最重要呢?
刘 :有减少耗电的要求,这相关到动力功能,不容易。
前田:是啊。类似这样的课题有几个。要整理一下,听听客户担当以及负责人的意见。
刘 :很想了解一下,可是想想我们和他们的关系,怎么谈呢。
前田:刘工,有顾虑呀!没关系。这些要求如果确实需要,我们就要认真对应。也没准是可要可不要的需求。
刘 :话是这么说,又不太好直接问。
前田:有一个简单但是可用的提问方法。
刘 :怎么问呢?
前田:我们可以具体地问担心的地方。可以这样提问①这个功能的作用是什么?② 为了达到这个目的有什么理由吗?③这个功能真的需要吗?
刘 :这么问管用吗?
前田:提问的内容要准确,提问时的语气、姿态、态度也有微妙的影响。
刘 :可不是吗,我就不太擅长。
前田:是吗?这是交流能力的问题。在任何交流中,真诚是很重要的。刘工在对应客户时如果有真诚的态度,就没事儿。
刘 :噢,要大胆地切入主题。
张 :我在这方面也没有把握。特别是软件的成品看不见东西,怎么得到认可要下的功夫较多。
前田:是啊,可以理解这方面的难处。但是,对应方法基本和硬件需求规范是一样的。对每一个需求都要诚恳地听取意见,确认“真正的理由是什么?”,“为什么需要?”。通过讨论形成了一致的看法,问题就解决了。
刘 :明白了。我准备一下。
张 :我也要把疑问点梳理一下。
前田:我做支援,我们要把规范事项里的疑问都搞清楚。
1-2-③ 关于项目利害相关方的讨论:
(讨论的背景)
这次的产品规划,是日本总公司商品规划部门的方案。开发、设计和生产都在中国的全资子公司进行。讨论的目的是圈定主要的利害相关方,对各方面进行分析。圈定和分析利害相关方对制定沟通计划是重要的一环。
前田:现在我们要圈定和项目的利害有关的各方面。
张 :对我分工范围外的相关方也要明确吗?
前田:是的。这个道理我解释一下。在整个项目中,我们都要对相关方的情况有所共识。
刘 :主要的项目相关方是不是如项目规划书所记载的那样?
前田:除了那些之外,还有对项目的成功有重要影响的相关者。
杨 :对这些利害相关者的圈定和分析,是项目运营的重要一环,对吗?
前田:是的。
张 :怎么圈定这些相关方呢?
前田:从易处着手,先确定项目规划书里记载的相关方,然后,按照框架组,电器电路组,嵌入软件开发组的划分确定相关方。
杨 :以前参加的项目里,由于认真分析了各个相关方,对沟通很有帮助。
前田:那是很宝贵的经验。我说一下我用的圈定项目相关方的方法。就是画出一张表明项目相关者的视座图。视座图标出了相关者的立场。
刘 :视座图还是头一回听说。
前田:并不复杂。只要把成员中有利害关系者写出来就行。把关系相近的人放在一个组里,标在视座图上,再确认有没有遗漏的地方。

图1.项目的利害相关方 视座图
刘 :原来如此。想做一个试一试。
前田:先等一下。还没有讲完呢。
刘 :还有什么?
前田:还有视点图和价值观分析。
刘 :视点图?视点这个词儿倒有,可是还没有听说过视点图。
前田:视点图表示的是对某件事儿给以重视。也可以说是着眼点。
刘 :是这个意思呀!他和相关者的分析有什么关系呢?
前田:问得好!相关者也就是说的利害相关者,他们的立场不同,着眼点也不一样。知道了一个人的立场和在这个立场上的观点,就知道了一个人的价值观,或者说他重视什么。
刘 :有道理。乍一听相关者的分析有点摸不清头脑。把视座和视点结合起来,就可以弄清楚一个人的价值观。
前田:知道了相关者的价值观,沟通的时候就不会走题。
刘 :这下我明白了,就用这个方法展开。
前田:有不明白的地方就问我。
1-2-④ 有关前提条件、制约条件的讨论:
(讨论的背景)
前提条件和制约条件是项目管理的重要事项。前田经理要和大家共享这方面的信息。随着项目环境的变化,有时不得不改变规划项目时设定的条件。只有完全理解了规划时的条件,在不得已做变更时才能正确判断变更带来的影响度。
前田:早晨好。我想和大家共享项目规划书里记述的前提条件和制约条件的内容。
杨 :这些可都是项目管理的重要事项啊。
前田:是的。特别是制约条件。项目是否成功,要靠拿制约条件来判定。制约条件不明确,就无法进行项目管理。
张 :我们是用品质(Q:Quality),成本(C:Cost)和交货期(D:Delivery)来表现制约条件的。
前田:非常正确。品质,成本和交货期的关连关系形成了制约条件。在每个条件里都设定了目标值。
杨 :在这个项目中,我们完成了新商品所有的需求规范,就达到了品质目标。
刘 :那末,在进行项目规划书里规定的项目活动时,所使用的成本(C:Cost)要控制在计划范围之内,这也是制约条件吧!
前田:是的。按照计划不要超支,适当使用就是管理所在。
张 :另一个制约条件是交货期(D:Delivery)。在项目规划书里,这是指完成项目成品的日期。或者说是可以交货的日期。
前田:是的。很准确。为什么说完全理解制约条件很重要呢?其理由在于,对这三个制约条件,要点在于实际数值和计划值会有差异。上下浮动的差异,可以成为项目进行是否顺利的判断基准。
杨 :是啊。这也是项目管理的要点呀。
前田:比方说,某个项目的作业进度比计划有延迟,为了赶计划就得加班,还要增加人员。这样一来,计划外的人员投入就成了成本超支的原因。
杨 :成本超支,就会压缩利润,计划利润的确保就会受影响。
前田:很对。品质目标不达标时,返工也会给成本和交货期带来不好的影响。所以要求大家遵守项目管理的三个制约条件。
刘 :对前提条件是如何考虑的呢?
前田:前提条件是指对项目的目的、目标设定的环境条件。比方说,经营环境突变,已无法达到项目的目的;或者由于新发现、新发明、技术革新的出现,不得不对项目的目的进行修正等的情况。
杨 :这是指在项目进行时,发生了相当大的环境条件变化的情况吧!
前田:是的。预见到这种大环境的变化时,要追溯到项目规划阶段进行判断。所以需要进行项目管理中高层次的项目管理判断。
刘 :明白了。
1-3 要件定義書を作成しステークホルダーとの合意について話し合う
1-3-① 要件定義書を作成しステークホルダーとの合意について話し合う:
(会話の前提)
要件定義はプロジェクト計画書の基本事項は顧客あるいは上位企画部門の要求仕様書を受けて、その要求をどのように実現するかについて決定するプロセスです。プロジェクト成果に到達するための具体的施策を決める作業になります。したがって、プロジェクトのオーナー、発注責任者、商品、あるいはシステムを開発する開発部門の責任者、開発担当者の合意が必須です。
前田:要件定義はプロジェクト計画づくりのなかで重要な作業です。顧客の要求、要望をいかに反映するかということと、実現施策とのギャップがないかについて入念な検討が必要です。
楊 :実施策の入念な検討も重要なのはもちろんですが、無理な要求、要望に対してどのように納得してもらうかも大切ですね。
前田:そうです。ただ顧客の言ったことを受け入れるだけでは専門家としての仕事の価値がありませんね。
楊 :技術的に“できない”というだけでは納得してもらえないですね。
前田:そうです。できない理由を述べる場合には、他の方法も検討しつくした結果、“できない”と判断した理由を言わなければ納得してもらえないですね。
張 :しかし、技術的に問題のあることは“できない”ものは“できない“とはっきりいった方が良いと思いますが・・
前田:そこのところですね。大切なのは。張さんが発注者の立場だとどう考えますか?
張 :それは、要求仕様書通りに実現してほしいですね。
前田:そうでしょう。誰もが自分の要求を実現してくれることを期待しています。期待が実現できないとなれば不満を持つでしょう。
張 :しかし、それはやむを得ないのではないでしょうか。
前田:やむをえないということで納得するか、十分に納得するかに違いがあるでしょう。なぜできないかについてステークホルダーが前向きに合意できるような“手続き”が必要です。
張 :手続きといいますと?
前田:それにはできない理由の背景を合理的な説明が必要です。その上に別の方法であればどのように実現できるかの策を示すことも重要です。
張 :そこまで必要ですか。
前田:もちろんです。ステークホルダー、つまり発注者は専門家である我々に信頼を寄せているのです。その信頼にこたえるには当然の手続きです。
張 :別の対策案には開発者側の合意も必要なわけですね。
前田:そうです。開発者側だけでなくプロジェクトに関わる主要なステークホルダーの合意があってプロジェクトは推進できるのです。
張 :要件定義書の段階でしっかりと合意していなければ後戻りや手直しの原因になるということですね。手続きを踏んだ合意の重要性は良く理解できました。
1-3-② 要件定義書から設計作業について話し合う:
(会話の前提)
要件定義書について合意されました。それぞれの担当分野ごとに設計作業に入ります。設計作業はコアメンバー以外の主要な担当者も参加します。前田さんは、設計メンバーに対してもプロジェクトの目的と、目標について情報を共有することになりました。
前田:みなさん、おはようございます。私はOM42プロジェクトのプロジェクトマネジャーの前田です。初めてお会いする方もいますが、どうぞよろしくお願いします。
全員:こちらこそどうぞよろしくお願いします。
前田:では、初めてなので簡単に自己紹介をお願いします。まず私から始めましょう。
<相互の自己紹介内容は省略>
前田:設計作業に入る前にいくつかのお願い事項があります。まず第1点は、要件定義書に記載されていることで分かり難いところがありましたら、自分で“勝手判断”しないで、必ずリーダーに確認してから進めてください。
担当A:勝手判断とはどういう意味ですか?
前田:“勝手判断”とは自分で判断をするのは良いのですが、その判断が主観的になった状態を言います。したがって全体との方向や位置づけがずれてしまい易いのです。
担当A:つまり、不確かなところは、過去の経験や自分なりの思惑で判断するなということですね。
前田: そうですね。しかし、全てなんでも相談してリーダーに判断を仰ぐという受動的な姿勢とは違いますよ。
担当A:良くわかりました。ほかに気を付けることはどのようなことですか?
前田:ほかに2点あります。第2点目は設計上新しい技術や材質を使う方がプロジェクト成果物の品質が高まる場合もあります。これはある種の要件定義の変更になりますから、関係者への連携をとって進めてください。プロジェクトではあらゆるフェーズでコミュニケーションが重要になります。
担当A:了解しました。
前田:第3点目は、採用する技術は日進月歩で変化します。新しい技術や機材を採用したほうが良いと判断できる場合もあります。しかし、その場合でも安易に採用を決定すると思わぬリスクの要因になることがあります。
担当A:どのような例がありますか?
前田:私の経験では、技術的、品質的には問題はありませんでしたが、供給体制に問題が発生したことがあります。安定した部品供給を受けられないことがありました。
担当A:そういうこともあるのですね。新技術、新機材の採用にはリスクが伴うということですね。
前田:そうです。設計段階で組込まれたリスクは後工程に大きな問題となりますから慎重な取り組み姿勢が大切ということです。
担当A:良くわかりました。
前田:では、他に質問もないようですから設計作業に取り組んでください。
1-3-③ WBSを作成の要点について話し合う:
(会話の前提)
WBS(ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー)は要求仕様書、要件定義書からプロジェクト全体に関わる作業項目を明確にする作業です。WBSは経験豊かな者による作成が一般的です。経験の浅い担当者が作成すると必要な作業の見落としや偏った詳細化になりやすく注意が必要です。経験の浅い担当者もベテランの経験者による指導、支援によって経験を積むことができます。
前田:WBSの作成をしていただきますが、皆さんのそれぞれの担当分野で取り組んでください。
張 :以前に使ったWBSを参考にして作ると効率的ですね。
楊 :もちろんそうですが、容易に活用するだけでは問題ですね。
前田:楊さんの言う通りです。どのプロジェクトもWBSはすべて同じということではありません。新しいプロジェクトの特性によって追加や変更する作業項目が発生します。
張 :解りました。でもWBSつくりは結構たいへんな作業ですね。
前田:そうですね。しかし、WBSがきちんとできていないと後で困ることになるんです。
張 :手抜きしてはいけないということですね。
前田:失敗したプロジェクトの失敗要因にWBSの不備が大きく関係します。それとWBS階層の粒度を合わせることも大切ですね。
張 ::粒度といいますと?
楊 :WBS階層レベルの表現の粗さのことを言います。
劉 :WBSを実際に書いてみると解るよ。
楊 :WBSはトップダウンでツリー構造に作成します。ツリーの構造を企業の組織にたとえて説明しましょう。
第一階層は、経営幹部組織とします。
第二階層は事業部組織
第三階層は部門組織
第四階層は課組織
第五階層はチーム(班)組織という階層構造になります。
張 :今回のプロジェクトだとどのようになりますか?
前田:今回のプロジェクトでは最終成果物である「新ネットワーク・プリンターの開発」が第1階層になります。
第2階層がプロジェクトマネジメントを全体的に把握する管理の階層
第3階層がプロジェクト各フェーズのPDCAを管理する管理の階層
第4階層が各フェーズの中で分担する作業分野の階層
第5階層が作業分野を構成する作業の実行範囲を明確にした階層
張 :他に注意することはどのようなことですか?
前田:WBSづくりはトップダウンが原則です。大きな着眼点からそれを具現化するために必要な管理項目、作業項目を詳細化します。
張 :ボトムアップの方法との違いはどのようなことですか?
前田:いい質問ですね。ボトムアップは実行作業を抽出するには良いのですがプロジェクトを効率的に管理するという側面が弱くなります。
張 :なるほど。そのさじ加減が難しいようですね。
前田:そうですね。したがって書き上げたWBSは何度も見直して洗練することが大切になります。
張 :WBSの出来栄えがプロジェクトの成功に影響するという意味が良くわかりました。
前田:要点をご理解いただいてありがとう。是非、皆さんで良いWBS作成になることを期待しています。
1-3-④ WBSからワークパッケージの確定について話し合う:
(会話の前提)
何度かの見直しがあってWBSがほぼ完成しました。PMの前田さんは3人のプロジェクトリーダーとWBSの内容に抜け漏れなどの不具合がないか最終確認をすることにしました。WBSの内容に抜け漏れがあると後工程の作業に大きな影響を与えます。逆に重複している場合は無駄が発生します。
最終確認を終了した段階で主要なステークホルダーの承認を得ておくことが大切です。主要なステークホルダーとはプロジェクトの企画者、承認した意思決定者、コストを負担する発注者、商品、システムを開発する関係者などです。ここでの合意承認をおろそかにすると後々に問題をおこす要因となります。
前田:ようやくWBSが完成しましたが、みなさんのご努力に感謝します。きっとこの新製品開発プロジェクトは成功すると思います。
楊 :この後の作業としてWBSの最下層である実行作業項目の担当者を決める必要がありますね。
前田:そうですね。その前にステークホルダーの合意承認をえることが必要ですね。
張 :その作業って、結構面倒ですね!
前田:面倒だけど、手を抜くわけにはいかないですね。みなさんが旅行に行く場合、旅行の内容を詳しく調べないでお金だけ支払いますか?
張 :それは念入りにチェックしますよ。行きたいところが組み込まれていなかったり、いいホテルに泊まれなかったりすると折角の旅行が台無しになりますからね。
前田:プロジェクトでも同じですよ。発注者の意図に外れた製品やシステムを作られても受け入られることはできませんね。
張 :そうすると、作り直しなどで、余分な費用や時間が必要になりますね。
前田:そうです。単に支払いが遅延するとかだけでなく、発注者にも大きな迷惑をかけることになります。発注者が外部の場合では損害賠償を支払うことにもなるのです。
楊 :金銭的な面だけでなく、企業としての信用を損ない次の商談に注文依頼がこなくなるという大きな問題に発展しかねないのです。
張 :前田さんはいままでにそのような例を経験したことはありますか?
前田:私自身はそのような大きな失敗の経験はありませんが、小さな失敗やクレームの経験はたくさんありますよ。
張 :大きな失敗をすると大変ですね。
前田:だからこそ、プロジェクトでは作業の進め方に慎重で気を配るのです。プロジェクトには、品質、コスト、納期、3つの制約条件があります。WBSの出来栄えが悪いとこのいずれの条件も守れなくなります。
張 :WBSをきちんと作ることが、プロジェクト成功の重要要因ということが良くわかりました。
1-3 编制需求定义书并与利害相关方达成一致的讨论
1-3-① 编制需求定义书,并与利害相关方达成一致:
(讨论的背景)
拿到顾客或者是高层规划部门的需求规范书后,要在项目计划书中的基本事项里定下来如何具体表现这些需求。这个作业过程叫做“需求定义”。为了形成项目的成果,这个作业的目的是决定具体的实施方案。所以,项目的所有者、发包方负责人、商品开发方或者系统开发部门的负责人、以及开发人员必须形成一致的意见。
前田:需求定义是编制项目计划的重要作业。怎么反映顾客的要求和愿望,这些要求和愿望与实施方案有没有不吻合处,要细致认真地讨论。
杨 :这是毫无疑问的,我们要认真细致地讨论,有些不合理的要求和愿望,还要想法说服客户。
前田:是的,对顾客的意见言听计从就失去了作为专家的价值。
杨 :单纯从技术角度出发,以“做不到”为理由,也没有说服力。
前田:对呀!在说明不可能做到的理由时,还要讲清楚想了很多办法都不行。要不然很难有说服力。
张 :但是,我觉得办不到就是办不到,技术上的问题还是要讲清楚。
前田:这就是要下功夫的地方。张工如果是顾客会怎么想呢?
张 :那我当然希望需求规范书的内容能够完全被实现。
前田:对吧。谁都希望自己的要求得到满足。期待落空就会不满。
张 :但是,办不到也是出于无奈呀!
前田:不同之处是用“无奈”作为理由去说服顾客,还是让其“心服口服”。要解释做不到的道理,要有让各利害相关方用前瞻的态度统一看法的“程序”是必要的。
张 :怎么理解这个“程序”?
前田:就是说要合理地解释办不到的原因背景。除此之外,如果有代用的方案,要给出可行的实施方策。
张 :有必要吗?
前田:当然有。利害相关者,也就是发包方对我们这些专家寄予信赖。要这样做才不辜负信赖。
张 :对其他的对策,开发方也要形成一致意见吧!
前田:要形成。不仅是开发方,和项目有关的主要利害相关者意见一致,项目才能推进。
张 :在“需求定义”阶段意见就不一致,会成为返工的原因,我完全理解了统 一意见的重要性。
1-3-② 参照需求定义书进行设计工作的讨论:
(讨论的背景)
对需求定义书已经统一了意见。按照各自的分工将要开始设计作业。参加设计作业的除了核心成员以外还有主要成员。前田经理和设计成员之间就项目的目的和目标也要统一意见。
前田:大家早晨好。我是OM42项目的项目经理前田。有些同事今天是初次见面,请多关照。
全员:也请您多关照。
前田:那么,大家先做一个简单的自我介绍吧。
<省略自我介绍的内容>
前田:开始设计作业之前,有几个注意事项要说一说。首先,第一点,对需求定义里的内容有不理解的,不要自己轻易判断,要和主管确认之后再着手。
设计员A:怎么定义轻易判断呀?
前田:自己作判断是好的,轻易判断指的是主观的判断。
设计员A:也就是说,对拿不准的地方,凭经验或者是自己的想法去判断。
前田:是的。但是,什么事都请示,都让主管拿主意的被动态度也不好。
设计员A:明白了。还有别的注意事项吗?
前田:还有两点。第二点是在设计中使用新的技术或材质可以提高项目成果的品质。这属于需求定义变更,要和相关者一起配合着做。在项目的所有阶段沟通都是十分重要的。
设计员A:知道了。
前田:第三点,我们使用的技术日新月异。有时也需要判断使用新技术或者新材料是否合适。但是这时候如果轻易决定采纳会带来意想不到的风险。
设计员A:有具体的事例吗?
前田:根据我的经验,虽然没发生技术问题和品质问题,但是供应体制发生了问题。不能得到稳定的部件供给。
设计员A:看来也会有这样的情况发生。新技术、新材料的采用也伴随着风险呀!
前田:是的。在设计阶段埋下了隐患,到了后续工序就成了大问题。所以一定要慎重对待。
设计员A:明白了。
前田:好,如果没有其他问题,就开始设计作业吧。
1-3-③ 有关编制WBS的要点的讨论:
(讨论的背景)
编制 WBS(Work Breakdown Structure)是按照需求规范书、需求定义书明确整个项目的所有相关作业科目的工作。一般都是由经验丰富的人编制WBS。缺乏经验的人编制时,既要注意不要漏掉必要的作业,又要避免过于繁杂。通过有经验的人员的指导和帮助,也可以积累经验。
前田:请大家编制WBS。按照分工着手吧。
张 :参考以前用过的WBS可以节省时间。
杨 :那当然了。问题是适用不适用。
前田:杨工说的对。每个项目的WBS都不尽相同。按照新项目的特点,要作一些追加和变更。
张 :明白了。可是,编制WBS是很花时间的工作。
前田:是的。但是,不把WBS作好,以后会很麻烦。
张 :不能图省事。
前田:项目做不好的原因,和WBS作做得不完备有很大关系。配合WBS层次的粒度,WBS的内容描述和科目描述都很重要。
张 :怎么理解粒度的含义?
杨 :是用来表现WBS层次的严密性的。
刘 :实际写一写就明白了。
杨 :WBS是从上到下的树结构,可以用企业组织结构说明一下树结构。
第一层 经营干部组织
第二层 事业部组织
第三层 部门组织
第四层 科组织
第五层 班组
这是组织的层次结构。
张 :那这个项目的层次呢?
前田:在这个项目里,最终成品《新网络打印机的开发》是第一层。
第2层 从整体把控项目管理的管理层
第3层 对项目各个阶段的PCDA进行管理的管理层
第4层 各阶段的作业区域层次
第5层 明确构成作业区域的作业执行范围的层次
张 :还有其他的注意要点吗?
前田:从上到下是编制WBS的原则。从大处着眼,为了具体化,对必要的管理项目,作业科目进行细化。
张 :和从下到上的不同是什么?
前田:问得好。从下到上便于抽取执行作业,但是有不便于有效率地管理项目的一面。
张 :有道理。好像不好作微调。
前田:是的。所以要反复修改、推敲写好了的WBS。
张 :WBS的质量会影响项目的成功,我明白这里边的意义了。
前田:谢谢你理解了要点。希望大家能做出高质量的WBS。
1-3-④ 根据WBS确定Work Package的讨论:
(讨论的背景)
经过几次修改,WBS基本作好了。项目经理前田要跟3个项目主管再一次确认WBS里有没有遗漏的内容。如果WBS里有遗漏,会给后续的工序带来很大的影响。另一方面,重复性又会造成无效作业。
最终确认后,一定要得到主要的利害相关方的认可。主要的利害相关方指的是
项目的规划者、批准者、承担成本的发包方、以及和商品开发、系统开发有关的人员等等。
这时候疏于统一认识,会成为后来发生问题的隐患。
前田:WBS终于作好了,谢谢大家的努力。我想这个新产品一定会开发成功的。
杨 :之后要决定实施WBS最低层作业科目的作业人员。
前田:是啊。在这之前要得到利害相关方的认可。
张 :这个作业最麻烦了。
前田:虽然麻烦,却不能省略。你们去旅游的时候,不了解旅游的详细安排就付钱吗?
张 :那当然要好好看看呀。自己想去的地方不在行程里,住的饭店不好就没意思了。
前田:项目也是一样。做的产品或者系统不是发包者想要的,就得不到验收 。
张 :那时,就得返工,要多花很多时间和费用。
前田:是的。不仅仅付款会延迟,还会给发包者添很多麻烦。发包者如果是外公司,有时还会要求损害赔偿。
杨 :不光是金钱上的损失,企业的信誉受到伤害,还会发展到以后也拿不到订单了,这就是更大的问题了。
张 :前田经理以前有过类似的经历吗?
前田:我自己没有这么大的失败的经历。但是小的失败,被投诉的经历很多呀。
张 :大的失败很难处理呀!
前田:正因为如此,在项目中,对作业的推进要十分慎重。项目里有品质、成本和交货期三个制约条件。如果WBS作得不好,哪个条件也把握不住。
张 :作好WBS是项目成功的重要因素,我明白了。
1-4 作業手順設定と工数算出について話し合う
1-4-① WBSからPDMを使って作業手順設定の要点について話し合う:
(会話の前提)
前田さんはプロジェクトコアメンバーと作業手順計画書について話し合うことになりました。作業手順を明確にするためにPDM(:Precedence Diagramming Method):プレシデンス・ダイアグラム・メソッド)を使かいます。PDMについて初めての人もいるのでPDMの概要について話し合います。
前田:WBSは実行計画の基本になることは前にもお話しましたが、今回は 実行作業のマスタースケジュールをつくるPDMについてです。PDM実行作業の優先順位、順番を決め、全体のタイムスケジュール、要員数の算出、コストの算出をするための手法です。
劉 :私はPDMの使い方はよくわかりませんので教えてください。
張 :私も良くわかりません。
前田:楊さんはPDMの使い方については良くご存知ですか?
楊 :良く知っているというほどではありませんが、使い方、目的は理解しています。
前田:では、楊さんからPDMの使い方について教えていただきましょう。
楊 :みなさんは、PDM以外の方式で、CPM(Critical Path Method)クリティカル パス メソッド)という言葉を聞いたころがあるでしょう?
劉 :CPMもPDMも言葉では知っています。
張 :私も大学で学んだので知っています。
楊 :見たことがあると説明しやすいですね。CPMは作業から作業を結ぶライン上に作業名を記述しますが、PDMでは四角い箱の中に作業名を記述します。
劉 :四角い箱のなかに作業名を記述するのですね。
楊 :それだけではありません。作業の依存関係も記述します。詳しくは参考図をご覧ください。
劉 :そういえば、友人がPMBOK®のPMP資格受験の時に出題されたと聞きました。箱の中に記載された数値から工数の算定をすると聞きました。
楊 :それともう一つ重要な使い方があります。クリティカルパスといってそれぞれの開発工程がもっとも時間がかかり、なお且つ、もっとも時間が短いルートを検出することです。つまりクリティカルパスを検出するということです。
張 :なんだか分かり難いですね。それがどういう意味があるのですか?
楊 :クリティカルパスとは、行程上でもっとも時間的ゆとりのない行程を言います。
劉 :クリティカルパスとはパス上の作業が遅れると全体も遅れるという意味ですね。
楊 :そうです。プロジェクトではクリティカルパスを検出し常に監視することが重要なのです。
張 :PDMの有効性と重要性は良くわかりました。すぐ活用したいですね。
前田:慣れないうちは戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れますから今回のプロジェクト計画づくりでは是非チャレンジしてみましょう。
1-4-② WBS,PDM、WPから作業工数を算出について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは、プロジェクトのマスタースケジュールを作成するためにPDMを使うことになり、コアメンバーの同意を得ました。PDMから作業工数の把握について話し合うことになりました。
前田:みなさんのご苦労のおかげでPDMは完成しました。ここからは、各分担分野の作業工数を算出してください。
楊 :では私の担当分野はハードウエア開発なのでその範囲の作業工数をまとめます。
劉 :私の担当分野は電子回路開発です。
張 :私の担当分野はソフトウエア開発です。
前田:なにか質問はありませんか?
張 :作業工数は、作業の難易度によって工数が変わります。それと作業の内容によっては特定のSEにしかできないことがありますが、その場合はどのようにすればいいのですか?
前田:作業の難易度については、今までに蓄積された生産指数を参考にしてください。また、新しい技術を使う場合や、特定の技術を持った技術者に しかできない作業については、見積りした作業項目(ワークパッケージ)はどれか明確にしておく必要があります。
張 :わかりました。
前田:楊さん、劉さんはなにか質問はありますか?
楊 :いま張さんが質問したことに関連してですが、作業項目の特別に記述する場合はWBS辞書で明確にしておくべきと考えるのですが、それで良いのでしょうか?
前田:楊さん。私の説明を補足していただきありがとう。特に記述しておくべき事柄はWBS辞書に記述することが大切です。WBS辞書は語句の意味を記述することではなく、その作業項目が関係する制約条件を記述しておくことです。
劉 :WBS辞書の役割も大きいですね。
前田:WBS辞書を充実しておくと、作業の見積り、要員の確保、作業を担当する人のミスや手戻りが少なくなり作業全体の品質も良くなります。
張 :WBSにすべての注意点を記述するには大変な労力が必要ですね。
前田:その通りですが、計画、準備段階に十分な労力を使うことが、結果的には労力を少なくすることができます。
楊 :私の経験ですが、成功したプロジェクトをレビューすると、計画段階にしっかり時間をかけていました。
前田:それは良い経験をしましたね。計画や準備を大切にするのはプロジェクトに限らずどのような仕事でも適用する仕事の進め方ですね。
張 :良くわかりました。今のお言葉は大変重要ですね。肝に銘じておきます。
前田:では、次に進みましょう。
1-4-③ 作業工程を基にスケジュール表を作成について話し合う:
(会話の前提)
前田さんがPMを担当するプロジェクトは、完成したWBSを基にしてタイムスケジュールを作成することになりました。楊さん、劉さんはスケジュール表策定の経験がありますが、張さんはあまり経験がないようです。そこで、前田さんはスケジュール表の作り方についてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:WBSも完成したのでタイムスケジュール表の作成に取り掛かりたいと思います。タイムスケジュール表はプロジェクトの進捗管理をする重要な資料になります。
楊 :各担当分野のスケジュールとの結合が必要になりますね。
前田:そうですね。最終的には3つの開発分野(ハードウエア、電子回路、ソフトウエアの開発作業)のスケジュールを合成する必要があります。
張 :担当分野ごとのスケジュールで作成管理すれば良いのではないですか?
前田:各開発分野の進捗管理はそれで良いのですが、プロジェクト全体のタイムスケジュール管理や、要員調達の段取りに重要なのです。
張 :なるほど、そういうことですか。自分の担当分野だけを考えていましたが、プロジェクト全体のことを考えないといけないのですね。
前田:日本の言葉で部分最適、全体最適という言葉があります。ご存知ですか?
張 :なんとなくわかる気がしますが、どのようなときにその言葉を使うのか良くわかりません。
前田:ちょっと難しい言葉ですが、中国語でも同種の諺があるのではと思います。
張 :それは「部分的な視点には適合するのではなく、全体的な視点で適合していること」を意味するのでしょうか?
前田:すごい!正解ですね。さすが張さんお見事!です。
張 :前田さんにそこまで褒めていただくと「超(張)嬉しい!」です。
前田:張さんは言葉遊びもお得意のようですね。ついでに中国語ではこのような場合はどう表現するのか教えていただけませんか?
張 :いや、本当に恥ずかしながら、適切な中国語の言葉は知りません!
楊 :では、私のほうからお答えしましょう。このような場合は中国には「以偏概全」という四字熟語があります。
前田:それはどのような意味ですか?
楊 :一部をもって全体を論ずるべきではないという意味です。ちょっと否定的な意味の四字熟語ですが、意味は前田さんのおっしゃった意味とほぼ同じです。
前田:さすがベテランの楊さん!私の中国語の勉強になります。謝謝你的好意!
張 :前田さんの中国語会話力も凄いですよ。
前田:ところでWBSからスケジュール表作成の目的や進め方も理解されたようですね。では、出来がりましたら皆さんと調整しましょう。みなさんよろしくお願いします。
1-4-④ 作業に必要な要員の確保について話し合う:
(会話の前提)
スケジュール計画が出来上がり、各作業に従事するプロジェクトメンバーをアサインし、必要に応じて外部の協力会社への要員派遣要請も行う段階になってきました。あらかじめメンバーを想定しながら進めてきましたが、この段階では明確にする必要があります。
前田:では、みなさんの各分担分野での必要な要員の特性と要員数を提示していただけませんか?
楊 :私の方では指定された書式に記入いたしました。これを皆さんにお配りしますのでご覧ください。
前田:他のメンバーの皆さんからもご提出いただきましたのでこれで検討を進めますがよろしいですか?
劉 :電子回路開発は装着される電子部品の性能、機能に大きく影響されます。できるだけ最新の技術を使った部品で回路設計をしたいと考えているのですが少し不安要素があります。
前田:そうですね。新しい技術の特性を理解している開発技術者が確保できるかというリスクもありますね。
劉 :私の感じているリスクはそのこともあります。
楊 :他に感じているリスクもありそうですね。
劉 :そうです。実は要件定義書に書かれていることを実現するには、既存の使いこなした技術、つまり涸れた技術というか経験のある技術を使う方が安心なのですが。
前田:確かに開発技術者としては悩みどころですね。安易に既存の技術を踏襲していると、商品力の強さを創出できませんね。
劉 :私の判断を悩ましているのはそのことです。多少リスクがあっても新しい価値の創造という積極的なアプローチを選択するか、あるいは安全をとるかということですね。
楊 :それと、新しい技術を習得した開発技術者の確保ということですね。
前田:劉さんの悩みは良くわかりました。楊さんの言われている新商品の価値創造の視点も重要です。
張 :このような場合はどちらか片方を重視すると、片方が満足できないということになりますね。
前田:プロジェクトではこうした選択の場面はよくあることです。張さんの言われることは英語ではトレードオフといい、日本語では二律背反といいます。
張 :その言葉は聞いたことがありますが、今回のような場合はどうすればいいのですか?
前田:現実には良く考えて、可能性を追求した結果で答えを出すことです。新しい技術を使うことにこだわり過ぎるのも本末転倒です。プロジェクトは限られた制約条件の中で目的を達成することが重要なのです。
劉 :わかりました。可能性を追求して判断をしたいと思います。もちろん要員調達の制限もありますからその範囲内で結論をできる早く出します。今日は、それ以外のところの要員について提出します。
前田:外部の協力企業から適切な要員を確保できるか、その可能性も判断の条件として考えると良いですね。
1-4 讨论工作流程设置和工时计算
1-4-① 根据WBS使用PDM进行作业顺序安排的讨论:
(讨论的背景)
前田经理准备和项目核心成员谈谈作业顺序计划书的事情。为了明确作业顺序,要使用PDM(precedence diagramming method)。
有的人是第一次接触PDM,所以要先介绍一下PDM的概要。
前田:上次我们已经谈了WBS是实行计划的基础。这次要谈谈编制主作业计划的PDM。PDM是一种手法,可以排出作业的优先度、先后顺序、整体时间计划、算出作业人数、成本。
刘 :我不明白怎么使用PDM,请教给我。
张 :我也不清楚。
前田:杨工了解PDM的使用方法吗?
杨 :不能说很熟练,但是知道使用方法和目的。
前田:那就请杨工给大家讲讲PDM的使用方法吧。
杨 :除了PDM以外, 大家听说过关键路径法(CPM:Critical Path Method)这个词儿吗?
刘 :CPM和PDM这两个词都知道。
张 :我在大学也学过。
杨 :见过就容易解释了。CPM(关键路径法)是在连接作业的线上标明作业名称。PDM是在方框里写上作业名称。
刘 :是在方框里写作业名吗?
杨 :不止于此,还要写清楚作业的依存关系。具体描述要看一下参考图纸。
刘 :对了,我想起来有个朋友考PMBOK的PMP资格时出过这样的题。要根据方框里的数值计算工时。
杨 :还有一个重要的使用方法。所谓关键路径对每个开发工序要找出最花时间的路径和最短的时间路径。也就是找出关键路径。
张 :不太好理解。这是什么意思呢?
杨 :关键路径指的是在行程上最没有富裕时间的行程。
刘 :关键路径的意思是不是说,在路径上的作业如果延迟了,会使整个作业拖延。
杨 :是的。在项目里挑选出关键路径,时时进行监控非常重要。
张 :我理解PDM的作用和重要性了。很想马上就用一用。
前田:不习惯的时候会有些迷惑,但是会很快习惯的。这次作项目计划请你一定用用看。
1-4-② 讨论从WBS、PDM和Work Package中计算工时:
(讨论的背景)
前田经理得到了核心成员的同意,编制项目主作业计划时使用PDM。他要和大家谈谈有关根据PDM把握作业工时的事情。
前田:经过大家的努力,PDM已经作好了。现在请计算出各自分工的作业工时。
杨 :我分工的是硬件部分的开发,这部分的工时我整理。
刘 :我分工的是电子电路。
张 :我分工的是软件开发。
前田:有没有疑问?
张 :作业工时会根据作业的难易度变化。还有就是要根据作业的内容,有时只有特定的人才能承担。这时候如何才好呢?。
前田:对于作业的难度,可以用以前积累的生产指标作参考。还有,使用新技术时,或者只有拥有特殊技术的人才能胜任的工作时,需要把作出这样估价的作业科目(也就是作业包)明确标出来。
张 :明白了。
前田:杨工和刘工有什么问题吗?
杨 :和张工的问题有关联,对作业科目有特殊记述时,我想在WBS词典里给以标明,这样行不行?
前田:杨工对我的说明给以了补充,谢谢你。把需要专门注明的事项写进WBS词典很重要。WBS词典不仅要记述词语的意思,还要记述和作业科目有关的制约条件。
刘 :WBS词典的作用很大呀。
前田:把WBS词典的内容充实起来,对工时估算,人员保证都有帮助,还可以减少作业人员的失误和返工,使作业整体的品质有所改善。
张 :要把所有的注意要点都写进WBS工作量非常大呀。
前田:是这样,如果在计划和准备阶段作了充分的付出,可以得到事半功倍的效果。
杨 :根据我的经验,对成功的项目进行复查时,在计划阶段都花了不少时间。
前田:这是很好的经验。认真地做计划和准备并不限于做项目,是适用于任何工作的推进方法。
张 :我完全明白了。这些内容太重要了。我得好好记住。
前田:那我们就接着讨论吧。
1-4-③ 讨论基于工作流程制作时间表:
(讨论的背景)
前田经理负责的项目,做完了WBS,在此基础上该编日程表了。杨工和刘工都有这方面的经验,张工经验不太多。这样,前田经理决定要和核心成员谈谈日程表的制作方法。
前田:WBS已经做完了。我们要着手做日程表了。日程表是项目进度管理的重要文档。
杨 :还需要和各自分工部分的日程结合起来。
前田:对。最后要把三部分(硬件、电子线路、软件开发作业)的日程进行合成。
张 :按照各自分工的日程进行管理不是也很好吗?
前田:各自分工部分的管理可以按部就班地做,但是项目整体的日程管理,以及人员调度很重要。
张 :还有这么多工作呀,看来不能只考虑自己的分工,还要有整体的考虑。
前田:日语里有局部最优和全局最优的说法,你们知道吗?
张 :可以猜出来大概的意思,但是不知道什么时候用。
前田:稍有些难度,我想汉语里会有同样的表现。
张 :是不是“不要用局部的观点看待整体问题,要有整体的观点”的意思。
前田:了不起。很正确。到底是张工,太优秀了
张 :前田过奖了!我该找不着北了。
前田:张工说话真风趣。那你能把汉语的说法告诉我吗?
张 :不好意思,我不太知道最贴切的表现。
杨 :那么,让我来说吧。这时可以用“以偏概全”这个成语。
前田:这是什么意思?
杨 :就是说不能用局部事务代替整体,是有点儿贬义的成语。和前田经理的意思基本一样。
前田:杨工不愧是高手,谢谢你教给我汉语。
张 :前田先生的汉语说的真不错!
前田:言归正传,大家看来都明白了按照WBS作日程计划的目的和推进方式了。那么,做完之后再一起调整吧。拜托各位了。
1-4-④ 讨论确保必要的工作人员:
(讨论的背景)
日程计划作好了,该安排项目成员的工作了,有必要的话还要请协作公司派人来一起工作。虽然对人员安排已经有所考虑,现在到了落实的阶段。
前田:那么,可以请大家把各自分工部分的人员的特点和人数告诉我,好吗?
杨 :我已经按照规定的格式填写了。发给大家过目。
前田:别的人也都交上来了,我们可以开始讨论吗?
刘 :电子线路开发受所使用的电子元器件的性能和功能的影响很大,因为我们尽量选用了采用最新技术的元器件做电路设计,所以有些不安因素。
杨 :是啊。能不能确保了解新技术的技术开发人员还是有风险的。
刘 :这也是我担心的地方。
杨 :你好象还有其他的不安。
刘 :是的。说实话,要实现需求定义书里面的内容,用成熟的技术,或者说以前用过的技术比较放心。
前田:这确实是开发人员的苦恼。但是只图无碍而沿袭现有的技术,就不能创造出有生命力的商品。
刘 :这正是让我难以判断的地方。是承担一定的风险压力,积极探索,创造新的价值,还是以安全为主呢?
杨 :还要确保有懂得新技术的技术开发人员。
前田:我很理解刘工的苦恼。杨工说的塑造新产品的价值的观点也很重要。
张 :现在是重视了一方就满足不了另一方。
前田:在项目中碰到这样要选择的局面是常有的事。张工所说的用英语说就是Trade off,日语是“二律背反”。
张 :听到过这样的说法,这次怎么办才好呢?
前田:现实一些考虑,要根据我们追求的可能性会得到什么结果作出回答。过分拘泥于采用新技术,会本末颠倒。在限制条件范围内达到项目的目的是很重要的。
刘 :明白了。看看能做到哪一步再作判断吧。当然还要在人员调度允许的范围内早作结论。今天先把其他的人员名单提出来。
前田:从外面的协作公司可不可以借调到合适的人员?这也可以作为对可能性进行判断的条件。
第2章 進捗管理と変更対応の場面
第2章 进度管理和变更对应的场景
2-1 キックオフミーティングを開催する
2-1-① プロジェクトメンバーを集めることについて話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトの計画フェーズも完了し、実際に開発活動のフェーズに入ることになりました。プロジェクトのメンバーが全員出席して顔合わせをする場がキックオフミーティングです。当然、初めて出席する人もいます。外部からの協力参加するメンバーもいます。大きなプロジェクトになると担当分野のチームリーダーのみの出席になることもありますが、できるだけ多くのメンバーの出席を得て意思統一を図ることがプロジェクト成功の重要成功要因(CSF:クリティカル・サクセス・ファクター)の一つです。
前田:プロジェクト計画も完了しました。皆さんにはすでにお知らせしていたように大日程計画(マイルストーン)で二週間後の月曜日にキックオフミーティングを開催します。
楊 :主要なステークホルダーの方々の日程調整は済ませています。開発担当分野の主だったメンバーには1か月前に連絡しておきました。
前田:それはありがとう。ところで場所の確保もお願いしておきましたが問題なく確保できていますか。
楊 :大丈夫です。ご安心ください。それとキックオフミーティングに必要な機材なども予約確保しておきました。
前田:それはどうもありがとう。
劉 :キックオフに出席していただく主要なステークホルダーのリスト(案)も作成しましたので内容的なチェックをお願いします。
前田:劉さんに出席者リストの作成依頼をしましたが、納期に間に合わせていただきありがとう。
劉 :どういたしまして。お役にたてて良かったです。
前田:では、さっそくステークホルダーリスト(案)の見直しをしましょう。リスト以外にも出席必要な人が漏れていないか再確認しましょう。
張 :私の担当するソフトウエア開発で、協力していただく協力会社のマネジャーがリストに記載されていないので是非参加者名簿に入れてください。
前田:それは重要ですね。ほかに漏れているようなところはありませんか?
楊 :社内の関係部門のところはすべて網羅されていますからこれで大丈夫と思います。
前田:では、私の名前でキックオフミーティング開催通知文書を発行します。合わせて電子メール文書にても通知しておきます。
張 :欠席者にはどのように情報を共有しますか?
前田:今回のプロジェクト専用に情報共有サーバーを立ち上げます。欠席者にキックオフミーティングで発表、配布した資料を閲覧するように指示してください。
張 :わかりました。指示をします。
前田:それはミニマムですが、基本はキックオフミーティングに出席することですから、安易に欠席を認めないようにしてください。
張 :確認ですが、私たちPLは開発担当の関係者の範囲をフォローすればいいのですね。
前田:はい、それで良いです。御社の経営幹部の方やプロジェクト発注者の商品企画部門などの主要なステークホルダーには、PM事務アシスタントから連絡し、私がフォローします。
2-1-② プロジェクトの目的、目標について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトを成功させるにはプロジェクトに参加するメンバー全員が、プロジェクトの目的や目標をよく理解していることだと言われています。
前田さんとコアメンバーは、キックオフミーティングでプロジェクト企画書を基に説明をおこないます。プロジェクトメンバーが理解を深めるにはどうすれば良いかについて話し合うことにしました。
前田:このプロジェクトの計画づくりの前に、みなさんと目的、目標の重要性について話し合ったことを覚えていますか?
楊 :もちろん良く覚えていますよ。
張 :そういえば、そんなこともありましたね。
前田:おやおや、もうお忘れになりましたか(笑)
張 :すみません。このところ準備で忙しくって!
楊 :まあ、話し合ったことを覚えているようですから、まだ、安心ですよ。
前田:劉さんはどうですか?
劉 :プロジェクトの目的は、当社の事業戦略の主要な計画の一つで、新商品開発によって当社と御社の事業を進展することですね。
前田:その通りです。
張 :そういえば、思い出しました。
前田:では、もう少し思い出していただきましょう。このプロジェクトの目標はどのようなことでしたか?
張 :それは、えーっと・・・思い出しました。目標は新製品開発のQCDを守り計画通りにプロジェクトを成功させることです。
前田:そうです。良く思い出されましたね。安心しました。
張 :目的や目標は常に意識していないと徐々にぼやけてしまいますね。
前田:そこが重要なのですよ。誰でも目先の忙しさに目を奪われてついつい目的や目標を見失い易くなるのです。
楊 :私も同じような経験はあります。
前田:人間はすべてをずっと覚えているわけではありません。局面、局面によって必要な記憶をたぐりよせれば良いのです。
張 :ただし、うろ覚えの情報記憶ではだめですよね。
前田:そういう意味では常に想い出せるようにする工夫が必要です。
張 :思い出す工夫とはどのようにするのですか?
前田:一つだけの方法ではなく、いくつかの方法があります。一つ目は、今度のキックオフミーティングでは、最初に私からプロジェクトの概要と目的、目標について詳しく説明します。二つ目は、プロジェクト共有サーバーにも目的と目標をわかりやすく記載した文書をファイルしておきます。三つ目は、各開発室の目立ちやすいところに、大きな用紙で掲示します。いわゆる「見える化」ですね。四つ目は、みなさんにお願いしなければなりません。それは、皆さんがマネジメントする開発チームのなかで、時に触れ折に触れメンバーの認識を確認することです。これを地道に繰り返せば誰も忘れることはなくなります。
張 :つまりメンバーとのコミュニケーションが重要ということですね。
前田:そうです。アドホックなコミュニケーションも効果的ですが、定例の会議体などにおいても意識的なコミュニケーションが必要ということですね。
2-1-③ プロジェクト組織体制、機能について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは3人のコアメンバーとプロジェクトの実行フェーズに向けて
組織体制、機能について確認の話し合いをすることになりました。
今回の組織体制はプロジェクト全体の責任者(PM)として前田さん、東莞の開発部門には、筐体構造設計開発製造の担当責任者(PL)に楊さん、電気電子回路設計開発製造(PL)の責任者に劉さん、プリンター制御ソフトウエア開発製造の担当責任者としています。それぞれの開発チームには外部の協力企業のメンバーもプロジェクト組織に構成されます。プロジェクト活動に関係する定常組織機能からもメンバーが参加します。代表的な機能として、要員調達、部品、機材の購買調達機能、品質管理機能、契約、特許など法務機能、実行中に、開発仕様の追加変更について意思決定する変更管理機能、プロジェクトへの支援、監査を行うPMO機能などがあります。
前田:今回のプロジェクトの組織体制と機能について、皆さんと私の認識に差異がないことを確認しておきましょう。
楊 :そうですね。お互いの認識が食い違っていると後で問題が起きた時に困りますからね。
前田:そうですね。同じ文書を読み説明を聞いても、人間の受け止め方、理解のあり方に差異が生じるのも事実ですね。
劉 :だからこそ認識を合わせておくことが重要ということですね。
前田:プロジェクトのなかで、開発や製造といった実務では比較的認識の差異が少ないのですが、プロジェクトを支える側面の機能については主観的に、自分たちの都合の良い理解をしがちになります。
楊 :確かにそういう場面は良くありますね。たとえばPMOの機能に対しても、なぜもっとタイムリーに支援してくれないのかという不満を漏らす人がいますね。
劉 :他にもありますね。部品の調達が思うようにならないとか、派遣要員との契約が遅れて現場の必要なタイミングにあわないという不満の声を聞きます。
前田:そうした不満が多発すれば、プロジェクトの目的、目標に向かって協業する気持ちを阻害することになります。結果的にプロジェクトの成果にも悪影響をもたらすことになります。
張 :ではどういうことが必要なのですか?
前田:これは前にも話し合いましたが、人はどんな人でも、自分なりの価値観をもっています。
張 :価値観という言葉は知っていますが、それがプロジェクト活動にどのように影響するのですか?
前田:価値観とは、それぞれの人の考え方で、自分の生き方の基準となるものです。言い換えると自分がもっとも大切にしているものの見方、考え方なのです。
張 :それとここで組織体制、機能を再認識することとどのような関係がありますか?
前田:そうですね。どういう関係があるか要点を説明しましょう。重要なことは、それぞれの組織体制、機能に携わる人たちの役割、目的目標がなにかをよく理解することです。
張 :それですと私も十分理解しているつもりですが・・・
前田:大切なのはその人の立場に立って考えることです。表面的には誰でもその人の立場や役割を理解しているのですが、自分の身をその人の立場に置き換えて価値観はなにか考えてみることです。
張 :そこまでは考えたことはありませんでした。
前田:プロジェクト組織はいろんな機能で成り立っています。ある意味で人間の体と同じようなのです。足の小指一本が痛くても体全体が上手く動かないことと同じなのです。
張 :なるほど、そこまで考えてこそ組織も機能も力を発揮できるのですね。
2-1-④ 会議体、進捗報告の方式について話し合う:
(会話の前提)
前田さんはプロジェクトの各種の会議体と進捗報告についてコアメンバーと話し合うことにした。決定したことはキックオフミーティングでメンバーに説明することにしている。内容的にはプロジェクトの主だった会議体の目的と意義、その出席メンバーについて話し合う予定です。また、プロジェクト活動の進捗状況報告のあり方についても話し合うことにした。
前田:再来週の金曜日にキックオフミーティングを開催しますが、プロジェクトメンバーに、プロジェクトの各種の会議体とその目的について、また各階層の進捗報告のルールについて周知しておきたいと思います。この打ち合わせでは、その内容をコアメンバーの皆さんと再確認したいと思います。
張 :各開発チームの小グループの活動報告もその範囲ですか?
前田:そうです。すべての活動報告も統一された方式、ルールを適用します。
張 :すると活動報告体系によって行われるということですね。
前田:そうです。
張 :各チームの担当業務によって報告の間隔は異なると思いますが、すべて統一するということですか?
前田:各チームの進捗報告は、作業計画に基づいて行うことが原則です。もちろん個々の作業日程、作業内容によってすべて同じではありません。
張 :しかし、プロジェクト全体の報告会への関係もありますから、どこかでまとめておく必要があるということですね。
前田:そうです。みなさんから私のほうへの進捗報告をしていただく日程は計画で定例的に行います。
張 :分かりました。私が担当するソフトウエアの開発に関する報告は私が掌握して報告いたします。
前田:プロジェクト全体の会議は隔週金曜日に行います。それに整合して報告していただくことになります。
張 :プロジェクト全体会議は隔週の金曜日の何時からですか?
前田:みんさんの都合に合わせたいと思いますが、劉さん、楊さんはいかがですか?
劉 :私は午前中が良いかと考えます。
楊 :私も午前中が良いと思います。理由は全体会議の結果を午後にはメンバー伝え、月曜日からのアクションに反映できます。
前田:そうですね。そのためにはみなさんは隔週の金曜日に報告が間に合うように、各サブチームの進捗会議を行っていただければと思います。
張 :わかりました。
前田:定例の進捗会議では、問題点とトピックスを要領よく簡潔に行いたいと思います。大きな問題や課題が緊急事態発生した場合には定例会議を待つのではなく臨時に検討会議を招集します。みなさんからも臨時の検討会が必要と判断した場合はご連絡ください。
前田:また、主要なステークホルダーへの進捗報告は私が主体となって報告を行いますが、みなさんも会議体メンバーとして出席をしていただく設定です。
2-1 召开项目启动会
2-1-① 关于召集项目成员的讨论:
(讨论的背景)
项目的计划阶段已经结束了,实际的开发工作就要开始了。参加项目的全体成员要互相认识一下,集中起来开启动会。当然会有第一次参加会议的人,也有其他协作公司的成员。如果是很大的大项目,有时候只能是小组长以上的人参加,但是参加的范围尽量大一些,有助于统一思想,是把项目作好的重要因素之一。(CSF:Critical Success Factor)
前田:我们已经把项目计划作完了。也通知了大家按照项目里程碑(mile stone)两周后的星期一要开启动会。
杨 :主要的利害相关方的日程已经调整好了。主要的开发人员一个月以前就联系好了。
前田:谢谢啦。会场定好了没有,没问题吧。
杨 :没问题。您就放心吧。启动会需要的设备和用品等也落实了。
前田:那太好了。
刘 :我做了一个出席启动会的主要利害相关方的名单方案,请您确认一下内容。
前田:整理出席者名单的事儿交代给了刘工,谢谢你按时完成。
刘 :您别客气,我愿意多出点儿力。
前田:那么,我们抓紧时间看看出席者名单方案,别把谁漏了。
张 :分工给我的软件开发中,有一个协作公司的经理这上边没有,得给加上。
前田:这很重要。其他还有遗漏的吗?
杨 :公司内部各个关联部门都考虑到了。我想没什么问题。
前田:这样,用我的名义把启动会通知书发下去吧。同时也用电子邮件通知一下。
张 :参加不了的人怎么共享信息呢?
前田:为了本次的项目,专门准备了信息共享服务器。启动会上要宣布缺席者名单,要求他们阅读发布的资料。
张 :明白了。我来安排。
前田:这是应对实在参加不了的方法,原则上都应该出席启动会,所以不要轻易批准缺席。
张 :我想确认一下,我们项目组长只负责关照相关的开发人员就可以了吧。
前田:是的,这样就可以了。贵公司的经营干部和项目委托方的商品规划部门等主要的利害相关者,由项目管理事务助理联系,我负责关照。
2-1-② 有关项目的目的和目标的讨论:
(讨论的背景)
为了把项目作好,所有参加的成员都要对项目的目的和目标给以充分理解。
前田经理和核心成员在启动会上要对计划书的内容给以说明。前田经理要和他们讨论怎么样才能让项目成员能够深入理解。
前田:大家还记得我们在做计划前,一起讨论过目的和目标的重要性吗?
杨 :当然记得。
张 :好像有这么回事。
前田:你看,他已经快忘了。(笑声)
张 :对不起,事儿太多了。
杨 :不管怎么说,还记着有这么回事儿就好。
前田:刘工还有印象吗?
刘 :这是我们公司事业战略的主要计划之一,这个项目的目的是通过开发新商品推进我们两个公司事业的进展。
前田:非常正确。
张 :我渐渐想起来了。
前田:好,慢慢回忆一下,这个项目的目标是什么?
张 :是什么来着。。。对了,我想起来了。目标是控制好新产品开发的QCD,按照计划把项目作好。
前田:对啦。你想起来了我就放心了。
张 :不能常常想到目的和目标,慢慢就会模糊起来。
前田:这点很重要。光想着眼前的事,容易忽视目的和目标。
杨 :我也有同样的体会。
前田:谁也不能什么都记住。只要能记住每个阶段的要领就可以。
张 :但是,记忆的信息不能模糊不清吧。
前田:让你这样一说,还是有必要时不时地花些时间复习一下。
张 :怎么样下功夫复习呢?
前田:不只是一种方法,有几种方法。一个是我会在这次的启动会上详细地说明项目的概要、目的和目标。 再一个是在项目公共服务器上把目的和目标用简单易懂的描述存在文件里。第三个办法是把有关的内容贴在每个开发室醒目的地方。让大家都看得见。第四个方法就要拜托各位了。要请大家在自己管理的开发组里随时随处地检查一下每个成员的意识,只要我们扎实地反复做下去,大家就不会忘记了。
张 :也就是说和成员的沟通是很重要的事情。
前田:对。虽然专门强调会有效果,但是在例会上常提提也很必要。
2-1-③ 有关项目组织体制和功能的讨论:
(讨论的背景)
针对项目的实施阶段,前田经理要和三个核心成员一起展开确认组织体制、功能的讨论。
这次的组织体制,前田经理为项目总负责人(PM),在东莞的开发部门里,杨工是框架结构设计开发制造的负责人,刘工是电子线路设计开发制造(PL)的负责人,张工是打印机控制软件开发制造(PL)的负责人。每个组里的协作公司成员也都编在了项目组织里。跟项目活动相关的常设组织部门也派进了人员。作为代表性的职能,有人员调配功能、部件和器材的采购调配功能、品质管理功能、合同以及专利等法务功能,还有在实施过程中,对开发规范的追加变更作最终决定的变更管理功能,对项目进行辅助、监督的PMO功能等。
前田:我想了解一下各位对这次的项目体制和功能的认识跟我有没有不一样的地方。
杨 :这确实很重要。互相之间认识不一致,以后发生问题会比较麻烦。
前田:是啊,即使是看同样的文章,听同样的说明,人的接受能力和理解能力都会产生差异,这是一个事实。
刘 :所以互相统一认识才是重要的。
前田:在项目中,像开发和制造那样的实务性作业,认识上的差异相对较少,但是关于协助项目的辅助功能,就很容易作出主观的判断和理解。
杨 :确实常常有这种情况。比方说,有人会埋怨PMO的支援不及时。
刘 :还有别的。会听到部件不能按时到位啦,协作人员的合同拖延,不能和现场的需要合拍等等不满的意见。
前田:牢骚多了,会给实现项目的目的、目标的协作气氛带来障碍。最终也会给项目的成果带来恶劣影响。
张 :那么要做些什么事情呢?
前田:以前也和大家谈过,甭管谁,都有自己的价值观。
张 :知道价值观这个表现,这对项目活动有什么影响吗?
前田:价值观是每个人考虑问题的方法,人生观的标准。换句话说,是对自己最重要的认识事物的方法、思维方法。
张 :这跟现在所谈的重新认识组织体制、功能有什么关系呢?
前田:是啊。有什么关系呢?说一下要点吧。重要的是认真理解跟组织体制、功能相关的所有人的分工、目的和目标是什么。
张 :要是这么说的话我觉着已经完全理解了。。。
前田:要紧的是站在对方的立场上考虑问题。看起来谁都理解对方的立场和分工,我说的是作换位思考,考虑对方的价值观是什么。
张 :我还没有这样想过。
前田:项目的组织是由各种功能组成的。从某种角度上说可以拿人体打比方。一个小脚趾头疼整个身体都不能很好地活动,道理是一样的。
张 :可不是吗,要想到这一点,组织和功能的力量才可以发挥出来。
2-1-④ 有关会议形式和进度报告方式的讨论:
(讨论的背景)
前田经理要和核心成员商量各种会议体系和怎么作进度报告。定下来的事情要在启动会上说明。要商量的内容有项目主要的会议体系的目的和用意,有哪些人要出席。另外还要讨论有关项目活动的进度状况报告应该怎么作。
前田:下下星期五要开启动会了,要让各位项目成员都能知道项目的各种会议体系和会议的目的,以及各层次的进度报告的规则。这个会就是想和各位核心成员再确认一下这些内容。
张 :每个开发组的小组活动报告也在这个范围之内吗?
前田:是的。所有的活动报告都用统一的方式和规则。
张 :那样的话就可以按照活动报告体系去作了。
前田:是的。
张 :根据每个小组的分工,汇报的间隔也不一样,全都要统一起来吗?
前田:每个小组的进度报告,原则上按照作业计划进行。当然根据各个作业日程、作业内容不会完全一样。
张 :但是,跟项目整体的报告会也有关系,必须要有一个综合管理的环节。
前田:是的。大家向我作进度汇报的日程要按照计划例行进行。
张 :明白了。我负责的软件开发部分的报告由我掌握进行汇报。
前田:项目全体会议隔周星期五召开。请大家把时间调整好,作汇报。
张 :项目全体会议是隔周星期五的几点开始?
前田:看大家的方便,刘工、杨工你们觉着什么时间合适?
刘 :我觉着上午比较好。
杨 :我也觉着上午比较好。下午就可以把全体会议的结果告诉大家,星期一起就可以有所行动。
前田:是这么个思维。为了保证隔周星期五的报告,要召开各个小组的进度会。
张 :明白了。
前田:例行的进度会对问题点和议题要重点突出,简要一些。有重大问题或课题时不必等着例会,临时召集会议研究。大家认为有必要召开临时会议时请和我联系。
前田:还有,给主要的利害相关方的进度报告以我为主来作,但是大家作为会议体系的成员要出席。
2-2 進捗報告
2-2-① 計画と実際とのギャップ報告について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは進捗報告のあり方について話し合うことにしました。進捗報告はプロジェクト作業の進捗状況を定期的に報告することになっていますが、正しくない報告がなされることが発生します。その原因は、進捗状況が人の見方によって異なる場合や判断の基準が曖昧になっている場合に発生します。ここでは、コアメンバーと判断基準について確認をすることにしました。
前田:みなさんは、プロジェクトの進捗報告が実態とずれていたという経験はもっていますか?
楊 :あります。あります。報告を受けて順調に進んでいると安心していたら実はそうでなかったという虚偽の報告を受けていたことがありました。
前田:それは大変でしたね。実は私にもそういう経験がありますよ。
楊 :前田PMにもその経験がお持ちだったとは。
前田:誰でも、多少のことはあるのではないでしょうか?劉さんや張さんは、いかがですか?
劉 :私にもありますね。どうもおかしいなと思って現場の作業遂行結果を確認したらどうも違うなということがありました。
張 :私もあります。もっとも、私の場合は報告を受けた側でなく、報告をした側でした。
前田:張さんは正直な人ですね。大なり小なりそうした経験はみんなあると思います。しかし、プロジェクトマネジメントの精度を上げるにはこうしたことを改める必要があります。
張 :そうですね。進んでいたはずの作業が遅れていたのではマネジメント上の大きな問題になりますね。
前田:そこで、そうしたことが起きないように皆さんと一緒にルールや基準を確認しておきたいのです。
楊 :それは良いですね。
劉 :どのようなことをルール化するのですか?
前田:まず、進捗状況の報告は着手した作業の捉え方を統一しておきましょう。統一基準として、作業に着手した時点で進捗率をどう計上するかの取り決めが必要です。
楊 :そうですね。サブチームや個人で計上の基準は統一しておくことは重要ですね。
前田:今まではどのようにされていましたか?
楊 :作業に着手した時点で計画作業の20%を計上し、完了した時点で残りの80%を計上していました。
劉 :私のところでは、着手時点では50%、完了時点で残りの50%を計上していました。
張 :私のところでは、着手時点では0%と計上し、完了した時点で100%計上していました。
前田:ありがとう。皆さんのご意見を参考にしながら、統一ルールを決定しましょう。
楊 :それぞれ一長一短がありますが、いずれでも決めればそれに遵守したいと思います。
劉・張:私もそれで結構です。
前田:では、進捗数値の見かけ上の振れ幅が少ない平均的な50%ルールで統一しましょう。
2-2-② 作業が遅れている状況(事実)について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは定例のプロジェクト進捗会議でソフトウエア開発チームの作業が
遅れているという報告を受けました。計画した作業のうち、どの作業が遅れているのか詳しく状況を確認することにしました。
前田:みなさんご報告ありがとうございました。先ほどの報告の中で張さんが担当するソフトウエア開発チームの進捗が遅れているという報告がありました。他の担当分野はオンスケジュールで進捗しているようなのでソフトウエア開発チームの状況をお聞きしたいと思います。
楊 :そうですね。それが良いかと思います。
張 :では、私の方からもう少し詳しく状況を説明します。いま遅れているのはプリンターに接続するさまざまなPCからプリント要求に対するコントロールプログラムの開発作業です。
前田:なるほど。プリンターソフトウエアとしては重要なところですね。
張 :はい、この部分は外部の協力会社のSEに参加して共同で開発しているところです。
前田:ソフトウエア開発の全体計画との関係で余裕はどの程度ありますか?
張 :当初計画では20日間の日程を見込んでいましたが、現状は計画の半分程度の進捗です。
前田:そうですか。その開発にはかかる工数の内、計画では、社内の開発者は2名が参加し、協力会社の技術者が4名と予定されていますが、それは計画通りに進んでいるのですか?
張 :実は、協力会社の技術者は当初予定通り4名なのですが、技術スキルが少し不足しているらしいのです。
前田:それは、どうしてそのように思われたのですか?あなたが実態を確認されたのですか?
張 :はい、社内メンバーから相談があり、開発作業の進め方や開発した内容を確認した結果、そう判断しました。
前田:なるほど。そういうことですか。協力会社側の責任者とはどのような話をしていますか?
張 :協力会社の責任者には、遅れている状況を伝え、スキルの確かな人材に変更してほしいと伝えましたが、早急にスキルの高い要員を選抜するので少し待ってほしいとのことです。
前田:そうですか。もう少し待つというのはどの程度の期間のことですか?
張 :来週の前半には大丈夫ということです。
前田:それで、計画遅れを取り戻せるということですか?
張 :はい、他の作業との関係でバッファ(余裕)があるので何とか数日の遅れで回復できると思います。
前田:わかりました。最大で3日間の遅れになるということですね。協力会社との交渉で必要であれば私も同席しますから遠慮せずに申し出てください。
張 :分かりました。頑張って計画の遅れを取り戻したいと思います。
2-2-③ 作業が遅れている原因について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは次の進捗会議で、張さんからその後の進捗報告を受けました。
前回の報告では、協力会社からスキルの高い技術者を派遣して遅れを取り戻すとのことでした。確かに新たに開発技術者が参加しましたが、開発作業の遅れはあまり進捗していないようです。前田さんは他にも開発を遅らせている要因があるのではと見ています。そこで、進捗報告会の終了後、ソフトウエア開発責任者の張さんと原因について話し合うことにしました。
前田:張さん、早速ですが開発状況について、困っていることや、お気づきのことがありましたらなんでも結構ですからお話していただけませんか?
張 :そうですね。ご心配をおかけして申し訳ありません。協力会社の派遣技術者のスキルレベルに問題があったことは前回の報告会でお話しましたが、それだけではないように思えてきました。
前田:ほう、そうですか。どのようなことが気がかりなのですか?
張 :今回、新たに参加されている開発技術者は、ベテランで確かに開発経験もありますが、通信ネットワークに関するところはあまり経験がなさそうなのです。
前田:なるほど。それは困りますね。
張 :要求仕様書や要件定義書にかかれていることを理解するために時間がかかっているようなのです。それと、今までに進めてきた開発部分との関係を理解するにも予想以上に時間がかかっているようです。他のメンバー(社内の開発技術者)からも事前に説明を行い大丈夫との判断をしていたのですが・・・
前田:張さんもご存じだと思いますが、他人の開発したプログラムを引き継いで開発するには、それなりの時間が必要になりますね。
張 :確かにその通りなのですが・・・
前田:張さん、開発納期にはまだ少し時間がありますね。作業の納期内完了は重要ですが、ここは、慌てず、手続きを踏んできちんと開発目的と目標について理解を深める必要がありますね。
張 :そうですね。少し性急に成果を求めすぎていたかもしれません。もし、自分がその開発技術者の立場になれば、情報も目的も理解しないで直ぐ開発に取り掛かれと言われても無理かもしれませんね。
前田:張さん、そこですよ。大事なポイントは。どのような仕事でも、人は強制されてもなかなか自発的に動けないものです。ましてや、ソフトウエアプログラムの開発という作業は頭の中で論理性を追求しながら取り組む仕事です。
張 :良くわかりました。プロジェクトでもいかにメンバーが動きやすい環境を作るか、マネジメントの立場にある人間の責任だと思います。
前田:ほかにも仕事の生産性を阻害する要因はあるかと思いますが、人間関係における阻害要因が成果に大きな影響をもたらすと言えます。これからも様々な阻害要因が出てくると思いますが、張さんだけでなく私も先頭に立って力を合わせて取り組みたいと思います。
2-2-④ 作業遅れを回復する施策について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは張さんからソフトウエア開発の作業が計画より遅れていると報告を受けました。張さんは開発の遅れの原因は協力会社から参加している技術者のスキルを問題にしているようですが、自らのマネジメントが性急すぎたとの反省もあるようです。そこで遅れを取り戻すためにどのような対策が必要か前田PMと話し合い、アドバイスをもらうことになりました。
前田:張さん、遅れの状況については良くわかりました。また、その原因も大体わかりましたが、もうすこし原因を絞り込んで、今後の対策を話し合うことにしませんか?
張 :そうですね。そうしていただくと私も安心です。
前田:このような経験は以前にありましたか?
張 :はい、全く同じではありませんが、似たようなことはありました。
前田:その時はどのような原因でしたか?
張 :その時は、とにかく納期が迫っていたので上司にお願いして開発要員を増員してもらいました。
前田:なるほど。それで作業の遅れは取り戻せましたか?
張 :はい、なんとか納期までに完了することができホッとしました。
前田:繰り返すようですが、作業遅れの原因はどのようなことでしたか?
張 :やはり、開発者個別の問題ですが、開発の手戻りや、手直しが多く、スキル的に問題があったように思います。
前田:いま、個別の問題といいましたが、具体的にはどのように対応されましたか?
張 :遅れている開発技術者の担当作業量を減らし、新たに投入した開発技術者に振り分けました。
前田:なるほど。負荷分散したということですね。
張 :そうです。
前田:それで納期には間に合ったということでよかったのですが、追加した人員コストが増加しプロジェクトのコスト的な面では計画より超過したということですね。
張 :その通りです。
前田:そして、もう一つ気になることがありますが、作業量を減らした開発技術者はその後どうなりましたでしょうか?
張 :やはり自分の力がないということで、少し落ち込んでしまいました。
前田:そうでしたか。なかなか現実的には時間的制約もあって難しいのですが開発技術者の気持ちも大切にしないといけないということですね。
張 :私も反省したのはそのことでした。納期にばかり観点がいき、個人のプライドとかモチベーションにまで心配りができていなかったように思います。
前田:そこですね。大切なところです。プロジェクトは、マネジャーの力だけで成功できるものではないのです。長期的にはメンバー一人ひとりのモチベーションが大切です。対策のメリット、デメリットも良く吟味しておこなう必要がありますね。
張 :そうですね。今回もそこを良く考えた対策案をとりたいと思います。
2-2-⑤ 必要な支援策について話し合う:
(会話の前提)
張さんの担当するソフトウエア開発の作業に遅れがあることが明確になりました。前田さんと張さんは、作業項目の遅れているワークパケージを精査して新たな要員を投入することにしました。目的はプロジェクトの計画通りの完了することですが、現在作業を担当している開発技術者からの意見も良く聴き、作業の配分を検討することにしました。
前田:張さん、作業項目のうち、遅れている作業も明確になりましたね。PMOの王さんも呼んでいます。今後の支援策について煮詰めていきたいと思います。
張 :遅れている作業の内容ですが、ネットワーク通信に関係するところを重点的に支援策を打てば問題解決に大きく前進します。
前田:今作業を担当しているAさんの意見はいかがですか?
A :いろいろとご心配をおかけして申し訳ありません。私の意見ですが、いま張さんが言われたところが、作業遅れの大きなところです。このワークパッケージにご支援いただくと大変助かります。
前田:このワークパッケージへの作業着手はいつから始めるといいですか?
A :そうですね。全体との作業のつながりもありますので、来週の後半に着手できれば大丈夫と思います。
前田:必要な要員について具体的なスキル要件は明確になっていますか?
張 :はい、Aさんとも相談したのですが、当部のメンバーではないのですが、今、別の商品開発プロジェクトでやはりネットワーク通信の関係を担当されているBさんが最適なのですが。
前田:PMOの王さんはどうですか?このBさんのスケジュール状況はわかりますか?
王 :確かにBさんは、ネットワーク通信技術開発のベテランで優秀開発技術者で最適だと思いますが、担当しているプロジェクトの状況だとすぐには支援に回せないでしょう。
前田:そうですか。それは難しいですね。Bさんに匹敵する人は他にいますか。
王 :そうですね。ちょっとお待ちください。スキルズインベントリーシステムとプロジェクトデータベースシステムで検索してみましょう。
王 :ああ、おられますね。Bさんのレベル匹敵する開発技術者が。なまえはCさんといいますが、ネットワーク通信デバイス開発部にいます。Cさんは、現時点ではどこのプロジェクトにも所属していないようですね。
前田:張さんとAさん、私の方からCさんの上司に支援以来の話を進めます。お二人は、支援いただく作業内容を具体的にしておいてください。王さん、PMOへの支援依頼文書は私の方で作成しますので、支援にともなう準備を整えてください。
王 :わかりました。早速準備に取り掛かります。
張 :私たちの方も早速準備にとりかかります。いろいろとお世話をおかけしますがよろしくお願いします。
A :ありがとうございます。これで私も安心して開発作業に取り組むことができます。
2-2 进度报告
2-2-① 关于计划和实际情况的差距报告的讨论:
(讨论的背景)
前田经理要谈谈如何作进度报告。对项目的进度状况要定期作汇报,但是现在发生了汇报有误的现象,究其原因,由于有时人的看法不同,判断标准模糊而产生了这种现象。他要和几个核心成员一起确定一下判断的标准。
前田:大家有没有碰到过进度报告和实际情况不吻合的情况。
杨 :有,有。接到的汇报说很顺利,实际上完全不是那么回事儿,是虚假的报告。
前田:那样的话很麻烦,其实我也碰到过这样的情况。
杨 :前田经理也有这样的教训吗?
前田:谁都难免有这样的事吧。刘工和张工碰到过吗?
刘 :我碰到过。我觉着很奇怪,对现场的作业进行了逐一的确认后,终于发现了不对的地方。
张 :我也是。但是我不是听汇报的,是作汇报的。
前田:张工真是个实在人。我想大家多多少少都有这样的教训。但是,为了提高项目管理的精度,对这样的现象要给以改善。
张 :是啊。应该正常进行的作业有所延迟在管理上是大问题。
前田:为了防止这样的事情发生,我想和大家一起确认一下规则和标准。
杨 :那倒真不错。
刘 :什么样的事情要规范化呢?
前田:首先,写进度状况报告的时候要统一对作业的着眼点。作为统一的基准,要明确着手一项作业时应该怎么纪录进展比率。
杨 :是啊。小组和个人都有统一的纪录基准很重要。
前田:目前是怎么做的呢?
杨 :着手时先填写作业计划的20%,完成时填写剩余的80%。
刘 :我这里是着手时添50%,完成时添剩余的50%。
张 :我们是着手时添0%,完成时添100%。
前田:谢谢大家。参考大家的意见,作个统一的规则吧。
杨 :每个人都不一样,不管定成哪一种,都应该遵守。
刘・张:这没问题。
前田:这样的话,以进度幅度较小的平均50%作为统一的标准吧。
2-2-② 有关作业拖延情况的讨论:
(讨论的背景)
前田经理在项目进度的例会上接到了软件开发组的作业有所延迟的汇报。他要了解在计划的作业中,具体是哪项作业延迟了。
前田:谢谢大家的汇报。刚才张工在汇报时说,他所分工的软件开发组的进度有所延迟。其他部分都在按时进行,我想听一下软件开发组的情况。
杨 :是啊,这样比较好。
张 :那么,我把详细情况说明一下。目前进度落后的部分是执行连接在打印机上的各种电脑给出的打印要求的控制程序的开发作业。
前田:这是打印机软件的重要环节。
张 :是的,这部分也有协作公司的工程师参加,是和我们共同开发的部分。
前田:涉及到软件开发的全体计划,有多少余地呢?
张 :当初计划的是20天的日程,现在的进度是计划的一半时间。
前田:是吗。按照计划,这部分开发工时中,公司职员有两名参加,协作公司的技术人员有四名参加。是按计划进行的吗?
张 :虽然协作公司的技术人员预定的是四人,但是技术能力有些欠缺。
前田:为什么这样想?你对实际情况有所了解吗?
张 :是的,我和公司的成员商量过,也确认了开发作业的推进方法以及开发的内容,得出这样的判断。
前田:是这样!原因在这里!和协作公司的负责人谈过吗?
张 :通知了协作公司负责人日程滞后的状况,希望换些技术好的人才,他说会尽快挑选高水平的人员,让我们等一等。
前田:要等多长时间呢?
张 :下周初会有答复。
前田:这样的话,能把时间追回来吗?
张 :可以,和其他相关作业之间有一些余量,虽然晚了几天还是可以追回来的。
前田:明白了。滞后时间最多不会超过三天,对吧。和协作公司交涉的时候,如果需要我一起参加,你不要客气。
张 :知道了。要想办法努力把进度追回来。
2-2-③ 有关作业拖延原因的讨论:
(讨论的背景)
前田经理在下一次的进度会议里,听取了张在上次会议以后的进度汇报。在上次的汇报中,已谈到协作公司要派来高水平的技术人员把工时赶回来。新的开发人员确实来了,但是开发作业的滞后没有什么改善。前田经理发现了还有其他的拖延作业的原因。所以,进度会结束后,他要和负责人张工谈谈作业滞后的原因。
前田:张工,我们抓紧时间把在开发中碰到的困难,意识到的问题全面地谈一谈。
张 :好,让你操这么多心真有点儿过意不去。上次汇报过协作公司派来的技术人员能力不够,但是看来还不仅仅是这个问题。
前田:是吗。你发现什么地方不对劲了吗?
张 :新来的开发人员确实是开发经验丰富,但是在通信网络方面没有什么经验。
前田:这样的话,还是有问题呀。
张 :在理解需求规范书和需求定义书上花了很多的时间。另外,在理解和前一段开发的关系上花的时间也超出预想。其他的成员(本公司的开发人员)事先已经作过一些说明,应该没问题了,但是。。。
前田:你也知道,要接手他人开发的程序,还是需要一些时间的。
张 :这倒是没错。。。
前田:张工,离交活还有时间呢。重要的是在规定期间内完成作业,目前不要过急,需要有步骤地深入理解开发的目的和目标。
张 :我赞成。我可能有点儿操之过急了。如果替开发人员想一想,既不了解情况又不理解开发目的就马上投入开发,可能有点儿勉为其难。
前田:张工,你说的这点很重要。不管什么工作,生硬地要求,就不会主动去做。更不用说软件程序开发这样的作业,是要一边思考,追求逻辑性,一边从事的。
张 :我明白了。如何在项目中创造一种大家感到宽松的环境,是管理方面的责任。
前田:其他也还有对工作的生产性有妨害的因素,但是人际关系造成的障碍会对成果带来很大的影响。今后还会有各种障碍因素出现,不只是张工,我也要带头给以配合。
2-2-④ 有关赶回作业进度的对策的讨论:
(讨论的背景)
前田经理接到了张工的汇报,说软件开发的作业比计划拖延了。张工把拖延的原因归结为协作公司派来的技术人员的技术水平有问题,同时也意识到管理上有些性急。为了赶回进度。张工和前田经理一起商量需要采取哪些对策,听取前田经理的建议。
前田:张工,我对作业延迟的状况比较清楚了。也基本知道原因是什么了。我们把原因归纳一下,商量商量今后的对策好不好?
张 :好啊。这样我也比较踏实。
前田:以前有过这样的经历吗?
张 :有过,不完全一样,有类似的经历。
前田:那时候是什么原因呢?
张 :那时候主要是交货期很紧,只好请上级加人。
前田:用这种方法赶回进度了吗?
张 :是的,勉勉强强赶在交货期内,总算是没有误事。
前田:还是刚才的问题,作业延迟的原因是什么呢?
张 :是开发者个人的问题,返工和修改比较多,我觉着技术上有问题。
前田:你现在把它归结为个别的问题,具体是怎么对应的呢?
张 :减少了作业滞后的开发技术人员的工作量,把这部分工作分给新投入的开发人员了。
前田:这是分散负担的方法。
张 :是的。
前田:用这种方法赶上了交货期还不错。但是增加人就要追加成本,项目成本也超出计划了吧?
张 :是这样的。
前田:还有一个比较不放心的事,减轻作业量之后,那个技术人员怎么样啊?
张 :个人能力不够,情绪有点低落。
前田:是这样吗?在现实中有时间的制约,很难面面兼顾,但是开发技术人员的情绪也很重要。
张 :我也在琢磨这件事。只顾考虑交货期,是不是当时有点儿忽略了个人的自尊心和干劲。
前田:是啊,这方面也很重要。项目仅靠项目经理的力量是做不好的。从长远出发,每个成员的干劲很重要。采取对策时要好好掂量正反两方面的作用。
张 :是啊,这回要全面考虑,采取妥善的对策。
2-2-⑤ 有关必要的支援对策的讨论:
(讨论的背景)
张工分工的软件开发的作业确实发生了滞后。前田经理和张工仔细检查了作业进度拖延的作业包,又投入了新的成员。目的是为了按计划完成项目,现在要认真听听开发技术人员的意见,讨论一下工作的分配。
前田:张工,我们已经明确了作业项目中拖延的作业包。我也请来了PMO的老王。我想通过研究,拟定一个今后的支援对策。
张 :关于拖延的作业,如果能在有关网络通信的方面有所突破,对问题的解决会进一大步。
前田:承担这部分作业的小A有什么意见吗?
A :给大家添了不少麻烦,很过意不去。我的意见和张工一样。希望对这个工作包给以支援。
前田:这个工作包的作业什么时候开始?
A :我想想。因为关联到整体作业,下周后半能够着手就来得及。
前田:对作业人员有没有具体的技术要求?
张 :这个,我也和小A商量了,有一个人不是我这个部的,是在别的商品开发项目里承担网络通信部分的小B,他最合适了。
前田:PMO的老王,您有什么主意?您清楚这个小B的日程安排吗?
王 :小B确实是很有经验的网络通信技术开发的高手,是很合适的。可是看他在项目里的情况,马上调不过来吧。
前田:这样的话还是比较麻烦。有没有和小B类似的人?
王 :让我想想。可以在技术人才库系统和产品数据库系统里检索一下。
王 :有了。这个人和小B一样棒。是小C,在网络通信设备开发部。小C现在不在项目里。
前田:张工和小A,我和小C的上级商量一下作业支援的事情。你们二位把支援作业内容具体整理一下。我来作请求PMO支援的申请书,老王把相关的准备工作做好。
王 :明白了。马上开始准备。
张 :我们也要早点准备。请各位多帮忙。
A :谢谢。这样我做开发也就放心了。
2-3 変更管理
2-3-① 変更要求管理の基本について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトでは、当初予定していた仕様に変更が必要となる場合があります。前田さんはコアメンバーの楊さん等と変更のルール・手続きについて話し合うことにしました。プロジェクトでの仕様変更は推進活動に大きな影響を与えます。安易な変更要求を処理することのないようにルール・手続きを明確にしておくことが大切です。
前田:みなさんはいままで仕様変更の変更要求で苦労されたことがあると思いますが、どのような経験がありますか?
楊 :私の経験は、設計段階になってからも仕様の変更要求が次次と発生し、変更の情報が関係者に正確に伝わらず混乱したことがあります。
前田:それは、変更情報伝達の問題ということでしたか?
楊 :いえ、それだけではありません。変更要求の発生源、(要求者)、変更要求の目的などが明確でなかったこともあります。
前田:他の皆さんはどのような経験がありますか?
劉 :私の場合は変更要求を受け入れるか否かが決定されていないのに、現場で作業を進めていたことがあります。
前田:なるほど、変更管理の問題ということですね。張さんはどのような経験がありますか?
張 :私の場合は、ソフトウエア開発ですが、変更によって作業工数が大幅に増加したにもかかわらず、開発納期は変更以前と同じという無理な要求でした。
前田:なるほど。それは困った問題ですね。変更管理の仕組みというよりも変更を受諾・承認したときの条件の変更を考慮していないか無視したということになりますね。
張 :そうですね。開発担当現場の意見を良く聴かずに変更の決断をしたことが原因だと思いますね。
前田:なるほど。みなさんからお聞きしことからもわかるように、変更要求の扱いを正しく行わないとプロジェクトの進捗に大きな影響を与えることが理解できたと思います。
楊 :そうですね。変更管理の仕組みとそれを運用するルールが重要だと思います。
前田:そのとおりですね。今回のプロジェクトでは変更管理の仕組みとルール、組織体制も明確にしておきたいと思います。
楊 :プロジェクトでは変更要求があることは当然であると思います。しかしその取扱いを間違えるとプロジェクト成功どころか失敗の大きな要因になります。
前田:皆さんの貴重な経験を無にしないためにも、PMOやQA部のサポートも得ながらしっかりとした変更管理を扱う組織(変更管理委員会)を確立し、プロジェクトを進めていきます。
2-3-② 変更要求内容について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは、商品企画部より新たに出された変更要求申請の内容について重要な意思決定が必要と判断しました。変更要求の内容は電力消費量を当初仕様より20%削減したいとの要求案です。プリンター機器の消費電力の主要なところは、インクを用紙に熱融着装置機構です。電力消費を抑えるためには融着の温度を下げることが主要な手段となります。しかし、融着温度を低下するとインクの不完全融着や融着プロセスのスピードを上げることができなくなります。電力消費とプリント品質、プリント速度との関係でトレードオフが発生します。意思決定をするために電気系担当PLの劉さんと話し合うことにしました。
前田:今回の変更要求は商品の販売にも大きな影響のある内容ですが、まず最初に電気電子回路の設計担当責任者である劉さんのご意見をお聞きしたいのです。
劉 :そうですね。率直に申し上げて、今から設計変更をすると、プロジェクトのスケジュールにも大きな影響がでてきますね。
前田:ある程度のスケジュールに影響を出るのはやむをえないでしょう。その前に、技術的な見通しとしては可能性はありますか?
劉 :もちろん、技術的な可能性はあります。但し、さまざまな要素が関連してくるので簡単ではありません。
前田:特に気がかりなところはどのようなことですか?
劉 :私が予測している一番気がかりなところは、インクの融着プロセスですね。消費電力を抑えるにはこの部分がもっとも大きなところです。
前田:なるほど。私もそれは十分に理解できます。
劉 :前田PMもご存じのように、融着プロセスは、プリンターの品質にも大きな影響を持っています。プリントされた印刷が融着不足であると、大きな品質問題になります。
前田:そうですね。劉さんには、いい対策案はありますか?印刷品質と、消費電力どちらもこれからの新商品には不可欠なようですが、これを達成しないと商品の販売への悪影響も考えられます。
劉 :それは、私も十分承知しているのですが、これから設計変更から取り組むと少なくとも1か月近くのロスになりますね。設計技術者の追加も必要になってきます。
前田:わかりました。設計技術者はどのくらいのレベルの人が何人必要ですか?
劉 :そうですね。現在までの設計してきた他の部分の設計変更に1名、新規設計に取り組む技術者が1名、合わせて2名は必要ですね。
前田:分かりました、そのほかに必要なことはありますか?
劉 :融着プロセスに関連して、印刷インクの成分である高分子のポリマーの特性にも影響が考えられますので、この分野に詳しい科学系技術者との共同で開発実験が必要になると思います。
前田:わかりました。それは生産工場部門の責任者と相談し、人材の支援を要請します。
劉 :ありがとうございます。しかし、現時点では、まだ大きな枠組みで捉えているので、今後さらに支援していただく事項が発生する可能性があります。そのこともご了承いただければ変更要求に取り組めると考えます。
前田:分かりました。そのようなことが発生するようであれば、その時点で対応します。
劉 :それでは、さっそくチームに戻り、メンバーに変更要求事項について伝えます。
前田:忙しいところ、大変なことをお願いしますが、是非、いい新商品で作りに力を結集してください。よろしくお願いします。
2-3-③ 変更要求が工程に及ぼす影響について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは、新商品の消費電力抑制の変更要求を受諾について検討を進めています。
その検討の結果、設計変更をすることになりました。当初のプロジェクトスケジュール計画にできるだけ順守することを前提にしていますが、機構開発工程、ソフトウエア開発工程への影響も考えられます。そこで、各担当責任者と変更の影響について話し合うことにしました。
前田:昨日、劉さんと話し合った消費電力の抑制の変更要求の件ですが、約1ヶ月程度の追加変更作業は必要とのことでした。これには2名の設計者を増員が可能になりました。今日は、他の担当分野PLの方から開発工程への影響について意見をお聞きしたいと思います。
劉 :プリンターの消費電力の大きな要素は、印刷インクの融着工程が大きいことは良くご存じだと思いますが、他のプロセスでも使用する電力消費 を抑制していただけると大変ありがたいのです。
前田:そうですね。設計にも余裕ができますからね。
張 :否定的なことを言って申し訳ないのですが、私のところはソフトウエアプログラム開発が主体ですから消費電力の抑制にはあまりお役にたてないのではと考えているのですが・・
劉 :たしかに、ソフトウエア開発のところでの電力消費の抑制は期待できないようですね。
楊 :それは、そうですね。しかし、電気・電子回路やソフトウエアをローディングする電子部品には選択の余地があるのではないでしょうか?
張 :確かにそれはありますね。ディスクの読み取り装置や、ディスプレイパネルの液晶部品や指示ランプなども微力ですが電力を消費しますね。
楊 :私の担当する機構部分にも改善の余地はあると思います。例えばプリント用紙を走行させる駆動モーターの電気特性や、歯車、ベアリングなどの軽量化、摩擦係数の低い材質を選ぶことなどがありますね。
前田:みなさん、積極的な意見、アイデアをたくさん言ってくれてありがとう。まだほかにも電力消費量の抑制対策はあるのではないかと思います。
楊 :そうですね。まだまだ出てきそうですね。
前田:提案ですが、もう少しブレーンストーミング的に対策案を絞り出してみませんか?そして、技術的な可能性とプロジェクトのQCD目標に照らし合わせて費用対効率・効果の高い項目を選択してはどうでしょうか?
楊 :それがいいですね。そのうえでWBS(ワーク・ブレークダウン・ストラクチュアー)に反映する必要があります。
劉 :私も賛成です。当然ですがWBSの変更からスケジュール計画、PDM(プレシデンス・ダイアグラム・メソッド)への反映、開発コストへの反映、納期の見直しにも影響しますね。
張 :いろいろと変更によって影響を受けますが、顧客に喜ばれる良い品質の商品づくりには、私も大いに賛成です。協力します。
前田:では、もう少し検討をしてみましょう。度々集まるのも大変なので、あと1時間程度で対策案をまとめましょう。その状況を見て正式に変更要求を受諾することにします。
2-3-④ 変更要求の受諾可否および付帯する条件について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは、商品企画部より提出された変更要求事項についてプロジェクトのコアメンバーと検討を進め、変更要求事項を受諾する方向付けをしました。
前田さんは、競争力の強い商品を開発することには異論はありませんが、プロジェクトオーナーである、商品企画部に対し、変更に付帯するさまざまな条件を提示し、承認を得ることがプロジェクトを成功に導くためのPMの責任と捉えています。
前田:コアメンバーの皆さんにご相談することがあります。先の電力消費量の20%抑制というテーマに対して、各担当分野から抑制策案、改善策案を多数出していただきました。この中から有力な案を採用することでプロジェクト目標を達成できると判断しています。
楊 :私も皆さんから出された、抑制策案、改善策案を実行すると成功するのでは感じました。
張 :私は、プロジェクト成功のための条件として、これらの有効な施策を実現する確証が必要だと考えています。やる気だけではなく、後ろ盾となる支援条件を整えることが重要と思います。
前田:流石、張さん。私もその通りだと考えています。裏付けがなくやる気だけでは無理ですね。今日の会議の目的は、実はこの付帯条件のことで皆さんからのご意見をお聞きしたいというわけです。
張 :そうだったのですか、相変わらずの性急さで面目ありません。
前田:いやいや、あなたの言われることはもっともなことです。そんなに恐縮しないでください。ところで、劉さんからは以前に条件として設計要員の増員がありました。他のコアメンバーの方からも対策案実施に関する支援要求事項を出してください。
劉 :私は2名の設計要員の増員をお願いしましたが、試作に関する費用を追加予算に含めてほしいです。
前田:試作費用ですね。分かりました。金額はどのくらいか試算されていると思いますが、あとで書面で報告してください。
劉 :もう一つ、大きな支援依頼事項があります。開発後に行う実機のテストの要員を確保していただきたいことです。これは、直接開発要員としてではなく、品質保証部のなかで対応していただければと考えています。
前田:そうですね、それも重要な付帯条件ですね。新商品のなかでも、従来から実績のある既存技術へのテスト対応と同じではなく、新技術へのテスト対応として特別に取り組んでほしいということですね。
劉 :そうです。よろしくお願いします。
前田:楊さんの担当分野ではいかがですか?
楊 :私の担当するところはプリンター全体の筐体や構造を担当しますが、もともとの要求仕様条件に従来商品より30%の小型・軽量化が条件でした。従って要員の増員などは不要です。
前田:わかりました。要員以外ではどのようなことが必要になりますか?
楊 :さらに消費電力30%ダウンを実現するためには、筐体を構成する部品、部材のさらなる軽量化には原材料のコストアップも伴うので、材料原価計算に反映しておく必要があります。
前田:そうですね。購買計画、生産計画、生産管理にも影響しますね。関係部門にも協力要請をしておきます。この他にもありましたらお話ください。明日には、変更要求受諾承認の文書を発行します。追加事項がありましたら明日の午前中までにご連絡ください。
2-3 变更管理
2-3-① 有关“变更要求”管理之基本原则的讨论:
(讨论的背景)
在项目里,有时候需要对起初预定的规范做一些改变。前田经理要和核心成员杨工等谈谈变更的规则和手续。项目中的规范变更对推进活动有很大的影响。为了不随意地处理变更要求,明确规则和手续是十分重要的。
前田:大家以前为了对应规范变更的变更要求都花过不少精力吧,有什么样的经验呢?
杨 :我的经验是,都到了设计阶段了,又不断地发生变更要求,变更的信息不能正确地传达给有关人员,引起了混乱。
前田:那是传达变更信息的问题吗?
杨 :不仅仅是。也有变更信息的发生来源、(要求者)、变更要求的目的等不明确的问题。
前田:其他的人有什么样的经验?
刘 :我的经历是还没定下来接不接受变更要求,现场就开始对应了。
前田:这是变更管理的问题。
张 :我的情况是,因为是软件开发,变更不但大量地增加了工时,还无理地要求我们按照原来的开发计划完成。
前田:还有这样的事情。真让人为难。这已经不是变更管理的机制了,而是根本无视或者没有考虑受理和认可变更的条件的问题。
张 :是的。我想原因在于没有认真听取开发现场的意见就作出了变更的决定。
前田:哦,从大家的讨论可以明白,对变更要求的处理不能正确地进行的话,将会给项目的进展带来很大的影响。
杨 :是的。我觉着变更管理的机制和运行规则是很重要的。
前田:你说的很对。在这个项目里,我们要明确变更管理的机制和规则、也要把组织体制明确下来。
杨 :项目有变更要求是很自然的。但是如果处理不当,项目不但做不好,还会成为失败的重要因素。
前田:也是为了让大家宝贵的经验不白费,我们要在PMO和QA的支援下,建立健全的处理变更管理的组织,推进项目。
2-3-② 有关“变更要求”内容的讨论:
(讨论的背景)
前田经理判断商品规划部提出的“变更要求申请”的内容是很重要的决策。“变更要求”的内容是要把电量消耗从初始规范削减20%的方案。打印设备消耗电力最主要的地方是把油墨印到纸上的热融装置。要抑制电量,降低融着的温度是主要手段。但是降低了温度会引起油墨的不完全融着,或者不能提高融着过程的速度。电力消耗和打印品质、打印速度是权衡比的关系。作决策之前前田经理要和负责电器部分的项目组长刘工讨论。
前田:这次的“变更要求”对商品的销售也有重大影响,刘工是电器电子电路的设计负责人,我想先听听你的意见。
刘 :是吗。坦率地说,现在做变更,对项目的日程计划也会产生较大的影响。
前田:日程上有一定的影响无法避免。在考虑日程的问题之前,技术上有没有实现的可能性?
刘 :当然,技术上是有可能性的。但是,受各种因素牵连,不容易。
前田:你最担心的是什么事儿呢?
刘 :按我的预测,最担心的地方是油墨的融着过程。要抑制电量的消耗,这是最主要的环节。
前田:哦,我对此也可以充分理解。
刘 :前田经理也知道,融着过程会很大地影响打印机的品质。打印时融着不充分,是严重的品质问题。
前田:是这样啊。你有好的对策吗?无论印刷品质还是消耗电力对新商品都是不可缺少的,达不到要求对商品的销售会带来负面影响。
刘 :这个我也知道。从现在开始着手设计的变更最少要耽误一个月的时间。需要增加设计人员。
前田:明白了。需要什么水平的技术人员?
刘 :这个嘛,现有设计部分的变更需要一名,重新追加的设计需要一名,一共需要两名。
前田:知道了。其他的还有什么需求吗?
刘 :关于融着过程,我考虑会对印刷油墨的成分的高分子聚合物的特性带来影响,我想有必要和熟悉这个领域的技术专家共同做开发试验。
前田:知道了。这个事儿我得和生产工厂部门的负责人商量,请求人才的支援。
刘 :谢谢。但是,目前看到的还是比较粗况的,今后有可能还会发生要求支援的事情。对此如果可以给以理解我就可以组织对应“变更要求”了。
前田:明白了。如果发生了你说的情况,那时我们再对应。
刘 :那我就赶紧回去了,要向成员们传达“变更要求”事项。
前田:你很忙,要做的事难度也很大,为了做好新商品,务必集中力量。拜托了。
2-3-③ 有关“变更要求”对项目进程的影响的讨论:
(讨论的背景)
前田经理还在继续进行关于承诺降低新商品耗电量的变更要求的探讨。
已经定下来要做设计变更。虽然力图按照最初的项目日程计划进行,但是对结构开发工序和软件开发工序都有影响。为此,他要和各部分的负责人就变更的影响交换意见。
前田:昨天和刘工谈了降低耗电量的变更要求的事情,要增加一个月左右时间的追加变更的作业,另外还要增加两名设计人员。今天想听听其他部分的项目组长对开发工序影响方面的意见。
刘 :对打印机的电力消耗影响最大的是印刷油墨的融着工艺。这一点大家都知道。如果在别的工艺上也可以降低消耗电量就太好了。
前田:确实如此,这样可以给设计留出一些余地。
张 :对不住我得说点儿不给劲的话,我这部分以软件程序开发为主体,对降低电量消耗好像起不了什么作用。
刘 :也是,不能指着软件开发降低电量消耗。
杨 :这个没错。但是在电子电路中和加载软件时使用的电子器件的选择上还是有余地的。
张 :确实是这样。像磁盘的存取装置、显示屏幕的液晶材料、指示灯等虽然是微电子部件,也还是要消耗电量的。
杨 :我担当的结构部分也有改善余地,例如走纸用的驱动马达的电器特性,齿轮、轴承的轻量化、选择摩擦系数小的材质等等。
前田:大家积极发表意见,说了很多想法,非常感谢。是不是还有其他的降低电量消耗的对策呢?
杨 :是的,好像还可以想出一些。
前田:我有一个提案,用头脑风暴法再想些对策好不好?然后,对照技术上的可行性和项目的QCD目标来选择性能价格比较好的组合好不好?
杨 :是个好办法。然后还要反映到WBS里。
刘 :我也赞成。WBS的变更当然还要反映到日程计划、PDM(precedence diagramming method)、开发成本里,交货期的调整也会受影响。
张 :有很多地方都要受变更的影响。但是为了做出让客户满意的好商品,我也非常赞成。我会配合。
前田:那我们就再花点时间研究一下。每次把大家集中起来也不容易。再用一个小时整理一下对策。根据情况正式承诺“变更要求”。
2-3-④ 有关接受变更要求及其附带条件的讨论:
(讨论的背景)
根据商品规划部提出的“变更要求”事项,前田经理一直在和项目的核心成员们进行研究,准备接受变更要求事项。
对于开发有竞争力的商品前田经理没有异议,但是他作为项目管理负责人,对项目所有者的商品规划部提出了一些接受变更的附加条件,争取得到认可,这样有利于把项目做好。
前田:有事要和各位项目核心成员商量。刚才讨论了把消耗电量降低20%的课题,各位负责人都提出了很多抑制方策,改善方策。我认为从中采取合理的方案就可以达到项目的目标。
杨 :我也觉着实行大家提出的抑制对策和改善对策可以成功。
张 :这些有效的对策确实是项目成功的条件。但是我觉着光有干劲还不够,还要有支援条件作后盾也很重要。
前田:了不起,张工。我和你想的一样。没有附加条件,光有干劲也不行。今天开会的目的就是想听听大家对附加条件的意见。
张 :我又着急了,真不好意思。
前田:没关系。你说的挺好。别不好意思。对了,以前刘工说过要增加设计人员。其他的核心成员也提提在对策实施上要求支援的事项。
刘 :我请求增加两名设计人员,最好能把这部分费用放在追加预算里。
前田:是实验费对吧。明白了。需要多少钱要算一算,等着你给我个书面汇报。
刘 :还有一点,是一个较大的支援请求。需要确保开发后做联机测试的人员。不是当作开发人员使用,我想应该是在品质保证部里给以对应。
前田:是这样,这也是重要的附带条件。在新商品里,和使用过的成熟技术的测试对应不同,对新技术的测试对应,应该有专门的机制才好。
刘 :是的,请给以考虑。
前田:杨工分工的部分怎么样啊?
杨 :我负责的是打印机整体的框架结构,最初的需求规范就要求进行小型、轻量化改造,目标是30%。所以不需要增加人员。
前田:明白了。除了人员之外有其他的要求吗?
杨 :要实现再降低30%的电力消耗,就要把构成框架的部件和材料进一步轻量化,原材料的成本就会提升,要反映到材料成本计算里。
前田:对。这也会影响采购计划、生产计划和生产管理。要对有关部门提出给以协作的请求。还有其他需要时和我说。明天,要发出接受变更要求的承诺书。有追加事项明天中午以前和我联系。
2-4 発生した問題への対応
2-4-① プロジェクトの前提条件が変更したことについて話し合う:
(会話の前提)
前田さんは、小型・軽量化したカラーレーザー・プリンター新商品開発プロジェクトマネジャーとして、極めて困難な課題に直面しました。商品企画部からの連絡で、プロジェクト予算の20%削減を提示されたのです。当初計画から変更要求にともなうプロジェクト予算の増額を条件に合意していましたが、経営環境の見通しから減額をプログラムマネジメント会議で決定したとのこと。商品企画部では、開発納期は当初の予定通りでと言ってきています。これではプロジェクトの運営に多大な影響が出ることは必然です。前田さんは、PMとしてなんらかの打開策を打つ必要があるようです。
前田:緊急に会議招集しましが、コアメンバーの皆さんに伝えたいことがあります。実は商品企画部長から緊急の打診がありました。明日のプログラムマネジメント会議で当プロジェクトの予算削減が決定されるとのことです。
楊 :それは大変なことですね。プロジェクトの前提条件が変わるということですね。
前田:そうです。現予算計画より20%の削減計画だと聞いています。
劉 :先日、変更要求があり、受諾の条件として出したことがすべて取り消しにされたということですか?
前田:いや、必ずしもどこを削減せよという指定ではないので、全体として20%の削減策を検討してほしいというメッセージですね。
張 :しかし、当プロジェクトは経営の重要な戦略的商品の開発と言われていたのです。これでは当初のプロジェクトの目的からして外れているのではないですか?
楊 :あなたの言いたいことはもっともなことですが、プログラムマネジメント委員会としても、経営全体から判断してやむをえないと判断している」のでは思いますよ。
張 :楊さんは“物分かりが良い”ですが、私は素直に納得できませんね。前田さん、プログラムマネジメント会議で強く反論していただけないですか?これでは私もモチベーションが上がりませんね。
前田:張さんの気持ちは、私も個人的な気持ちは理解できますが、企業経営の観点から考えないといけないのです。これは、我々のプロジェクトだけでなく、全社的な課題にどう対応するかということなのです。
劉 :今までのプロジェクトでも、このように前提条件が変わることがありました。確かに原則的には、前提条件が変更なのでプロジェクト計画から見直しが必要と言えますが、みんなの創意と工夫で乗り切ることができれば、それが最も成功への近道ではないかと私は思うのです。
張 :最も経験の少ない私が反発意見を述べてしまいましたが、これはメンバーの気持ちでもあるのです。
前田:張さんのメンバーの気持ちを重視した意見も重要だと思います。しかし、困難な事態に対して、できないと反発するだけでなく、どうすればできるかということを考えることも大切なことです。
張 :そうですね。プロジェクトメンバーを指導する立場では、そのことも考えないとPLとして力不足ですね。
前田:いやいや、力不足ということはないです。張さんのメンバーの気持ちを思いやることもPLとして重要なことです。さて、張さんの気持ちも十分に理解できたところで、楊さん、劉さんの意見や経験も参考にして、みんなで課題解決に取り組みましょうか。
2-4-② プロジェクトの制約条件が変更したことについて話し合う:
(会話の前提)
前田さんがPMを担当するプロジェクトでは、プログラムマネジメント会議の決定でプロジェクト運営予算の20%削減を指示されています。コスト削減の変更で、他の制約条件も影響を受けます。お客様に魅力ある商品としての品質を落とすことは致命的です。さらに事業戦略的な観点から、新商品リリースの時期を遅らせることも大きな影響をもたらします。PMとして品質、コスト、納期(開発完了期限)ともに厳しいなかでの対応を迫られています。
前田:先日の会議で前提条件が変更になることについて話し合いました。今日は前提条件の変更に関連して、プロジェクト制約条件への影響を最小限にすることについて話し合います。
張 :連日の厳しい課題への話し合いですね。今日は否定的にならず前向きな意見を述べたいと思います。
劉 :おや、張さんどうしたのですか?いつもの張さんと雰囲気が違いますね?
張 :先日の会議で、いつも自分の立場でしか発言できていないことがよくわかりました。
劉 :張さんは、今までの行動様式を反省したというわけですか?
張 :劉さんは、私が反省したことに問題あるということですか?
前田:まあまあ、そんなに張さんを責めないでおきましょう。それよりも、制約条件について議論を進めることが大切です。
劉 :ハハハ、冗談ですよ。珍しく張さんが素直なので少しからかっただけです。
前田:では、早速ですが制約条件への影響について議論を始めましょう。
楊 :私が最も心配しているのは、品質への影響です。
前田:それは私も同感です。コスト削減で品質目標未達となることは、プロジェクトの目的にもそぐわないものです。
楊 :筐体の軽量化には、構成する材質によって影響を受けます。それ以外にも機構部品の軽量化も材質の要因が大きいのです。これらの材料の選択には、重量だけでなく、強度、耐久度、耐摩耗性、加工性と多様な品質特性によって購入コストも変動します。
前田:そうですね。コスト削減と適正な材料の選択はトレードオフの関係にありますね。
楊 :そうですね、単純にコスト削減を追求するだけでは、目標の小型・軽量化は達成できないですね。
前田:私はそこに問題解決の糸口があるように思うのです。困難な問題に直面してこそ新たなアイデアが生まれると思うのです。
楊 :困難に向き合うことが創造を産み出すということですか。
前田:創造には技術スキル的な要素だけでなく、“考え抜く”というプロセスが必要なのでしょうね。
楊 :つまり、ブレークスルーしなくてはいけないということですね。そう簡単ではありませんが、前向きにブレークスルー策にチャレンジすることにしましょう。
前田:そうですね。今までも様々な困難な課題を乗り越えてきた楊さんに期待しています。支援が必要な場合はいつでも私に相談してください。
楊 :よろしくお願いします。
前田:次に、劉さんの担当分野である電気・電子系統については、コーヒーブレークの後で話し合いましょう。
劉 :はい、よろしくお願いします。
2-4-③ プロジェクトメンバーが途中離脱したことについて話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトの進捗会議の中で、ソフトウエア開発の張さんから、緊急問題の報告がありました。問題点の内容はソフトウエア開発チームのAさんが体調を崩し緊急入院しました。Aさんの担当分野は通信ネットワーク制御に関するプログラムの開発です。この分野は高いスキルを必要とします。
PMの前田さんはPLの張さんと対応策について話し合うことにしました。
前田:先ほどの会議でご報告いただいた、Aさんの件ですが、まずAさんの病状はどのような状況ですか?
張 :はい、現在は痛みもなく、症状も安定しています。病気の原因究明のため、各種の検査を行なうそうです。今後の対応については医者と相談して決めるそうです。
前田:そうですか。まずは一安心というところですね。状況をみて、私もお見舞いに行くことにします。
張 :お忙しいのに、いろいろとご心配をおかけして申し訳ありません。
前田:いやいや。仲間のことですから当然ですよ。ところで、いまのお話だとAさんの復帰は当分見込めないようですね。
張 :そうですね。仮に手術が不要であったとしても、退院後の療養も必要なようですから、このプロジェクト期間中の復帰は無理ではないかなと判断しています。
前田:主要な開発メンバーだけに大きな痛手ですね。Aさんには十分療養していただくこととして、Aさんの担当していた仕事をどのようにするか考えましょう。張さんはなにか対応策をお考えですか?ありましたら、そのお考えをお話いただきたいのですが。
張 :前田さんもご存じのように、Aさんはこのプロジェクト開始の時に専門技術グループに要請し参加しています。もともと、貴重な技術者なのでAさんの仕事を継続するにしても、適切な人材がいるか不安ですね。
前田:張さんの心配していることは良くわかります。この分野の開発が遅れるとプロジェクト全体にどの程度影響するかも把握する必要がありますね。
張 :Aさんの担当する開発作業項目をWBSとPDMで調べてみました。この文書が調査結果です。
前田:なるほど。まったく余裕がないわけではないが、10日間程度の余裕では、Aさんの復帰に期待することは無理ですね。
張 :そうですね。ここは他の部門に応援をお願いして乗り切るしかないと思います。
前田:そうですね。仮に新しい応援要員を確保できたとしても、資料の読み込みや他の開発メンバーとの調整で2,3日は見ておく必要がありますね。
張 :そうです。Aさんが緊急入院する前に、私と他の開発メンバーに残した引き継ぎの要点をまとめた文書もあります。
前田:さすが責任感の強いAさんですね。その資料があると応援者の作業も大いに助かるのではないでしょうか。
張 :Aさんは体調が悪いのに、無理をして頑張ってくれていたのですね。もう少し早めに私が気付くべきでした。
前田:いや、張さんも自分の体調には気を付けてくださいね。では、私は早速、PMOと専門技術部のマネジャーと話をして、早急に応援要員を確保します。張さんは安心してお待ちください。
2-4-④ 技術的な問題が発生したことについて話し合う:
(会話の前提)
電力消費の抑制でプリンターのトナー(高分子紛体ポリマーインク)融着に取り組んでいた劉さんのチームでは、技術的障壁で苦戦していました。現状ではプリンターのインク融着の品質が安定しないことがわかりました。融着機能の熱源が低いためだということが分かっているのですが、熱源の温度を上げると消費電力が目標値を越えてしまいます。別の方法として用紙の走行速度を抑え融着時間を増やすということも考えられますが、プリンターの印刷速度が低下し既存のプリンターと同等レベルで新商品としての小型化、軽量化、高機能化、高性能化という点で目標を達成することができないのです。問題の報告を受けたPMの前田さんは、劉さんや関係する技術者を招集し対策を話あうことにしました。
前田:電気・電子回路設計担当の劉さんから報告を受けましたが、トナーの融着に関して技術的な問題に直面しています。みなさんからのご意見をお聞きし、問題解決に向けて話し合いたいと思います。
劉 :会話の前提で前田さんがお話されたように、難しい問題に直面しています。皆さんのご経験をヒントに打開策につなげたいと考えています。是非ご協力お願いします。
楊 :前に開発したプリンターでも同じような問題がありました。事情は少し異なりますが参考になるかもしれません。
劉 :それはどのようなことでしたか?
楊 :それは、特殊な用紙にプリントするプリンターでしたが、高速度プリンターとして、プリントプロセスの速度を早くしたためにトナーの融着が不安定になったことがあります。
劉 :なるほど。それでどのように解決されたのですか?
楊 :その時は、融着機能の温度を高めるように部品を変更しました。
劉 :すると、それで問題は解決したのですね。
楊 :確かにトナーの融着は安定化し、プリント速度も目標値を達成できました。しかし、融着機能の温度を高めたことによって、機内温度が高まり他の電気系統、電子部品への影響が出てきたのです。
劉 :そうだったのですか。それはまた別の問題を引き起こしたのですね。
楊 :そうです。当初はいい解決策だと安心していたのですが、技術的な問題は、全体のバランスをみて対策を打つことが大切ということが良くわかった例でした。
劉 :ところで、根本的な問題解決の方はどうなったのですか?
楊 :この時は、我々の開発では限界だということでトナーを開発している企業の開発研究者にお願いして、低融着温度でも可能なトナーの開発をお願いして難関を処理することができました。
劉 :なるほど。今回も同じような解決策があるということですね。
楊 :可能性はあると思いますが、これはトナー製造企業の研究開発者の意見を伺った方が良いと思います。以前の時より技術的には進歩していますから問題解決の糸口があるかもしれませんね。
劉 :流石!楊さん。ご意見ありがとうございました。なんだか解決に向けて明かりが見えたように思います。
前田:楊さんの経験が参考になりましたね。私の方は早速、購買部門を通してトナー製造企業の責任者の方に相談をしましょう。良い解決方法が見つかると嬉しいですね。
劉 :前田さん、是非、交渉よろしくお願いします。
前田:分かりました。早速取り組んでみましょう。
2-4 对应发生的问题
2-4-① 项目前提条件发生变化时的讨论:
(讨论的背景)
前田先生作为小型・轻量化彩色激光打印机新商品开发的项目经理,面临着十分困难的局面。商品规划部和他联系,要求缩减20%的项目预算。本来商品规划部已经同意由于对当初的计划有变更要求可以增加预算额,现在根据对经营环境的推测,项目管理委员会决定减额。商品规划部的说法是不要改变当初的交货计划。这样一来势必会对项目的运营产生很大的影响。前田作为项目经理得拿出对策。
前田:这是个紧急会议。有一个要传达的事情。商品规划部的老张来了一个紧急口信。明天的项目管理会议要定下来削减项目预算。
杨 :那可太麻烦了。把项目的前提条件给变了。
前田:是的。听说是要把现在的预算计划削减20%。
刘 :前几天,有变更要求时,我们提出的承诺条件都不算数了吗?
前田:那倒不是,还没具体说减哪部分,只是说要削减全体的20%,让我们讨论。
张 :但是,当初说这是经营上的重要战略商品。现在的做法是不是偏离了项目的目的呢?
杨 :你说的虽然一点没错,我想作为项目管理委员会,也是从经营整体判断不得不这样做。
张 :杨工的领会深刻,我可是难以接受。前田经理,您不能再跟项目管理委员会坚持一下吗?这样的话我可是没有干劲。
前田:张工的心情,从个人角度我非常理解,但是不能不从企业经营的观点来考虑。这不仅仅是我们的项目,也是全公司的课题。
刘 :以前也有像这样改变前提条件的事情。确实,原则上改变前提条件时有必要从项目计划开始进行调整,但是如果通过我们的智慧和努力越过去,我想会是一条通向成功的捷径。
张 :我的经验最少,提了很多不同看法,这也是项目成员的心情。
前田:张工重视大家的心情也是很重要的。但是碰到困难的局面不能仅仅抵触,还得考虑怎么办才好。
张 :是啊,站在指导大家的立场,不考虑这个问题会失去项目组长的凝聚力。
前田:你的凝聚力没有问题。作为组长张工考虑大家的心情是很重要的。这样吧,要充分理解张工的心情,也要参考杨工和刘工的意见和经验,大家来一起商量如何面对这个课题吧。
2-4-② 有关项目制约条件变化的讨论:
(讨论的背景)
前田经理负责的项目,根据项目管理委员会的决定,要求削减20%的项目运营预算。成本被消减的变化使其他制约条件也受到影响。商品的品质是吸引客户之处,品质下降是致命伤。从事业战略的观点出发,发布新产品的时期推延也会带来很大影响。项目经理所处的环境对保证品质、成本和交货期(开发完了的期限)都很严峻,必须作出抉择。
前田:前几天的会议我们已经谈了要改变前提条件的事情。今天的内容和变更前提条件有关,我们想尽量缩小对项目制约条件的影响。
张 :这几天讨论的都是难题。今天我不能再消极对待了,得提点积极的意见。
刘 :嘿,张工可是和往常不太一样。
张 :前几天的会上我的发言有点只顾自己了。
刘 :张工,您是在反省以前的做法吗?
张 :我的反省有什么问题吗?
前田:好了好了,别跟张工过意不去了。有时间咱们还是议议制约条件吧。
刘 :哈哈,我开玩笑呢。张工能这么诚恳很不容易,我就逗个乐儿。
前田:行了。咱们快点儿讨论对制约条件的影响吧。
杨 :我最担心的是对品质的影响。
前田:我也这么想。如果削减成本导致品质不达标,这也是违背项目的目的的。
杨 :框架的轻量化主要受结构材料的影响。其他的结构部件要实现轻量化,材质也是主要的原因。今后对材料的选择,不仅是重量,强度、耐久性、耐磨损性、可加工性和各种品质特性都会引起采购成本的变化。
前田:确实是这样。降低成本和选择合适的材料是一个顾此失彼的关系。
杨 :是啊。单纯追求降低成本,就实现不了小型化和轻量化。
前田:我觉着好像有解决问题的突破口。越是碰到难事儿越能想出好主意。
杨 :正视困难才能发挥创造力,对吗?
前田:创造不但要有技术要素,也需要反复思考的过程。
杨 :也就是说,要找到突破口。虽然不是易事,但是要持续不懈地去挑战。
前田:是的。杨工以前克服了很多困难,期待你有新的建树。需要支援的时候和我商量。
杨 :一定要多和您商量。
前田:下面,我们讨论刘工负责的电气、电子系统,喝个咖啡再接着谈吧。
刘 :好。
2-4-③ 有关项目成员中途退出的讨论:
(讨论的背景)
在项目进度会上,软件开发组长张工汇报了紧急问题。内容是软件开发组的小A得病住院了。小A分工做通信网络控制的程序开发。这部分需要较高的技术。
项目经理前田要和张工商量对策。
前田:刚才你在会上说的小A的事儿,现在小A的病情怎么样?
张 :现在没有痛苦,病情安定。听说为了查明病因,要做各种检查。今后的治疗要和医生商量决定。
前田:这样我就放心了。根据病情我也要去探视。
张 :您那么忙,还操这么多心,真是过意不去。
前田:你说哪儿去了。大家都在一起共事,是理所当然的。看情况小A一时半会儿好不了啊。
张 :好像是这样。就算不做手术,出了院也需要休养。看来在这个项目期间回不来了。
前田:他是主要开发人员,很棘手。小A要好好休养,他的工作要有人接替。你有什么对策,有的话,可以说给我听听吗?
张 :您知道,小A是项目开始时从专业技术组借来的。本来就很宝贵。要接替他的工作,还担心没有合适的人。
前田:我很理解你的担心。要掌握由于这部分开发的耽搁,对项目整体会有多大的影响。
张 :我在WBS和PDM上看了小A分工的作业。这是我写的调查结果。
前田:我看看。并不是没有回旋余地。有10天左右的可调整时间。只是小A是指不上了。
张 :是啊。这部分只能请别的部门帮忙了。
前田:是的。即使可以找到支援人员,为了读资料以及和其他开发人员进行调整也需要2、3天的时间。
张 :是的。小A紧急住院前,给我和别的开发人员留下了接替工作需要的文档。
前田:真是有责任心的人。有了这个资料,支援者的作业就方便多了。
张 :小A身体不好还一直挺着干,我应该早点儿发现。
前田:说哪儿去了。你也要注意身体。这样吧,我赶快和PMO以及专业技术部的经理谈谈,尽早找到支援人员。你安心等等。
2-4-④ 有关技术问题发生时的讨论:
(讨论的背景)
为了控制电量消耗而研究打印机定影过程的是刘工的小组,他们碰到了技术难题,绞尽了脑汁。目前打印机的定影质量不稳定。原因是定影用的热源温度低,但是如果提高温度就会超出电量消耗的指标。他们考虑用控制走纸的速度增加定影时间,这样一来打印机的速度就慢了,跟老产品的打印机一样,不能达到小型化、轻量化、高功能、高性能的指标。前田经理听了汇报,他要召集刘工和有关的技术人员商量对策。
前田:我得到了电器电子线路组刘工的汇报,现在碰到了定影的技术问题。想听听大家的意见,看看怎么解决。
刘 :要谈什么事前田经理已经说了。我们遇到了很大的困难。我想从大家的经验中得到启发。要请大家帮忙。
杨 :以前开发的打印机也有类似的问题。但是情况稍有不同。没准儿可以参考。
刘 :那时是什么情况呢?
杨 :那时是使用特殊用纸的打印机,因为是高速打印机,一提高打印速度,定影就不稳定了。
刘 :原来是这样。后来怎么解决的呢?
杨 :那时候调换了提高显影温度的部件。
刘 :这样就把问题解决了,是吗?
杨 :墨粉定影稳定以后,打印机的速度也达标了。但是,因为提高了定影温度,使得机内温度升高,对其他的电器系统、电器部件都有影响。
刘 :是这样啊。又引起了其他的问题。
杨 :是的。刚开始还挺高兴,觉得是个好方案呢。通过这个案例我才明白了解决技术问题要兼顾各个方面的重要性。
刘 :最后是怎么从根本上解决问题的呢?
杨 :这时候,我们的开发能力已经到了极限,我们请开发墨粉的企业的研究人员帮忙,开发出定影温度低的墨粉,解决了问题。
刘 :原来如此。这回也有同样的解决方案就好了。
杨 :我觉着有可能。这个事还是问问生产墨粉的企业的研究人员为好。和以前相比技术也在进步,没准儿有解决问题的线索。
刘 :有两下子。杨工真棒。谢谢你的建议。总算是看到了一点希望。
前田:杨工的经验很值得参考。我尽快通过采购部和墨粉公司的负责人商量。要有好的解决办法就太好了。
刘 :前田经理,就拜托您交涉了。
前田:明白了。马上着手。
第3章 各種マネジメント実務の場面
第3章 各种具体的管理业务的场景
3-1 クオリティマネジメント
3-1-① 品質保証の基本戦略について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクト成果物の品質は最終的には、顧客の評価によって決まります。
前田さんは品質保証の基本的な考え方について、プロジェクトのコアメンバーと相互に理解を深めるために話し合うことにしました。
全社品質保証方針は、ISO9000を取得しており、それに準拠して品質方針を展開しています。
前田:プロジェクトの目的は小型、軽量で、ネットワーク仕様のカラーレーザープリンターを開発し、プリンター事業の柱とすることは、皆さんも理解されているとおもいます。
楊 :そのことについては、プロジェクト立上げの段階で目的、目標の確認の話し合いをしていますから良く理解しています。
前田:そうでしたね。今日はそれを前提にして話を進めたいと思います。劉さん、張さんもそれでよろしいですか?
劉 :はい、それで結構です。
張 :私もそれで結構です。
前田:では、話を先に進めます。品質保証の基本戦略は企業活動にとって極めて重要な要素です。魅力的な商品を提供する意思があっても、実態が伴わないと顧客ニーズに適合したとは言えないのです。
張 :それは、よく理解できます。良い商品だと思い買ったが、すぐ故障するようでは顧客はがっかりしますね。
劉 :がっかりさせるだけでなく、事故などにつながると大きな問題になることもあります。
前田:そうですね。現在ではPL法(Product Liability:製造者責任)などで厳しく責任を追及されることが世界の潮流です。企業として利益追求のために製品の安全性や、品質に対して結果責任を問われるということですね。
張 :そういえば、電源トランスが損傷して、火災の原因になったという事故が問題視されたことがありましたね。
劉 :問題の現象は、電気回路の焼損ということでしたが、それが状況によっては、大きな事故につながるということですね。
前田:品質保証の重要性を、分かりやすい例で話していただきましたが、その通りです。こうした問題の要因はたくさんあると言えます。しかし、真の原因は、ちょっとした判断のミスや、作業のミスが引き起こしていることがよくあります。
張 :人間のやることですから、どこかにミスが出るのはやむを得ないのではないでしょうか?
楊 :確かに人間のやることにはミスや見落としはつきものですが、だからといって“仕方がない”では品質保証はなりたちませんね。
前田:張さんの言うことは本音ですが、楊さんの言われるのは企業が取るべき品質保証の基本姿勢です。本質的なの話がでたところで、もう少し話を進めましょう。品質保証は製品の欠陥にどう対応するかだけではなく、どうすれば欠陥のない魅力的な商品を提供できるか、商品づくりの、企画、開発、製造という上流から顧客に提供し価値実現を保証する全工程に対しての、基本的な考え方を明確にするということなのです。
張 :うーん、私は故障をなくするための規則というように一面的にとらえていましたが、奥が深いですね。もう少し詳しく知りたいですね。
前田:そうですね。今回のプロジェクトで実践しながら勉強していきましょう。
3-1-② 品質目標について話し合う:
(会話の前提)
前田さんは、全社の品質保証方針の話し合いから発展して、品質保証の勉強会を継続しています。今回はプロジェクトで開発する商品の品質目標を明確にすることを狙いとしています。話し合うメンバーは商品の各開発分野を担当するPLです。
前田:今回のプロジェクトで開発する商品の品質目標について理解を深めていきたいと思います。
張 :すこし気になった言葉があります。質問してもよろしいですか?
前田:どうぞ、ご遠慮なく質問してください。どういうことですか?
張 :前田PMは、プロジェクトで開発する「商品」といわれますが、「製品」という言葉との違いには何か意味があるのですか?
前田:張さん、なかなかいい質問ですね。これからお話しすることは、実は言葉の意味に敏感であることが重要なのです。
張 :なんだか面映ゆいですね。
前田:大辞林という辞書には、「製品とは販売するために作られた品物、ある原料から作られた品物」とあります。「商品とは売るための品物、販売を目的とする財およびサービス」とあります。
張 :言葉の意味に大きな違いはなさそうですが。
前田:そうですね。この言葉には、物づくりや商売の歴史も関係しているようですね。今回の私たちが担当するプロジェクトは新型のプリンターを開発することが目的ですね。
張 :それは、よく理解しているつもりですが。
前田:そうですね。良く理解されていると思います。企業としては開発製造するだけでは目的を達成したことになりません。
張 :つまり、ものを作るだけでなく顧客に価値を提供できなければ、商品ではないということですね。
前田:ははは、ずいぶん理解が早いですね。張さんの言ったように、顧客が購入し、その価値を享受して、その代価を私達の仕事の収益となり、その収益でさらに顧客のニーズにこたえていくということですね。
張 :なるほど、製品とはものそのものであって、商品とは物にサービスなどさまざまな付加価値をも付け加わっているということですね。
前田:そうです。おっしゃる通りです。流石ソフトウエア開発のベテランですね。実はソフトウエアも商品ですが、物のように存在を見ることができませんね。
張 :そうですね。私たちの仕事は可視化しにくい、つまり視認性の難しさがありますね。
前田:話は発展し、ソフトウエアの視認性の話になりましたが、これも重要なことですね。話を元に戻すと、私達の作っているものは、単に物づくりではなく、顧客の要望に応えることのできる“商品”としての価値のあるモノづくりということができますね。私はそのことを意識して“商品”という言葉を使っています。
張 :なるほど。奥が深いですね。ところで今回は品質目標の話でしたが、この後はどうなりますか?
前田:ははは、少し横道にそれましたが、品質目標という点では大いに関係しますから安心してください。
張 :ああ、よかったです。
前田:今回のまとめとして、要約しましょう。張さんの担当するソフトウエアの開発も含め、品質の目標とは自分たちの作る側だけでの目標であってはならないのです。顧客側の立場に立って品質目標を考えてほしいのです。
3-1-③ 保証、保障、補償の意味について話し合う:
(会話の前提)
品質保証方針は企業経営の重要な要素です。プロジェクト活動も全社の品質保証方針に沿ってマネジメントすることが重要です。品質保証活動を正しく理解し、遂行するには関連する用語を正しく理解することです。前田さんはプロジェクト成果の品質目標を達成するためにコアメンバーと品質保証の基本となる3つの言葉を正しく理解するための話し合いをすることにしました。
前田:保証、保障、補償という言葉は、ベテランのみなさんもおられるので重複するかもしれませんが、確認と復習という位置づけで話し合いをしましょう。
張 :私は保証、保障、補償の意味を正確に理解できていないので、お教えください。
前田:わかりました。私の経験も交えてお話しましょう。その前に、3つの言葉について、みなさんがどのように理解されているかお聞きしたいと思います。どなたからでも結構ですが、・・・楊さんいかがですか?
楊 :それでは、私が理解していることをお話します。まず保証という意味ですが、商品では、その「商品が効用を発揮して価値を生み出すことを証明」するという意味に捉えています。
前田:流石!楊さん。その通りですね。いくら形が整っていても価値を産み出さないのでは顧客は困りますね。保証とは「この商品は価値を生み出す」ということを約束するということですね。
劉 :その約束を文書化したものが保証書というわけですね。
前田:そうです。その通りです。カタログや説明書に記載したことが約束事になります。では、次の言葉である保障という意味は?・・・劉さんいかがですか?
劉 :保証と保障の違いですね。なんとなく同じような意味だと思っていましたが、確かに文字が違いますよね。ええーっと、なにが違うのかですかねえ。・・・苦し紛れですが、たとえばこういう意味でしょうか?保障とは故障だとか、なにかあった場合、それを元通りにしてもらえるとか・・・そういう制度とか、約束ではないでしょうか?
前田:苦しそうでしたが、ほぼ正解ですね。保障とは保証したことが発揮できるようにするための、約束事です。例えば自動車が事故などでエンジンが故障することもあります。そうした場合に自動車保険で修理し、元通り動くようにできますね。このような不慮の事故、故障に対して、性能、機能を復旧し、自動車としての価値を発揮するための約束事を保障といいます。
劉 :その約束事を明確にした文書が保障契約書ということですね。保証とは意味がかなり違いますね。良くわかりました。
前田:それでは3つ目の補償という言葉について、お聞きしましょう。張さん、いかがですか?
張 :だんだん難しくなってきそうですね。補償という言葉の意味は、商品になんらかの品質的問題が発生した場合に、その事によって受けた損害に対して弁償するということだと思いますが、それで良いのでしょうか?
前田:正解です。さすが張さん、大したものです!
張 :いや、それほどでもないです!でも、正解でほっとしました。
前田:すこし付け加えると、保証には証明することが大切で、当事者がその証明された項目で納得して売買契約がなされるということ。保障はそのうえで事故発生等に備えて契約することをいいます。その結果で補償のあり方がきまります。
張 :なるほど、それぞれ単独での言葉の意味ではなく相互に関係があるということですね。良くわかりました。
3-1-④ 品質保証はプロセス管理が大切であることを話し合う:
(会話の前提)
前田さんは、プロジェクトのコアメンバーと品質保証のあり方に、戦略としての位置づけ、品質目標のありかた、言葉の定義について理解を進めてきました。効果的な品質保証活動は、問題の発生に対する処理を厳格にすることではなく、問題が生じないように事前の管理のあり方が大切です。そこで、前田さんは、プロジェクトにおけるクオリティマネジメント(品質保証管理活動)を、あり方を話し合うことにしました。
前田:皆さんと話し合い、品質保証活動にも、理解も深めることができました。引き続いて、プロジェクトで効果的な品質管理活動を行うマネジメントのあり方について話し合いたいと思います。
張 :プロジェクトと定常業務の活動ではマネジメントに違いがあるのですか?
前田:良い質問ですね。それでは、皆さんのお考えをお聞きしましょうか。張さんは、どのように理解されていますか?
張 :私は、プロジェクトでは時間が制限されてとても忙しいので、管理のポイントを絞ってやるしかないと思います。定常業務組織での品質管理は時間的にもゆとりがあるのでやり易いのではと羨ましいですね。
劉 :プロジェクトの品質保証のために管理をきちんと行うのは大変です。やはり要領よく管理する工夫が必要だと思います。
前田:なるほど。時間的にゆとりがないと管理の時間もとりにくいということですね。楊さんはどのようにお考えですか?
楊 :正直に言いますが、私も張さん、劉さんと同じように考えています。
前田:現実はその通りだと思いますが、そのために管理の工夫が必要だということですね。
張 :どのような工夫が必要なのでしょうか?
前田:そうですね。プロジェクト組織での品質保証活動も、定常業務での品質保証活動も計画し、実行するところは基本的には同じです。定常組織に比較してプロジェクト組織で違うところは、参加するPM,リーダー、メンバーに流動性があることです。
劉 :確かに、そのところは大きく違いますね。
前田:もちろん、プロジェクトの背景によって異なり、プロジェクト組織のすべてがそうだということではありませんが、一般的には流動性が高いでしょうね。
劉 :その流動性の高いことが課題なのですね。
前田:そうですね。組織に参加するPM,リーダー、メンバーが変わると、考え方や、行動のあり方も変わりますね。
楊 :それにプロジェクトの品質保証活動も他のマネジメント事項も同様なのですが品質保証活動に対する価値観も違いますね。
前田:そうですね。したがって参加メンバーとの意識合わせが重要になってきます。今回の話し合いもそのために行っています。
張 :なるほど。そういうことだったのですね。前田PMは話し合いが好きだなあと思っていたのですが、これもマネジメントの一環なのですね。
前田:それもありますが、品質保証活動のPDCAを明確にしておくことが目的なのですよ。
張 :PDCAは管理のサイクルと言われていますね。最初のPつまり計画がしっかりしていないと、後で問題が起きるということですね。
前田:そうです。さらに問題の発生を防ぐために、行動の状況をよく観察し異常を発見する仕組みが大切です。つまり最終的な結果を見て対応するのではなく、途中の経過、プロセスをチェックして対応をすることが大切ということですね。
張 :良く理解できました。
3-1 品质管理
3-1-① 有关品质管理的基本战略的讨论:
(讨论的背景)
项目的成品的最终品质取决于客户的评价。为了在核心成员之间加深理解,前田经理要和大家谈谈对品质保证的基本想法。
公司已经拿到了IS9000认证,全公司的品质保证方针,以此为准展开。
前田:我们这个项目要开发的是小型化、轻量型、可以联网的彩色激光打印机,这是打印机事业的脊柱产品,我想大家都有所理解。
杨 :对此,在启动项目的阶段,我们议论了目的、目标,所以认识很清楚。
前田:就是这样。今天我就想以此为前提和大家交换意见,刘工和张工觉着怎么样?
刘 :很好。
张 :我也觉着很好。
前田:那我就接着说。品质保证的基本战略是企业活动的一个极端重要的环节。 有提供消费者喜欢的商品的愿望,但是不落实就不能说是迎合了客户的需求。
张 :这个我很有体会。买的时候觉着东西不错,可是马上就出故障,客人会失望的。
刘 :不仅是失望,有时发生了事故会酿成大问题。
前田:是的。现在的国际潮流是通过PL(Product Liability:制造者责任)法严格追究品质责任。 企业为了追求利益,要承担制品的安全性和品质的责任。
张 :这样说来,确实有过电源变压器受损,由此发生了火灾事故的问题。
刘 :虽然问题的现象是电路烧坏了,换个情况,也没准儿会发生大事故。
前田:你们举了很容易理解的例子,说明了保证品质的重要性,确实如此。这样的问题点可以举出很多。但是真正的原因往往就是一点点判断失误和粗心作业引起的。
张 :人总是要出错的,在某些地方出错也是没办法的事吧?
杨 :人做的事情总是有失误和疏忽的地方。但是因此就说“没法子”的话,就没法儿保证品质了。
前田:张工的话是真心话。杨工说的是企业应该采取的对品质保证的基本态度。 我已经谈到了本质,再多说几句。 品质保证不是和产品的缺陷较劲,而是怎么样才能提供没有缺陷的有魅力的商品。按照商品制造的规划、设计到制造的各个阶段,从上位工序就要明确基本的想法,考虑在整个工序中如何保证提供给客户的价值得以实现。
张 :唔。我一直认为规则都是为了减少故障,看来有更深奥的学问。我很想进一步了解。
前田:好。在这次的项目中一边实践一边学习吧。
3-1-② 有关质量目标的讨论:
(讨论的背景)
前田经理先跟大家谈了全公司的品质保证方针,然后开始组织大家学习如何保证品质。这次他的目的是把这个项目开发的商品的品质目标给以明确。参加学习的是商品各个开发部门的组长。
前田:对这个项目开发的商品的品质目标,我们需要加深理解。
张 :我有个不明白的地方,可以提问吗?
前田:可以,你有什么问题呢?
张 :前田经理说这个项目开发的是商品,这和“制品”的意思区别在哪里?
前田:张工,你提的问题很好。对我下面要说的话,能抓住词汇的定义很重要。
张 :我这人有点不经夸。
前田:有一本辞典叫大辞林,对制品的解释是“制品是为了销售而制作的物品,用某种原料制作的物品”。“商品是为了出售的物品,是以销售为目的的资财和服务”。
张 :我觉着意思差不多。
前田:是差不多。这个词和物品的制作,销售的历史也有关系。我们现在做的项目是为了开发新型的打印机,对吧。
张 :对这一点我觉着已经搞明白了。
前田:是的,我也认为大家都理解了。可是企业仅是搞制造还没有达到目的。
张 :也就是说,不仅仅是制造,如果不能给客户提供价值,就不是商品。
前田:哈哈,你领会得真快。正像张工说的,客户买我们的东西,得到享受,我们从代价中获取收益,进一步为客户服务。
张 :原来如此,制品就是它自身,商品是制品再加上服务等各种附加价值的综合体。
前田:你说的很对。到底是软件开发的高手。虽然软件也是商品,但是又不像东西,是看不见的。
张 :就是呀,我们的工作难以作到可视化,也就是说看不见。
前田:我们的话题延伸到软件的视觉化了,这也是很重要的事情。把话题收回来,我们做的,不只是单纯的物品制造,而是“商品”,这个商品是客户需要的,对它的价值客户是认可的。我有意识地强调这一点,使用了“商品”的概念。
张 :原来如此。内涵还挺深。这次我们讨论的是品质目标,以后呢?
前田:哈哈哈,刚才虽然内容有点偏,但是从品质目标的着眼点看,关系密切,你放心。
张 :那就好。
前田:总结一下这次的内容。连张工的软件开发在内,品质的目标只是制作方的目标那是不行的。希望大家站在客户的立场上,考虑品质目标。
3-1-③ 有关“保证”、“保障”、“补偿”意义的讨论:
(讨论的背景)
品质保证方针是企业的重要战略。对项目活动的管理要遵循品质保证方针,这是非常重要的。为此,要正确理解品质保证的活动,在行动中还要正确理解相关用语。为了达到项目成果的品质目标,前田经理要和三个核心成员一起讨论品质保证中最基本的三个用语。
前田:你们几个有的人已经经验很丰富了。会议内容可能有点重复,全当是复习吧。
张 :我还不太理解保证、保障、补偿的意思,我很想知道。
前田:好,我就结合自己的经验讲一讲。首先,我想问问大家对这三个用语是如何理解的?请哪位讲讲?请杨工讲讲吧。
杨 :那我就说说自己的理解。首先说一说保证的意思,商品要发挥作用,证明它可以创造的价值,才能称之为商品。这就是“保证”的意思。
前田:不愧为杨工,说的太好了。商品的外表再好,如果不能产生价值,顾客就不答应。保证就是对“这个商品要创造价值”的承诺。
刘 :把这个承诺文字化就是保证书,对吧。
前田:对,就是这个意思。产品规格,说明书中记载的内容都是承诺。那么,下一个用语“保障”的意思是什么?刘工可以给我们讲讲吗?
刘 :“保障”和“保证”不一样。虽然意思总有些相近,但是这是两个不同的单词。不同到底在哪里呢?不太好解释,用比喻说明一下吧。 “保障”的意思就是说,商品有了毛病,发生问题的时候,能把它修理好,恢复到正常状态,起保障作用的制度,不也是承诺吗?
前田:你想方设法给以说明,基本是正确的。保障就是为了兑现保证的一种承诺。 例如,汽车发生事故时候,有时发动机就会有故障。这时用汽车保险去修复,恢复它原来的功能,保证其发挥汽车的价值,为此所作的承诺就是保障。
刘 :把这个承诺落实到文字上就是保修合同。这和保证的意思是很不一样的。我完全明白了。
前田:现在该说说第三个用语了,张工说说好吗?
张 :越来越难啦!“补偿”的意思也就是说,商品有了类似品质问题的时候,对为此受到的损害要给以代偿,这样解释可以吗?
前田:完全正确。张工真了不起!
张 :哪里哪里,实不敢当。说对了就不紧张了。
前田:我再稍作些补充,对“保证”给以证明是很重要的,当事人认可所证明的项目,才会签订买卖合同。保障呢,就是对签约后发生事故时作的合约。保障的结果则取决于补偿的方法。
张 :原来是这么一回事,它们不是孤立的语言,互相之间是有联系的,我明白了。
3-1-④ 有关过程管理对品质保证的重要性的讨论:
(讨论的背景)
前田经理和项目的核心成员就品质保证的方法、战略位置、品质目标的设定方法,对用语定义的理解进行了讨论。有效的品质保证活动,并不是在发生问题时要严格处理,而是通过管理尽量避免发生问题。为此,前田经理要和核心成员讨论项目的品质保证管理活动。
前田:通过交谈,大家对品质保证活动加深了理解。我想和大家继续讨论在项目中应该怎样进行有效的品质管理活动。
张 :项目管理和常规业务活动的管理不一样吗?
前田:问得好。那我就问问各位的认识吧。张工,你是怎么理解的?
张 :我觉得项目有时间的限制,很紧张。必须有集中管理的重点。而常规业务体制的品质管理时间上比较充裕,真令人羡慕。
刘 :为了保证项目的品质,管理是很花费气力的,我也觉得要抓住要领在管理上下功夫。
前田:噢,你们是这样想的。整体来说没有多少富裕的时间,也就很难拿到管理的时间,是吧。杨工是怎么考虑的?
杨 :说实话,我和他们的意见一致。
前田:现实确实是如此,所以才要在管理上下功夫呀。
张 :哪些努力是必要的呢?
前田:唔,不管是项目体制中的品质保证活动,还是常规业务的品质保证活动,都要做计划,并给以实施,基本上是一样的。不同的地方是,项目体制中,项目经理、组长、成员有流动性。
刘 :确实,这是很大的不同。
前田:当然,根据项目的背景,会有不同的地方,项目组织也不是一成不变。一般来说流动性比较大。
刘 :流动性大就是一个课题吧。
前田:是的,在组织里的项目经理、组长、成员变了,想法、作法都会变。
杨 :另外,对项目的品质保证活动,以及其他的管理事项也是同理,对品质保证活动的价值观也会不一样。
前田:是啊。所以和参与成员在意识上的吻合就变得十分重要。这次讨论的目的就在此。
张 :噢,讨论的目的是这个呀。我一直觉得前田经理喜欢和大家交谈,原来这也是管理的一环呀。
前田:有这个成分,但其目的是为了弄清楚品质保证活动的PDCA (PLAN,DO,CHECK,ACTION)。
张 :PDCA是管理的循环。最初的P,就是计划,计划没做好,以后就会出问题。
前田:是的。而且为了防止发生问题,认真观察行为状况,发现异常现象的机制很重要。也就是说我们不是看到最终结果才对应,而是对中间的经过、过程进行确认,给以对应,才是重要的。
张 :我完全明白了。
3-2 コミュニケーションマネジメント
3-2-① コミュニケーションの重要性について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトのように時間的にゆとりの少ない組織活動では、参加する人々におけるコミュニケーションのあり方が、組織運営に大きく影響します。前田さんはプロジェクトにおけるコミュニケーションの重要性は十分に認識しています。今回の新しいプロジェクトでは初めて参加する人も多くいるようなのでコアメンバーとコミュニケーションのあり方について話し合うことにしました。
前田:みなさん、おはようございます。昨日の日曜日はとても良い天気でしたが、どのように過ごされましたか?
楊 :私は久しぶりに妻と郊外の植物公園に行きました。妻の大好きな薔薇の花がとてもきれいで妻はご機嫌でした。
前田:それは、よかったですね。奥様の好みを把握していたのですね。家庭でのコミュニケーションも良いということですね。
楊 :いえ、それほどでもありませんが、よく会話の中に薔薇の話がありましたので、たぶん薔薇が好きなのだろうと思っていました。
前田:劉さんはいかがでしたか。どこかに出かけましたか?
劉 :私は新しくできたデパートに妻と行きました。妻の洋服選びで私は大変疲れましたよ。
前田:それは、それは。お疲れ様でした。私も同じ経験をしていますよ。張さんはいかがでしたか?
張 :私は妻と美術館に行き、現代絵画展を観てきました。
前田:そうでしたか。奥様も絵画はお好きなのですか?
張 :はい、絵画の分野とは少し違いますが、大変好きなようです。
前田:みなさん、家族とのコミュニケーションは良好のようですね。プロジェクトでも皆さんのように良いコミュニケーションで進めたいですね。ところで、皆さんはこれまでのプロジェクト活動でコミュニケーションのことで困った経験はありませんか?
楊 :コミュニケーションのミスから大きな失敗になったことがありますね。
前田:そうですか。どのようなことが原因だったのですか?
楊 :私の伝え方が悪かったのですが、聞いたメンバーも自分の過去の経験から判断してしまったことが原因でした。
劉 :私にも同じような経験があります。伝えたつもりが伝わっていなかったということがあります。
前田:プロジェクトなどの時間的に制限の多い活動では、特にコミュニケーションを正確に行うことが大切です。情報としては相手が聞いただけでなく、コミュニケーションの目的を「理解している、納得している」ということを確認することが大切です。
楊 :その通りですね。つい忙しさに紛れて、確認を怠ると問題が起きます。
前田:さすが、楊さんは良く本質をご存知ですね。プロジェクトのコミュニケーションで大切なことはもう一つあります。それは、伝える内容を相手が心で受け止められるように相手の状況や価値観も意識してコミュニケーションすることが大切ですね。
張 :コミュニケーションの重要性が良くわかりました。私には難しそうなところもありますが、諸先輩をお手本にして頑張りたいと思います。
3-2-② コミュニケーションの構造について話し合う:
(会話の前提)
コミュニケーションには、日常生活で必要な基盤的スキルと仕事の中で必要とする専門的スキルに大別されます。当然のことながら基盤スキルが未成熟であれば専門的スキルも未成熟になります。前田さんはプロジェクトの中でコミュニケーションが極めて重要との認識を持っています。特に必要とされる専門的スキルについてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:コミュニケーションとは、いかに上手に話をするかということに理解されている場合が多いようです。もちろん、上手に話をできることも重要ですが、相手の状況をよく見て話あうということが大切です。
張 :前の話し合いでは、そのようにお聞きました。
前田:コミュニケーションの基本は相手の話を良く聴くということが最も大切なのです。コミュニケーションとは、いずれかが一方的に話すのでなく相互に交流するということが基本です。
張 :良く解りました。相手の話を良く聴くということですね。
前田:慣れてくると、ついおろそかになりやすいので、コミュニケーションの基本的スキルを再確認しました。次に専門的なコミュニケーションスキルの構造についてお話しましょう。
張 :コミュニケーションスキルを構造的に捉えるということですね。
前田:そうです。専門的コミュニケーションスキルを5つのスキルとして捉えます。適用するスキルは、①ヒアリング・インタビュースキルから始まり、次に②ディスカッションスキル、③ネゴシエーションスキル、④ドキュメンテーションスキル、⑤プレゼンテーションスキルの5つのスキルです。
張 :5つのスキルで構成されているのですか?とても複雑に感じますね。
前田:確かに一見複雑そうですが、皆さんが仕事の中で行っていることですね。コミュニケーションプロセスを意識的に見ると、このように5つに分けることができます。例えば、プロジェクトでソフトウエア開発が遅れるという問題が発生した事例で考えてみましょう。
張 :良くある例なので分かりやすいですね。
前田:問題が発生すると、関係者から状況をヒアリングします。開発技術者からも話を聞きます。どのようなことが、どこで、いつから、どの程度の問題が起きているか状況を正しく把握します。この正しくというところがヒアリングスキルの要点ですね。
張 :どのようなことが要点になりますか?
前田:そうですね。大きくまとめると要点は3つあります。1番目の要点は、話し手が話しやすい雰囲気つくりが必要です。そして、2番目の要点は、話を良く聴き、予断を混じえてはいけないということです。
張 :相手の話を聞きながら、自分の頭の中は別のことを考えてはいけないということですね。
前田:そういうことです。しかし、口でいうのは簡単ですが、実際の場面ではつい先を急いで、予断を混ぜて聞いてしまいがちになるのです。
張 :ヒアリングスキルだけでも奥が深いですね。
前田:そうですね。相手の話を良く聴くことは、コミュニケーションスキルの基本中の基本です。さらに必要な情報をうまく聞き出し、質問するスキルとしてインタビュースキルがあります。インタビュースキルもただ聞くだけではなく、聞くための準備が必要です。
張 :どのような準備が必要なのですか?
前田:質問したいことは、漠然としてではなく、なんのために質問するか、質問の目的も良く考えることが大切ですね。相手の価値観や行動様式も考えてヒアリングに取り組むための準備事項になります。
張 :インタビューも入念な準備が必要だということが良くわかりました。
3-2-③ ディスカッションスキルについて話し合う:
(会話の前提)
ディスカッションスキルとは、お互いの意見を確認し合う場面で必要なコミュニケーションスキルの一つです。プロジェクトにおける会議や話し合いでは、それぞれの立場から意見を出し合います。しかも、出席する人の立場が違うこともあり、当然、価値観や利害も異なります。ディスカッションスキルとは、こうした違いを踏まえて、目的、目標を達成するコミュニケーションスキルです。組織をリードする立場にある人は、ディスカッションスキルが重要という認識を持って会議や話し合いに臨むことが大切です。前田さんにコアメンバーからディスカッションスキルについてもっと知りたいとの話があり、ディスカッションスキルについて話し合うことにしました。
前田:専門的コミュニケーションスキルの2番はディスカッションスキルです。ディスカッションとは討論する、話し合うということですが、要点はお互いに意義の内容のある話し合いだったと言えることです。
楊 :確かに前田さんのおっしゃる通りなのですが、実際には上手くいかない時が多いのです。
劉 :実は私も同じです。どうすればいいディスカッションができるのでしょうか?
張 :先輩の方々もお困りなのですか?
前田:そうですか、みなさん全員がお困りなのですね。それは困りましたね。では、要点についてお話ししましょう。まず、ディスカッションスキルは5つの専門的コミュニケーションスキルの一部であるとの認識を持ってください。
張 :それだけですか?
前田:いや、まだ重要な要点はあります。これからお話します。ディスカッションに重要な要点は大きくは3つあります。その1番目はディスカッションの事前準備です。細かくいうと①目的を明確にする。②到達点の目標を明確にする。③話し合いの筋立てを考えることです。
張 :そうですが、日常の忙しい中では、なかなか準備する時間が取れないのです。
前田:そうでしょうね。しかし、忙しいという理由で、準備もなく会議や話し合いをしても上手くいかないのではありませんか?
張 :そうですね。そこが問題であり悩みですね。
前田:もちろん、忙しいときには忙しいなりの効率的な方法を取るべきです。準備しないよりは大きな違いがあると思います。少しの時間でもとる努力と工夫をされたらいかがでしょうか。
張 :分かりました。手抜きしては駄目ということですね。
前田:次の2番目の要点は、話し合いの進め方を考えてみることです。具体的には①どのテーマから話し合うか順番を設定する、②発言、意見を求める人を想定しておく、③話し合いの進め方をアジェンダとしてまとめておくことの3項目です。
張 :具体的でわかりやすいですね。
前田:3番目の要点は、話し合いの進め方です。事前に準備したことを活用することです。具体的な進め方としては①参加メンバーに会議の目的など主旨説明を入念にすることです。②特にはじめての参加する人には、話しやすい雰囲気を作り出すことです。そして③参加者は全員が発言、意見を言えるように配慮することです。
張 :なるほど。よくわかりました。
前田:まとめとしては、ヒアリング・インタビュースキルのところでも話しましたが、会議や話し合いに出席している人の行動様式や、価値観を把握していることも大事です。それと積極的傾聴(アクティブリスニング)を心がけることですね。
張 :お話になられたことに挑戦したいと思います。ありがとうございました。
3-2-④ ネゴシエーションスキルについて話し合う:
(会話の前提)
ディスカッションの目的は、意思統一または合意の形成ですが、必ずしも上手くいくとは限らないものです。その原因には双方の立場からくる利害の対立があります。こうした場合に双方の利害得失を調整する手続きが必要になります。この手続きを交渉(ネゴシエーション)と位置付けています。プロジェクト活動のなかでもネゴシエーションする場面は多く発生します。前田さんはネゴシエーションの要点についてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:プロジェクト活動の中では、ネゴシエーションをする場面が多くあると思います。みなさんのネゴシエーション経験をお聞きしたいと思います。
楊 :上手くいったこともありますが、なかなか合意できず苦労したことも多いですね。
張 :私の場合は、ネゴシエーションが必要な場合、上司と一緒に対応したが多いので自分が主体的に行ったことは少ないです。自分が主体的に行うとすれば難しいのではと感じています。
劉 :私も張さんと同じですが、最近は少し慣れてきたように思います。
前田:そうですか。私は「ネゴシエーションは苦手です」ということをよく聞きます。その理由は「相手側の言い成りにはなりたくないし、自分側の言い分を押し通すと相手側の心証を害し、ビジネスに悪影響がでるのではないかと、憂鬱になる」聞きますが、みなさんはどうでしょうか?
劉 :そうですね。わたくしもその様なことが気になる一人ですね。
前田:なぜ憂鬱になるのでしょうか。ここでは、その原因とネゴシエーションスキルの要点について話し合いましょう。大きくは2点あります。第1点は、立場によって損得の駆け引きをして自分の有利にと考えるからです。
張 :でも、それは当然ではないですか?その駆け引きが交渉ではないのですか?
前田:お互いに駆け引きでやりあっては、話の内容が厳しくなりますね。例えば「腹の探り合い」という言葉がありますが、お互いに「腹を割って」話し合うまでは相当の時間がかかります。特に初対面の人だと尚更です。
楊 :それまでの人間関係、信頼関係によっても左右されますね。
前田:第2点は、交渉では相手の立場、価値観より、自分の立場、価値観を優先すると人間関係、信頼関係は損なわれ交渉は難しくなります。
張 :難しいですね。どうすれば上手くいくのですか?
前田:まあまあ、そんなに急がないで!こうした問題を解決する交渉方法があります。それは、原則立脚型交渉ともいいますが、別の言いかたでは英語でWin-Win交渉方法ともいいます。原則立脚型とは、本来の交渉の目的が双方にとってどのような利得があるかをともに考え、いい解決方法を見出す方法です。明るく前向きな交渉方法だといえます。
張 :その方法で上手くいきますかねえ、少し軟弱な気がしますが。
前田:張さんがいわれたことは、相手に譲歩を矯正する方法ですね。その反対には、今回は、自分が譲歩するので、次は相手に譲歩を求めるという方法ですね。立場駆け引き型交渉の典型的な方法ですが、その結果、感情的なしこりが残るので憂鬱になるのです。
張 :そうですか、わかりました。しかし、そのためには準備が必要ですね。
前田:その通りです。張さん良いことを言われました。ディスカッションでもそうでしたが、事前の情報収集や分析なしでは交渉は上手くいかないのです。交渉も気合と度胸では失敗する公算が大きいでしょうね。
劉 :良くわかりました。交渉には状況の分析や情報も必要で、無計画では失敗するということですね。今までのやり方を反省して、原則立脚型の交渉で取り組みたいと思います。ありがとうございました。
3-2-⑤ 主要なステークホルダーとのコミュニケーションについて話し合う:
(会話の前提)
ネゴシエーションとは、日本語では交渉と言います。交渉は相互に利害関係が生じた場合、円満な解決つまり合意の形成にいたる話し合いをすることです。
例えばプロジェクトにおいて当初の予定していた要求仕様が追加変更の必要性が発生したとしましょう。一般的には新たな工数が追加されるため納期の延長、コストの増加が生じます。しかし、諸般の事情で既定の納期内とコストの抑制という発注者側の要望があった場合、受注者側では、そのまま素直に受け入れることはプロジェクト活動に大きく影響するために合意は形成されないでしょう。そこで前田さんは、商品企画部との話し合いでどのような条件であれば合意形成が可能になるかコアメンバーと交渉について話し合うことにしました。
前田:先日のプロジェクト報告会で、商品企画部から要求仕様について追加変更事項を受け入れてほしいとの要望がだされました。理由を聞くと、競合商品との優位性を強化するためには必要と判断できる内容でした。
張 :それはどの開発分野についての追加変更要望ですか?
楊 :まあまあ張さん!そんなに急がないで前田PMの話をお聞きしましょう。
前田:みなさんが気がかりなことは尤もです。この時点でまた追加変更はスケジュールの組み直しにも考えなければなりません。今回の追加変更要求は、筐体の軽量化についてです。
張 :ソフトウエアのところではないのですね。よかったあ!
前田:張さんは安心されているようですね。でも影響ないことはないのですよ。
張 :えっつ!そうですか? どのようなことがありますか?
楊 :筐体全体を軽量化するには構造だけではなく、部品の構造も、電気系統もさらには、動作をコントロールする制御ソフトにも影響を考えないといけないのです。
張 :そうですか。私のところには関係ないと思っていたのですがねえ。
劉 :ははは、それは、残念でしたね。
前田:張さん、そのくらいの楽天性があれば大丈夫ですね。ところで、この追加変更要求に対して皆さんのご意見をお聞きし、プロジェクトとして可能な条件を提示したいと考えています。
楊 :そうですね。筐体の軽量化については、この新商品には相当な対策を取り込んできましたが、更なる要求ということですね。もちろん可能性はありますが、素材のコスト高や生産作業工程でのコストも見込む必要があります。
劉 :筐体の軽量化となりますと電気部品、例えば駆動系のモーターなどの軽量化も取り組むことが考えられます。しかし、新たな部品となると製造メーカーとの関係もあり、部品コストや部品納入時期の調整が必要になります。
前田:わかりました。皆さんの創意工夫を最大限にお願いした対策を商品企画部には提示したいと思います。早速ですが、変更要求実現に向けたスケジュール、コストの見直し案を作ってください。
張 :その見直し案で商品企画部との交渉をするのですか?
前田:そうです。お互いに新商品開発という目的の実現に前提で話し合います。
張 :すこし、余裕を見た数字で交渉するようなことはしないのですか?
前田:交渉は双方の信頼関係が重要なのです。お互いに相手の様子を窺って駆け引き型の交渉は相互不信に陥りやすく合意形成が進まないのです。
楊 :いわゆるWin-Win型(ウィンーウイン型)交渉が重要ということですね。
前田:その通りです。相手に不誠実な駆け引き型の交渉や、力関係で相手に譲歩を強いるような交渉は結果的に失敗につながるといえます。
張 :そうですか?相手に譲歩を強いるのが上手な交渉だと思っていましたが大きな勘違いですね。本当の交渉のあり方が良くわかりました。
前田:張さんも機会があれば、是非、取り組んでみてください。
3-2 沟通管理
3-2-① 有关沟通重要性的讨论:
(讨论的背景)
类似项目这样的没有充裕时间的组织活动中,参与者的沟通方法对组织的运营影响很大。前田经理充分认识到了项目中沟通的重要性。在这个新的项目中,很多人都是初次参加,前田经理要和核心成员谈谈沟通的方法。
前田:大家早晨好。星期日的天气很不错,你们怎么过的?
杨 :我好久没和家人出去玩儿了,我和太太到郊外的植物园去了。我太太喜欢的玫瑰开得很好,她兴致很高。
前田:那真不错。你很了解太太的喜好,你们家里交流也很融洽吧。
杨 :也不是都那么顺。因为她聊天时总会提起玫瑰花,我想她大概喜欢玫瑰吧。
前田:刘工去哪儿了吗?
刘 :我和太太去逛一家新开张的百货商店,为了给太太挑衣服,累得够呛。
前田:太辛苦了。我也有同样的经历。张工怎么过的?
张 :我和太太去美术馆看现代绘画展了。
前田:是吗!你太太也喜欢绘画吗?
张 :是啊,虽然我们俩喜欢的画种不一样,但她好像很喜欢看。
前田:看来各位和家人都有良好的沟通。在项目里也希望像各位一样沟通能顺利地进行。 顺便问问,你们以前在项目活动中有过沟通受阻的经历吗?
杨 :因为沟通的不当,有很惨痛的失败。
前田:是吗!是什么原因呢?
杨 :原因是我的表达方式也有问题,项目成员又根据以往的经验作判断。
刘 :我也有同样的经历。虽然交待下去了,但没有效果。
前田:在项目中受时间所限,所以正确的沟通很重要。不仅是告诉对方,沟通的目的是要达到“给以理解,并给以认同,”的效果。
杨 :确实如此。一忙了就容易疏忽了确认,就会发生问题。
前田:还是杨工的经验多,说的很到位。在项目的沟通中还有一点很重要。那就是,对交待的内容,对方是不是心悦诚服,沟通时要顾及对方的立场和价值观,是很重要的。
张 :我理解了沟通的重要性。对我来说这不是件容易的事情,我要向各位先辈多学习,努力去做。
3-2-② 有关沟通结构的讨论:
(讨论的背景)
关于沟通,日常生活里必要的基本技巧和工作中必要的专业技巧大不一样。如果基本技巧不成熟,可想而知专业技巧也不会成熟。前田经理特别重视项目中的沟通。他要和核心成员重点谈谈专业方面的技巧。
前田:关于沟通,很多人理解为是怎么样才能良好地表达。毫无疑问,表达能力很重要,其实更重要的是体察对方的情况,进行交谈。
张 :在上次的讨论中,我已经体会到这一点了。
前田:在沟通中倾听对方的话,这是最重要的。沟通的本质是相互交流,不是单方的表白。
张 :明白了。要认真地听对方的话。
前田:习以为常了就容易漫不经心,所以我们复习了一下沟通的基本技巧。下面要谈谈专业的沟通技巧的机制。
张 :也就是说要掌握沟通技巧的机制。
前田:是的。专业的沟通技巧要掌握五点。依次是①倾听、提问的技巧;②讨论的技巧;③交涉的技巧;④形成文档的技巧;⑤讲演的技巧。
张 :要由五种技巧构成吗?真复杂。
前田:乍一看是挺复杂,其实大家在工作中都在这样做。如果有意识地把沟通过程分一下类,就有这五大类。比如,在项目中,我们设想一下软件开发滞后时的例子。
张 :这是常有的事,举例子容易理解。
前田:发生了问题,要向有关人员询问情况。也要向开发技术人员了解情况。要正确地把握发生了什么事,在哪里,什么时间发生的,是什么程度的问题。倾听的技术要点就是为了准确地获取信息。
张 :有哪些要点呢?
前田:要点大体上有三点。第一点,要给说话的人创造一个很好的气氛。其次是第二点,要真诚地听,不能过早下结论。
张 :也不能一边听人说话,一边心里却想着别的事儿。
前田:是这样的。但是,说起来容易,碰到事儿就容易急于下结论,还会掺杂自己的判断去听对方的话。
张 :仅仅是“倾听”这个技巧还是挺深奥的。
前田:确实不容易。能真诚地倾听对方的话,是沟通技巧中基本的基本。要有能力更进一步了解更多的情况,还需要提问技巧。提问的技巧也不是简单的提问,要做提问的准备。
张 :什么样的准备是必要的呢?
前田:想问的事情不能漫无边际,要想想为什么问,目的是什么。还要考虑对方的价值观、行为习惯,为了组织好提问做好准备。
张 :为了提问要认真准备,我明白了。
3-2-③ 有关讨论技巧的讨论:
(讨论的背景)
讨论技巧是互相了解想法时必要的沟通技巧之一。在项目会议中和讨论中,出自各自的立场,各有各的意见。而且,参与人的立场不同,价值观和利害也相异。讨论技巧是承认不同,又要达到目的、达成目标的沟通技巧。在组织中当领导,召集会议时认识到讨论技巧的重要性很要紧。核心成员都想进一步了解讨论的技巧,前田经理要和他们谈谈有关讨论的技巧。
前田:专业沟通技巧的第二项是Discussion的技巧。Discussion也就是讨论和对话,其要点可以说是互相之间要进行内容有意义的交谈。
杨 :确实如前田经理说过的,实际情况往往并不顺利。
刘 :我也有同感。怎么样才能进行良好的讨论呢?
张 :两位先辈也拿不准吗?
前田:大家都感到头疼吗?这可是个问题。这样吧,我捡要紧的谈谈。首先,要认识到讨论的技巧是五个专业沟通技巧的一部分。
张 :就这一点吗?
前田:不,还有其他重要的地方。让我慢慢儿说。讨论的重要地方大体上有三个。第一是讨论的事前准备。具体地说①要明确目的;②要明确想达到的目标;③要设想对话的框架。
张 :道理是这个道理。可是工作一忙,就没有准备的时间了。
前田:也许你说的有道理。但是以忙为理由,不作准备就开会或讲话,就不能顺利进行,不是吗?
张 :是啊。就是这点让人头疼。
前田:当然,忙的时候,也要有提高效率的办法,这和不准备是大不一样的。挤出些时间,下点儿功夫怎么样?
张 :明白了。简单放弃不好。
前田:下面的第二点是考虑讨论怎么进行。具体地说有三个方面。①从什么题目开始谈,要安排好顺序;②要想好听取意见的对象;③要事先组织好讨论的进程。
张 :您说的既具体,又好懂。
前田:第三个要点是讨论的推进方法。其实也就是运用你准备好的一切。具体的推进方法是①要向与会者认真地说明会议的目的等要领;②特别是对于初次参加的人,要营造宽松的发言氛围;③要照顾到与会者全员的发言和发表意见的机会。
张 :要考虑这么多事儿呀,我明白了。
前田:归纳一下,在倾听和提问的技巧中我也说过,掌握出席会议、参与讨论的人的行为习惯、价值观很重要。要有积极地倾听(active listening)发言的心态。
张 :我很想把您说的这些要点用到工作中,谢谢您。
3-2-④ 有关谈判技巧的讨论:
(讨论的背景)
讨论的目的是为了统一认识或者是取得一致的意见,但是不一定会顺利。原因是双方的立场在利害上有对立的地方。这时候,就要有一个调整由于双方立场不同带来的利害得失的程序。处在这个位置的程序就是交涉。在项目活动中也会发生很多交涉的场面。前田经理要和核心成员谈谈交涉的要点。
前田:在项目活动中,有很多交涉的场面。我想听听大家交涉方面的经验。
杨 :有做得不错的时候,但是怎么也谈不拢的时候也很多。
张 :我碰到交涉的时候,多数和上级一起对应,很少单独上阵。觉得一个人难度较大。
刘 :我和张工的情况类似,最近渐渐有些习惯了。
前田:是吗。我经常会听到有人说“我不善于交涉”。理由是“不想完全受对方意见的摆布,可是把自己的意见强加给对方又担心伤害对方,给业务带来不利影响,心情就会比较郁闷”。你们是什么感觉呢?
刘 :我也有同感。
前田:为什么会郁闷呢?现在我把原因和交涉的要点谈一谈。总的来说可以从两点来考虑。第一点,是因为站在自己的立场上,盘算利害关系,总想对自己有利。
张 :这不是理所当然的吗!盘算利害关系不就是交涉吗?
前田:双方都盘算利害关系,讨论的内容就会变得复杂起来。互相“揣测”,作到 坦诚相待就会花很多时间。特别是初次打交道的人。
杨 :还会受以前的人际关系、信赖关系的影响。
前田:第二点,在交涉中,把自己的立场、价值观凌驾于对方的立场和价值观之上,就会使人际关系、信赖关系受到伤害,交涉的难度也会加大。
张 :真难。怎么样才能作好呢?
前田:你先不要着急嘛!有解决这些问题的交涉方法。那就是坚持原则的交涉方法,英文叫做双赢的“Win-Win”。坚持原则的交涉,也就是一起分析各方的利益找到可行的办法,这是交涉的最终目的。也是积极向前看的交涉方法。
张 :这个方法管用吗?有点不牢靠吧。
前田:张工说的,是让步矫正的方法吧。这次我让步,下次请对方让步。这是典型的根据对方的态度和状况,选择有利于自己的办法,其结果是在感情上留下疙瘩,让人郁闷。
张 :是这样啊,我明白了。但是,为了交涉要做好准备吧。
前田:非常需要。张工说的很好。讨论之前需要做准备,交涉之前也要收集、分析信息,否则交涉也不会顺利。仅仅是精气神和胆量,还不足以取得成功。
刘 :明白了。面对交涉也需要分析情况、获取信息,不做计划就会失败。我要好好反省以往的作法,下功夫立足于原则进行交涉。谢谢您。
3-2-⑤ 有关主要利害相关方的沟通的讨论:
(讨论的背景)
Negotiation在日语里的表达叫“交涉”。交涉指的是在相互之间发生利害关系时,为了圆满地解决进行的意见交换。例如,设想对项目最初的需求规范产生了追加变更的必要性。一般来说因为增加了工时,交货期要延长,成本要增加。但是,因为各种理由订货方希望维持原来的交货期和成本,承接方照单接受会对项目的活动带来很大影响,恐怕不会答应。面临这种情况,前田经理要和核心成员们谈谈跟订货方的商品规划部交涉时,什么条件可以让双方都接受。
前田:前天的项目报告会上,商品规划部提出希望我们接受“需求规范”的追加变更事项。我问了理由,他们说为了强化对竞争对手商品的优势,有这个必要。
张 :是关于哪个部分的追加变更要求呢?
杨 :张工,别那么着急。先听前田经理把话说完。
前田:大家都很重视,这很重要。到了这个阶段还有追加变更,不能不考虑日程的调整。这次的追加变更要求是针对框架的轻量化的。
张 :不是软件,太好了。
前田:张工没什么担心的事了。可是不见得没有影响啊。
张 :哎!是吗?有什么影响?
杨 :对框架整体进行轻量化,不仅仅涉及结构,对部件的构造、电气系统,加上控制动作的控制软件的影响都不能不考虑。
张 :是吗?我还想着和我没关系呢。
刘 :哈哈哈,真遗憾。
前田:张工这么乐观,没什么大不了的。现在我想问问大家的意见,针对这个追加变更要求,要提出对项目来说可行的条件。
杨 :我想想。关于框架的轻量化,我们已经对这个商品采取了很多的对策,这是更进一步的要求。当然是可以对应的,但是材料、零部件的成本和生产过程中花费的成本都要放进去。
刘 :框架的轻量化,势必会连带电器部件,比如驱动系统的马达等的轻量化。但是,要用新的部件,和制造方也有关系,还要调整部件的成本、进货时期。
前田:明白了。我想把大家提出的有最大创意的对策提交给商品规划部。我们抓紧时间,请各位作一个实现变更要求的日程表和成本的修正方案吧。
张 :用这个修正方案和商品规划部交涉,是吗?
前田:是的。互相之间要以实现新商品开发的目的为前提进行意见交换。
张 :不用有点儿余地的数字交涉吗?
前田:交涉双方的信赖关系很重要。各方都留一手,容易互相猜疑,就达不成一致意见。
杨 :也可以说双赢的交涉是很重要的。
前田:你说的很对。对对方采取不诚实的计谋式的交涉,或者利用力量对比迫使对方让步都会导致交涉失败。
张 :是吗?我以为逼对方让步是上策呢,这个认识看来有问题。我知道什么才是真正的交涉的方法了。
前田:张工有机会争取体验一下吧。
3-3 リスクマネジメント
3-3-① リスクマネジメントの概要について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクト活動では必ず成功を阻害するリスク事象が発生します。プロジェクトマネジャーは多くの経験からリスクの発生を予測し、阻害要因への対応、対策をマネジメントする必要があります。リスクに対するマネジメントをリスクマネジメントといいます。リスクマネジメントはいくつかのステップで管理することです。前田さんはコアメンバーとリスクマネジメントの概要について話し合い、情報の共有を図ることにしました。
前田:今回のプロジェクトを是非成功させる気持ちは、皆さんと私も同じだと思います。しかし、プロジェクトでは思わぬことが発生し、成功を危うくすることが起こります。
楊 :そうですね。私にも失敗プロジェクトの経験がありますが、一寸したコミュニケーション不足から問題が大きくなったことがあります。
前田:そうですね。私にもいろいろと失敗の経験があります。楊さんの言われる一寸したことが大きな問題になったという経験ですね。
張 :ちょっとしたことってどのようなことだったのですか?差支えなければお話していただけませんか?
前田:もちろん差支えはないので、お話しますよ。それは、あるプロジェクトで新技術を使った開発を担当していたのですが、私は外部の協力会社の人と一緒にというか、教わる立場で参加していたのです。
張 :前田PMの若かりし頃のお話ですね。
前田:まあそういうことですね。そこでの経験ですが、優秀と聞いていた外部の技術者が実はあまり経験がない人だったのです。私は信頼していたのですが、時々その技術者の独り言を聞いていたのです。「これは解らない」とか「ここは経験がない」とか。でも私は、「謙虚な人だ」と軽く受け止め、自分の担当する仕事をしていました。ところが、開発の中程になって、その技術者が出社しなくなったのです。
張 :なにかあったのですね。病気をしたとか?
前田:そうです。その技術者は開発に行き詰って心の負担が重くなりプロジェクトに参加できなくなったのです。
張 :するとだれか交代要員が必要になりますね。
前田:そうなのですが、実はその協力会社には新しい技術に熟知した技術者はいなかったのです。
張 :では、契約違反ですね。ペナルティですよね。
前田:もちろんそういうこともありますが、期待していた新技術による開発の見通しが立たず、開発スケジュールに大きな問題が生じたことです。
張 :それは大変なことでしたね。
前田:私が早期に開発技術者の言動に気づき、問題を察知し、上司に報告するなどすればよかったのですね。
張 :なるほど。自分以外へのことに関心が薄かったということですね。
前田:そういうことですね。このことから私は自分のことだけでなく周りにも関心を持つことにしました。プロジェクトではPMやコアメンバー以外のメンバーもプロジェクトへの関心を持ち、情報を共有することが重要と感じました。
楊 :私も同感です。
前田:リスクには、その影響度や発生頻度などいろいろな角度からの把握が大切です。そしてプロジェクトに参加するメンバーがどのようなリスクが想定されるのかリスクに関する感性を高めておくことが大切ですね。
張 :プロジェクトメンバー全員がリスクに無関心であることが大きなリスクということですね。
前田:さすが張さん、良いことを言いますね。その通りです。
3-3-② リスクリスト作成について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクト方法論(PMBOKなど)にはリスクマネジメント計画の重要性に触れています。プロジェクトのリスクはプロジェクト発足背景や内容によって異なりますが、多くの経験によって典型的なリスクもあります。前田さんはコアメンバーとリスクリストの重要性について話し合うことにしました。リスクマネジメントの第一歩は問題事象が発生した都度に対応対策を検討するのではなく予め予測されることを整理しておくことが大事です。
前田:今回の会議は、プロジェクトで発生するリスクとその対応、対策について皆さんと話し合いたいと思います。
劉 :そうですね。それは極めて重要だと思います。以前に経験したプロジェクトでは、次々と問題が発生しそのたびに対応・対策を検討しなければならず大変苦労したことがあります。
楊 :もう一つ大事なことは、リスクに関する情報がプロジェクトメンバー全員に伝わっていないと、問題事象が発生しても見過ごすことが起きるのです。
張 :先輩のご意見の通りだと思いますが、経験が少ないとリスク項目を抽出する力が弱いと思うのですが、その場合はどうすればいいのですか?
楊 :確かに張さんはまだ若く経験は我々より少し少ないですね。しかし心配する必要はありません。今までのプロジェクトで発生したリスクを参考にしてそのリスクが今回のプロジェクトにも発生する可能性を検討すればいいのです。
張 :確かにそれは良い方法ですね。しかし、今までになかったリスクも発生する場合もあり得ますね。
劉 :それはあります。リスクリストを作る段階では想定しうる範囲でリスト化しますが、それで100%網羅できるというわけではないのです。
楊 :張さんの心配なところもわかりますが、劉さんが言ったようにリスクを完璧に予測できるということではないのです。必ずと言っていいほど何か違った問題が発生することもあるのです。
張 :そうですか。ある程度は仕方がないと見切ることでしょうか?
楊 :まあ、それに近いですが適当に諦めるということではないのです。一人で考え込むのではなく、計画チームで多面的にリスクの可能性を検討しておくことが大切なのです。
劉 :検討し予測したリスク以外からも発生したとしても、発生の可能性を細かく検討しておけば、網の目が細かいのと同じに重大なリスクの発生を初期の段階で予知できるということですね。
張 :なんだか魚を取る網のような感じですね。
楊 :ははは、そういえばそのような感じですね。
張 :網の目が細かいとそのための負担も大きくなるのではないですか?
劉 :確かに細大漏らさずに、全部に同じような対応対策を取ろうとすると重たくなるでしょうね。リスクマネジメントだけに負荷をかけるわけにもいかないでしょうからね。
張 :リスクマネジメントも労力と効果のバランスをとるのが難しいのですね。
前田:皆さんのディスカッションを聞いているとリスクリストを作成すること必要性に関して異論はないようですね。張さんから労力と効果のバランスが難しいのではという意見も出されました。そろそろ次の課題に進めたいと思いますがよろしいでしょうか?
張 :はい、リスクリスト作成の意義は十分に理解できました。
前田:楊さん、劉さん、積極的な発言ありがとう。では次の課題に進めます。
3-3-③ リスクの影響と発生頻度、確率について話し合う:
(会話の前提)
前回のコアメンバーとの話し合いでリスクマネジメントの最初のステップとしてリスクリスト作成の合意が形成されました。前田さんは今回の話し合いはリスクマネジメントに費やす労力と効果との関係についてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:先のリスクリスト作成の話し合いで、張さんからリスクを網羅する網目を細かくすると重たくなるとの意見がありました。今回はそのことについて話し合いたいと思います。
張 :私の意見を取り上げていただいて恐縮です。でも期待もしています。
前田:張さん、ご心配なく。恐縮されることは全くありません。これはコアメンバーの間でリスクについての取り組み方を共有するステップです。いわば、プロジェクトのリスクマネジメントの手順なのです。
張 :わかりました。リラックスしてディスカッションに参加します。
前田:今回のプロジェクトでも皆さんから多くのリスク項目が出されています。 まずこれ等の項目を整理しましょう。
楊 :では、大項目には開発分野で分けることでどうでしょうか?
劉 :すると、筐体構造、電気制御系統、ソフトウエアとなりますね。
張 :では、中分類はどのようになりますか?
前田:必ずしも決まった分類方法はありませんが、開発プロセスのフェーズで分類することがわかりやすいと思います。
張 :さらに小さく分類する場合はどのような方法がありますか?
前田:小分類する場合は、人、もの、コスト、技術、機材などと要素別に分類する方法があります。例えば利用する外部ソフトウエアに関するリスクでも、購入金額、購入先、購入時期で分類することができます。
張 :分類氏が多くなり、だんだんと複雑になるのですね。
前田:そうですね。だからこそリスクリストを作成しておくことが重要になるのです。リスクリストを作成し、関係性が整理できた段階で、個々のリスク項目についてその発生の確率や影響度について予測します。
張 :予測はどのようにするのですか?
楊 :プロジェクトのリスクの予測は経験によるところが大きいですね。今までのプロジェクトで発生したリスクが今回のプロジェクトに当てはまるかどうか、過去のデータを参考に予測します。まったくの思い付きではなく、過去のデータを参考にすることで精度が高まります。
劉 :そうですね。私も過去の同種のプロジェクトの実績を参考にしています。リスクが発生しそうな状況は似通ったところがあるものです。
前田:影響度やの発生の確率はその後のリスクマネジメントに反映する必要があります。ただ予測しただけではあまり意味がありません。リスクの重要度を設定し、重要度のレベルに応じた対応、対策も検討することが必要になります。
張 :ますます大変ですね。
前田:大変と言えば大変ですが、プロジェクトが失敗したことを考えれば、当然やるべきことをやったことになるのです。
張 :なるほど。プロジェクト成功のために“やるべきこと”の一部なんですね。リスクマネジメントの重要性が良く理解できました。
前田:必ずしも予測通りになるとは言えませんが、実際に発生したときに慌てなくて済むのです。“備えあれば憂いなし“ということですね
3-3-④ リスク情報を共有することの重要性について話し合う:
(会話の前提)
リスクマネジメントに関する取組みがプロジェクト成功に重要な要素であることをコアメンバーも十分に理解することができました。しかし、プロジェクトに関わる利害関係者(ステークホルダー)がリスクに関する情報を共有できていなければ折角の準備も役立たずと言わざるを得ないのです。前田さんは主要なステークホルダーにはプロジェクト計画承認の会議で報告することにしています。プロジェクトメンバーには、プロジェクトキックオフミーティングや各開発担当分野の会議で入念に説明することにしています。
前田:今回のコアメンバーの皆さんにお集まり頂いたのは、皆さんのご協力によって作成したリスクマネジメント計画を徹底するための打ち合わせ会です。
張 :私は今回初めてですが、リスクマネジメント計画にかなり力を入れて取り組んだので満足しています。
前田:そうでしたね。張さんは積極的に意見を述べていましたね。皆さんの努力のおかげでしっかりとした計画書の作成ができました。
劉 :張さん!まだ安心するのは早いですよ。実際のプロジェクト活動はこれから始まるところですから気を緩めずにね!
張 :劉さんも厳しいですね。私はもう力一杯出し切りましたよ。
楊 :張さん、まだまだこれからですよ。劉さんが言うように気を緩めないでください。
張 :なんだか前田PMが3人いるような気がしますね。
前田:ははは、それは困りましたね。冗談はさておき劉さん、楊さんと私も同じ気持ちです。
張 :リスク項目の優先順位も決まり、発生した場合の対応のあり方も決まっていますが、実際の活動の中で、リスクの兆候をどのように発見するかそこが難しいのではと感じています。
前田:そこが一つの要点です。ただ漫然とみているだけでは、リスクの兆候を見逃すことになります。それとプロジェクトリーダーだけで兆候を監視するだけでは細かなことを見逃すこともあります。
楊 :確かにプロジェクトリーダーだけでは、細かな兆候を見逃すこともありますね。
前田:小さなことが、後で大きな事故の要因になることはよくあることです。飛行機事故の原因でも小さな問題を見過ごしたために大事故にという例はよくあることですね。
張 :小さな兆候を見逃さないためにはどのようなことが重要ですか?
前田:大きくは三つの要点があります。一つはリスクマネジメント計画で重要視しているリスク事項の背景や発生した場合の影響度、兆候として予測していることなどの情報を詳しく伝え、各メンバーのリスクへの関心を高めておくことです。
張 :もう一つはどのようなことですか?
前田:もう一つは、自分の担当領域の仕事に関する関心はもちろんですが、自分の守備範囲を越えても、“変だな”とか“問題だな”と感じたことは、上司に報告するという積極性を発揮するようにリスクへの関心を高めておくことです。
張 :これは越権行為ではなく、チームワークということですね。
前田:その通りです。三つ目の要点は、その報告を受けたマネジャー、リーダーは即対応に移ることです。些細なことと後回しにしないで、即事実を確認することが大きな問題にしないで対処できるのです。
張 :良くわかりました。メンバーにはリスクマネジメントの意図を詳しく伝えるようにします。
3-3-⑤ リスクの対応の基本について話し合う:
(会話の前提)
リスクには大小、影響度、発生頻度、対策の難易度などさまざまな要素があります。リスクには、地震や、台風、天変地変のような対策の極めて難しいリスク事象もあります。すべてのリスクに対して一様の対応ではなく、リスクの内容によって対応のあり方を区分けする必要があります。前田さんは、その基本的な対応についてプロジェクトのコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:今日、皆さんとお話ししたいことはリスクの基本的な対応についてです。リスクにはその存在が①明確に予知できるもの、②いつ発生するか明らかでないもの、③発生する確率は低いが影響の大きいもの、④発生の確率は高いが影響は小さいものなどに区分することができます。これを二元表で表現すると解りやすいですね。発生頻度の高い低い少を横軸に、影響度の大小(損失金額など)を縦軸にします。
劉 :なるほど。良いですね。では二元図表にしてみましょう。

図2.リスク対応の基本的考え方
劉 :このような「図表になりますがいかがですか?
前田:いいですね。解りやすいですね。では、劉さんに書いた図表で説明しましょう。この表にあるようにリスクを区分できるように4つの象限にします。そしてリスク項目を発生頻度、影響度で4つの象限に分類します。
張 :問題の大きなリスクと、そうでないリスクとが区分されましたね。これだと対応の優先順位もはっきりしますね。これで十分と思いますがいかがですか?
前田:実はリスク管理の要点はまだあるのですよ。冒頭にリスクには不可避のものもあるという話をしましたね。
張 :確かにそのようなお話は伺っていますが。
前田:もう少し突っ込んだリスク対応のあり方になるのですが、最初からリスクに対する対応態度を決めておくことがあります。
張 :それは優先順位を決めることとは違うのですか?
前田:少し対応の観点が違います。これから説明します。では、わかりやすい例で説明しましょう。張さんが商船会社の経営者としましょう。
張 :例え話の題材でもなんだか偉くなった気がしますね。
前田:そう、そういう立場で考えてください。大事な商品を海外に運ぶとした場合どのようなリスクを予測しますか?
張 :台風や津波で船が危険な目にあうことが考えられますね。他に海賊におそわれることもありますね。船員が病気になって船を動かせなくなることもありますね。
前田:台風が来るとわかっていればどうしますか?
張 :まず事前に気象情報がありますから、航行中だと荒天が治まるまで島影に退避します。出航前だと港で待機し出港を遅らせますね。
前田:それも一つの対応策ですね。他にどのような方法がありますか?
張 :他の対応方法ですか?・・・船を2隻に分散して出港するということもありますね。他にはえーっと、それから船に損害保険を掛けますね。それから大きな船だと少々の風は乗り切れるので保険は掛けますが予定通り出港しますね。
前田:張さんの意見で正解です。少し付け加えると、①問題そのものを避ける回避する対策を打つ。②リスクの影響を分散し軽減する対策を打つ。③リスクの被害を損害保険などで被害を転嫁する。④リスクが発生したとしても軽微と判断し、特に対策を講ぜず受容する。という4区分です。
張 :言葉の表現は少し違いますが大体合っていましたね。
前田:この4つをリスクの基本的対応と言います。「①回避、②軽減、③転嫁、④受容」と言います。リスク対策もすべて重たく対応するのではなく、その内容によって効率的な対応を選ぶということですね。
張 :4つの基本的対応はよく理解できました。
3-3 风险管理
3-3-① 有关风险管理的讨论:
(讨论的背景)
在项目进行中肯定会有妨碍成功的风险。项目经理要根据经验预测可能发生的风险,还要管理针对不利因素采取的应对和对策。针对风险进行的管理叫作风险管理。风险管理也是分几个步骤进行的。前田经理要和核心成员们谈谈风险管理的概要,以达到信息的共享。
前田:我和大家一样,很想把这个项目做好。但是,在项目中会发生意外的情况,妨碍项目取得成功。
杨 :是啊。我也有项目失败的教训。由于在沟通上稍有不慎,有时也会带来严重后果。
前田:是啊。我也有很多失败的教训。也有和杨工同样的经历。
张 :稍有不慎是指的什么样的事情?不妨也让我们听一听。
前田:当然可以。我就说一说。那时我在项目中负责使用新技术的开发,我和协作公司的人一起工作,但是我是指导的立场。
张 :这是前田经理年轻时候的事儿吧。
前田:差不多吧。我的教训是,说成很优秀的外面公司的技术人员其实没什么经验。我相信了他。虽然他有时会自言自语地说“这个不明白”,“这个没做过”。我总在想他是谦虚吧!没有太理会。没想到,到了项目的中期,那个技术人员不上班了。
张 :发生了什么事?他病了吗?
前田:是的。那个技术人员开发中碰到了难题,心理压力过重,无法参加项目了。
张 :那就需要替换的人员。
前田:是啊,可是那个公司没有熟悉新技术的人。
张 :这是违反合同,要赔偿的。
前田:赔偿是一回事。期待中的新技术的开发没有眉目,开发计划成了大问题。
张 :这样的话事态比较严重。
前田:如果我能早点儿从那个技术人员的表现上觉察到问题,向上级汇报就好了。
张 :原来如此。您对周围的事情不太关心。
前田:可不是吗。通过这件事,我不仅对自己的事情,对周围的事情也开始关注起来了。我认识到,在项目中,除了项目经理和核心成员以外,其他的人也应该关心项目、互通信息是很重要的。
杨 :我也有同感。
前田:对于风险,从不同的角度掌握其影响程度和发生的频度很重要。还有,参加项目的成员是怎么估计风险的,提高对风险的敏感度也很重要。
张 :项目成员全员对风险毫无感觉就是最大的风险。
前田:张工说的好,恰如其分。
3-3-② 有关编制风险一览表的讨论:
(讨论的背景)
项目方法论(PMBOK等)里谈到了风险管理计划的重要性。项目的风险根据项目启动的背景和内容有所不同,从很多经验中可以提炼出典型的风险。前田经理要和核心成员谈谈风险一览表的重要性。风险管理的第一步,不是有了问题征兆才商量对策,对有可能发生的风险提前整理给以预测才是重要的。
前田:这次会议,想和大家谈谈项目中发生的风险和相应的对策。
刘 :是啊,这是极为重要的。在我以前经历过的项目中,不断发生问题,总是临时抱佛脚,非常麻烦。
杨 :还有一个要点,有关风险的信息,如果不传达到项目全员,会漏过问题的征兆,一直到出了大问题都没有人过问。
张 :先辈的意见极是,但是由于经验少,提取风险类型的能力不高,这时如何才好呢?
杨 :张工年轻,比我们经的事儿少一些。但是没有必要担心。可以参考以前项目中发生的风险,再研究哪些风险在本次项目中有发生的可能性。
张 :这倒是个好办法。可是,也会发生未曾有过的风险。
刘 :会有这种情况的。在编写风险一览表的阶段,是在一个设定的范围中,但是这种作法并不能达到100%的覆盖面。
杨 :我可以理解张工的担心,就像刘工所说的,预测风险的意思不是说要天衣无缝。总会有些意料不到的事。
张 :是吗?是不是可以说是“智者千虑,必有一失”呢?
杨 :可以这样理解,但是不能放弃努力。不要一个人苦恼,在计划组里,从各个方面研究发生风险的可能性很重要。
刘 :即使出现了预想以外的风险,只要对发生的可能性进行了仔细的研究,就像一张细密的网,在初期阶段就可以预知重大风险的出现。
张 :就像捕鱼的网那样。
杨 :哈哈,这个比喻很形象。
张 :网眼小,负担不会加重吗?
刘 :确实,要是事无巨细,都同样地给以对应很烦琐。不能仅仅为了风险管理加重负担。
张 :对风险管理要掌握付出和效果的平衡并不容易啊!
前田:我听了大家的讨论,看来对风险一览表的编写没有异议。张工还谈了掌握付出和效果的平衡性的难度的意见。我们进入下一个课题怎么样?
张 :好,对风险一览表编写的意义已经十分清楚了。
前田:杨工和刘工都能积极发言,非常感谢,我们讨论下一个课题吧。
3-3-③ 有关风险的影响、发生频率和概率的讨论:
(讨论的背景)
上次和核心成员谈的是风险管理初始阶段的风险一览表制作,大家形成了一致意见。前田经理这次要和核心成员谈谈在风险管理上的投入和效果之间的关系。
前田:上次谈到风险一览表编写时,张工谈了网眼过密会加重负担的意见。这次我想就此和大家交换一下看法。
张 :把我的意见作为议题啦!真不敢当。我希望有所收获。
前田:张工,不用担心,也别紧张。核心成员之间对如何处置风险的方法要形成共识。其实这也是风险管理的步骤。
张 :知道了。我要放松一些参加讨论。
前田:在这次的项目中,大家已经提出了很多风险条目,我们先把这些条目整理一下。
杨 :那么,按开发领域分类可不可以?
刘 :这样分的话就是框架结构、电气控制系统、软件。
张 :那么,中分类怎么分呢?
前田:并没有什么一成不变的分类方法,我觉着按照开发过程的阶段分比较好理解。
张 :再往下细致地分类时有什么方法吗?
前田:小分类时,有一种方法是按照人、物、成本、技术、物资等因素划分。比方说,在采用外部软件的相关风险里,就可以按采购金额、卖方和购入时期分类。
张 :分类多了,渐渐复杂起来。
前田:是这样。所以编写风险一览表很重要。有了一览表,整理出相关性,就要对风险条目的发生概率和影响度进行预测。
张 :预测是如何进行的呢?
杨 :对项目的风险预测,基于经验的成分较大。以前的项目发生过的风险,能不能搬到这次的项目中来,要参考过去的数据。不要凭想象,参考过去的数据会提高精度。
刘 :就是这样。我就在参考过去同类项目的纪录。容易发生的风险,会表现出相似的地方。
前田:把影响度和发生的概率反映到后面的风险管理里是有必要的。但是仅仅是预测没有太大的意义。要设定风险的重要程度,根据重要程度研究相应的对策。
张 :越来越复杂了。
前田:说复杂也是复杂。可是一想项目做不好怎么办?毫无疑问该做的事情就得做。
张 :原来如此。为了把项目做好,这是“应该做的一部分”呀。我对风险管理的重要性彻底理解了。
前田:也不见得就是预测的那样,但是做了准备真出了问题就不会紧张。这也就是“有备无患”。
3-3-④ 有关共享风险信息重要性的讨论:
(讨论的背景)
核心成员都已经认识到作好风险管理是项目成功的重要因素。但是如果利害相关方没有共享有关的风险信息,花了很多时间做的准备就没有作用。前田经理要在项目计划审查会上向主要的利害相关方作汇报。还要在项目启动会和各个分工部门的会议上向项目成员作仔细的说明。
前田:今天把核心成员召集起来,是为了贯彻大家一起制定的风险管理计划开一个准备会。
张 :这对我是第一次,花了很多时间做风险管理计划。有满足感。
前田:是啊。张工积极地提了意见。经过大家的努力,作了很周全的计划书。
刘 :张工!现在松心还有点早。项目活动刚要开始,不能松劲。
张 :刘工也这么严格呀。我已经全力以赴了。
杨 :张工,项目还没开始呢。刘工说的对。
张 :怎么好像有三个前田经理似的。
前田:哈哈,有三个可不行。不开玩笑了,我和刘工、杨工的心情是一样的。
张 :风险条目的优先顺序定下来了,发生时怎么对应也定下来了。但是实际上怎么觉察风险的预兆呢?
前田:这是一个要点。漫无目的会漏过风险的征兆,仅仅是项目组长进行监督也会疏漏细小的地方。
杨 :如果只靠项目组长确实会漏掉一些细小的征兆。
前田:小问题往往会酿成大事故。在飞行事故里,追究原因时经常有放过了小问题结果出了大事故的例子。
张 :怎么样才能不遗漏细小的苗头呢?
前田:主要有三点。一个是要让所有的成员都知道风险管理计划里重要的风险条目,以及发生的背景,带来的影响,有哪些前兆可以用于预测。提高大家的关心程度。
张 :还有呢?
前田:另外一点,要发挥成员的积极性,除了要关心自己分担的部分之外,还要对周围的情况有所感应,感觉到“异常”或者“这里有问题”时,要向上级汇报,提高风险意识。
张 :这不能叫越权,是团队作业。
前田:你说的很好。第三点是接到汇报的经理和组长要马上对应,别觉着是小事就往后拖,要尽快确认真实的情况,不要让问题扩大。
张 :明白了。我要把风险管理的意图仔细地向大家解释。
3-3-⑤ 有关风险应对基本原则的讨论:
(讨论的背景)
风险有大小、影响程度、发生频度、应对难易度等各种各样的要素。也有像地震、台风那样极难对付的天灾地变的自然灾害。对各种风险不能一概而论,有必要根据风险的内容给以区分。前田经理要和项目的核心成员们谈谈对应的基本原则。
前田:今天想和大家谈的是对应风险的基本原则。风险可以划分为几种,有①完全可以预测到的;②不能肯定什么时候会发生的;③发生概率小但是影响大的;④发生概率高但是影响小的。用二维表来画一下就很容易理解。横坐标是发生频度的高低,纵坐标是影响程度的大小(金钱损失等等)。
刘 :原来如此。这种方法真不错。那就画一个二维表吧!

图2.对应风险的基本考虑方法
刘 :这样的表怎么样?
前田:挺不错的。很容易理解。那就请刘工给我们解释一下吧。这个表用四个象限来区分风险。根据风险类别的发生频度、影响程度按照四个象限分类。
张 :这个表一下就把问题大的风险和不大的风险区分开了。这样一来,对应的优先顺序也很清楚。这样就够了吧?还有什么吗?
前田:其实还有别的风险管理的要点。一开始我们就说了风险的不可避免性。
张 :确实有过这样的讨论。
前田:要更深入一步探讨一下怎么对应的话,从一开始就要定下来对应风险的态度。
张 :和决定优先顺序有什么不同吗?
前田:对应的出发点稍有不同,我来解释一下。用一个好懂的例子说明吧。假设张工是商船公司的老板吧。
张 :我好像一下子变得很了不起了。
前田:没错!你就在这个立场上想一下吧。把重要的商品运往国外,会遇到什么风险呢?
张 :船只有遭遇台风、海啸的危险。也可能碰到海盗。船员有病的时候可能无法操纵船只。
前田:如果你知道会有台风,你会怎么办?
张 :首先,有看天气预报,在航行中要到安全的岛屿躲避坏天气。还没出港的话要推延出港的时间。
前田:这也是一种对策,还有别的方法吗?
张 :别的方法吗?・・・还可以分成两艘船出港。还有呢,可以加入保险。如果是大船,抗风能力强的话,加入了保险就可以按期出港。
前田:张工的意见很正确。再作些补充,追加四点,①可以考虑规避风险的对策;②可以考虑分散风险的对策;③可以用“损害保险”等转嫁受到的损害;④即使发生了风险,如果很轻微,在容许范围内的话可以不予考虑。
张 :说法不同,和我说的意思基本是一致的。
前田:这四点对应归纳成“①规避、②减轻、③转嫁、④容纳”。采取风险对策不是一概而论,要根据情况作出有成效的选择。
张 :这四个基本应对弄清楚了。
3-4 チームビルディング
3-4-① チームビルディング(組織編制)について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトの組織はプロジェクトの目的、目標、期間、規模、場所、とりまく環境によって異なります。それぞれの条件の中で最も適した組織を編成することがプロジェクトマネジャーに求められます。組織編制にはプロジェクトを企画した上位者、あるいは発注者スポンサーの協力なしでは難しいことがあります。プロジェクトの目的を達成するために必要な人材の選抜と適切な配置によって組織づくりがチームビルディングです。前田さんはプロジェクトチームの中心的役割を果たすコアメンバーとチームビルディングについて話し合いをしました。
前田:今日の会議では、プロジェクトチームの結成に必要なメンバーの人選と配置について話し合います。先日の会議で、皆さんにチーム体制案を検討をお願いしていましたが出来ていますか?
張 :私はソフトウエア開発のリーダーは初めてですが、自分なりに最適な案を考えてきました。
劉 :私は、何度か新商品開発プロジェクトで電気制御系のリーダーを担当していましたので、その時のプロジェクトレビュー資料を参考に案をまとめてきました。
楊 :私も劉さんと同様ですが、過去のプロジェクトのレビュー資料を参考に今回のプロジェクトの目的、目標、状況を踏まえて自分の意見をまとめてきました。
前田:皆さんの意見をお聞きしてディスカッションしましょう。そして最適なプロジェクトチーム結成に取り組みたいと思います。それでは張さんの案からはじめましょうか?
張 :では、早速ですが私の案からご説明します。分かり難い点、至らぬ点はどうぞご指摘をお願いします。
――――――――――案の説明―――――――――――
前田:内容はよくわかりました。ひとつ質問があります。ソフトウエア開発で新しい技術が必要なところですが、外部の協力会社から調達したいとのことですが、社内人材では確保できないのですか?
張 :残念ながら、このソフトウエア開発技術を使いこなす技術者はわが社にはいないのです。このプロジェクトの中で社内にも技術者の育成もするつもりで外部協力会社の技術者を調達したいと考えています。
前田:そうすると、通常の開発業務を委託する以外に教育指導も考えているということですね。
張 :そうです。その分契約単価は高くなりますが、今後のプロジェクトでも必要な人材育成も考えると効果的だと考えています。
前田:なるほど。そういう理由ですね、よくわかりました。もう一つ質問があります。調達先の技術者のスキルレベルですが適正なレベルであるとの確認はどのように考えていますか?
張 :それは、所属企業の責任者と話し合い、スキルレベルの証明書や新技術による開発実績も提示を求め。私が面接をした結果で判断する予定です。
前田:わかりました。正式に契約した後も進捗状況も含めてマネジメントをよろしくお願いします。他に張さんからなにかご意見はありますか?
張 :いえ、このことが一番留意していることで他にはありません。
前田:私からは、外部の技術者の方と、社内の技術者達とのコミュニケーションが良好にとれるチーム編成をお願いします。特に開発者間のミスコミュニケーションで問題が生じることのないように最適なチーム編成をお願いします。
張 :はい、よくわかりました。十分に留意してチーム編成します。
前田:では、次に電気制御系統の劉さんの案をお聞かせください。
3-4-② メンバーの特性、能力について話し合う:
(会話の前提)
組織は人によって構成されています。プロジェクト成功には参加する人材の能力に依拠するところが大と言えます。プロジェクトマネジャーやリーダーは、個々の人材の特性や能力をいかに発揮させるかがマネジャーの役割です。プロジェクトでも組織は多様な特性、能力、価値観を持つ人材を受容することが大切です。前田さんは強い組織作りのためには、コアメンバーとも共通の認識を持つ必要があると感じ話し合うことにしました。
前田:皆さん、これからチーム編成に取り組まれるところだと思います。 チームメンバーの選定、人選で気を配っているところはどのようなことですか?
楊 :前田さんも同感だと思いますが、人材確保に苦労しています。欲しい人材は忙しく、なかなかプロジェクトに確保できる余裕がないのです。
劉 :私も同じです。この人に是非参加してほしいと交渉しても他のプロジェクトとの関係で合意が得られないことが多いのです。
前田:そうですね。その点は私も同感ですね。なかなか思うように人材確保できないのが実態ですね。
劉 :それと、頭数だけではなく、必要な能力や必要なスキル分野となると難しいですね。
張 :私はやむを得ず外部の協力会社から派遣を求め確保しましたが、楊さん、劉さんのところでも検討されたらいかがでしょうか?
劉 :ご意見ありがとう。前のプロジェクトでも外部の協力会社にも参加してもらったこともありますが、現状はこちらのニーズに合致した人材がいない状態なのです。
前田:それは困りましたね。社内他部門には同等の人材の心当たりはありませんか?
劉 :ないことはないのですが・・
前田:その人では無理なのですか?
劉 :いや、能力的には問題ないのですが、自己主張が強く周りとの協調性が心配なのです。
前田:なるほど。その点が心配されているところなのですね。それで劉さんは実際にその人と話したことがありますか?
劉 :いや、今まで直接に話したことはありませんが、その部にいる同期の仲間から聞いた話です。スキルは抜群だそうですが、内部で紛争もよくある人だと聞いています。
前田:そうですか。一度あなたが会って話をして判断してはどうですか?
劉 :そうですね。先入観で判断してはいけませんね。
前田:人はそれぞれに個性もあり、固有の価値観をもっています。 プロジェクトの目的と目標を共有できる人であれば問題ないといえますね。むしろ個性的な価値観をもった人が組織で力を発揮する場合があります。
楊 :私も今までのプロジェクト経験からそのように感じています。
前田:私の方でも支援していきたいと思います。必要なことがありましたら遠慮なく言ってください。
劉 :早速、本人とも会ってみます。プロジェクトで彼の能力を大いに発揮してもらいたいです。
前田:そうですね。劉さんが会ってみて問題なければメンバーとして推薦してください。
3-4-③ コンフリクトへの対応のあり方について話し合う:
(会話の前提)
組織では人間関係の問題によって活動に支障をきたすことはよく知られています。組織はさまざまな人間によって構成されます。人それぞれのものの見方、価値観、所属している組織の文化等によって考え方も行動も異なります。多様な人間関係においてちょっとしたミスコミュニケーションで“コンフリクト”
(衝突)が起きます。プロジェクト組織でもコンフリクトは発生します。前田さんは、こうしたコンフリクトへの基本的対応についてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:今後プロジェクトが計画フェーズから実行フェーズに移行すると、それぞれの開発活動に参加するメンバーが急速に増加します。メンバーの中には初めてプロジェクトに参加する人もいます。組織的な活動には人間関係の問題が少なからず発生します。
張 :それは私も経験しています。チームの中に分派的なチームができることがありました。
劉 :いい意味で競い合うのは良いのですが、拙い場合は必要な情報が伝わらなくなり、変更情報を知らずに作業を進めるなどがあります。
前田:意識的にコンフリクトを発生させているのではなく、コミュニケーションの拙さが原因にあることが多いようです。もちろん、メンバー同士のコミュニケーション不足だけではなく、マネジャー、リーダーとメンバーとの関係においても多くあります。
楊 :私はチームの中でコンフリクトがあると発見した場合は、即対応するように心がけています。
前田:コンフリクトへの基本的対応では、楊さんの言った即対応することは重要です。コンフリクト状態を続けていくと組織全体のモチベーションの悪化に影響していきます。
劉 :以前のプロジェクトでコンフリクトへの対応を迅速に取らなかったために問題がこじれ退職者までだしたことがあります。
前田:そのような問題になるまで適切な対応・対策を講じなかったことはプロジェクトマネジメントに大きな責任があるといえます。いかなるマネジメントにおいても“問題の先送り”は問題解決を拗らせます。
劉 :前田さんの言われる通りですね。
前田:コンフリクトへの対応は、迅速性が必要ですが、速いだけではなく、事実の確認も重要です。一部の意見、あるいは一方的な意見や情報だけで判断しないことです。
張 :私は今回のプロジェクトでは初めてリーダーを担当しますが、適切に対応できるかちょっと心配になってきました。
前田:そうですね。不安なときは私や先輩の楊さん、劉さんにも相談してください。先入観にとらわれず客観的な判断ができると思います。
楊 :私も最初の頃は、上司や先輩に相談したことがあります。遠慮しないで相談してください。過去に例もありますから参考になると思いますよ。
前田:このような助け合う関係の組織だとコンフリクトは起きないのです。次に考慮することは、あらかじめ個人の特性も考えてチームビルディングすることもコンフリクトの予防につながります。
張 :チームビルディングもスキルや能力だけではないのですね。
前田:そうです。日本には次のような諺があります。“船頭多くして船山に登る”リーダーつまり自己主張の強い人ばかり集めると、目的、目標の追求より手段の良し悪しで紛糾し、組織の方向性を誤るということです。
張 :うーん、どこかで聞いたような、見たような気がしますね。
前田:コンフリクトへの対応のあり方をもう一度整理しておきましょう。①兆候を発見した場合は先送りしないで即対応する。②兆候を短絡的にみないで事実を確認して判断する。③チームビルディングの段階で予防策を講じる。この3つを念頭にチームの動きに関心を持ち観察を怠たらないことです。
3-4-④ チームのモチベーションについて話し合う:
(会話の前提)
モチベーションは個人の心の中にあるものですが、モチベーションが低下すると個人だけでなく組織としてのパフォーマンスも低下します。また、モチベーションの低下した人が他の人のモチベーションまで影響を与えます。「このようなところ(組織・会社・チーム)にはいたくない!」という言葉を良く聴き
ます。前田さんはモチベーションのことについてコアメンバーと理解を深めるために話し合いをすることにしました。
前田:皆さんはチームのモチベーションについてどのように考えていますか?ベテランの楊さんはどのようなご意見をおもちですか?
楊 :プロジェクトでもよくモチベーションが低いだとか、上がらないだとか自分でも言っています。しかし、どうして上がったり、下がったりするのか、良くわかりません。気持ちの問題が多く影響するのではと思っているのですが・・・
前田:珍しく楊さんの歯切れがよくないようですが・・劉さんはどのようなご意見ですか?
劉 :そうですね。自分の気の持ち方のような気がしますが。しかし、その切っ掛なることはありますね。例えば、会社でいえば上司に叱られると一気に落ち込みますし、褒められると一気にいい気分になってやる気が起きますね。家庭でも同じですが。
前田:張さんはどのようなご意見をお持ちですか?
張 :いや、ご意見というほどではないですが、やはり褒められると良い気分ですね。怒られると一気に落ち込みますね。どちらかというと私は煽てに乗って成長する方ですから(笑い)甘いですかね。
前田:いやいや、そうでもないですよ。モチベーションの重要な要素ですから。ところで、皆さん個人に置き換えて考えてください。目的や目標がなく成果の見えない仕事でのモチベーションはどうなりますか?
張 :私はまったくやる気が起きませんね。
前田:そうでしょうね。私も同じです。ここで良い言葉があります。みなさんご存知かと思うのですが“夫志気之帥也”これは約二千四百年も前に戦国時代中国の儒教家である孟子が言われたという言葉です。
張 :どこかで聞いたことはありますが。
前田:この言葉の意味は“志がやる気の素”という意味だそうです。現代ではやる気のことを英語で“モチベーション”と言い“動機付け”とも言います。
楊 :そうでしたか。先人は良いことを言っていますね。しかし、二千四百年経ても通じるといことは人間の本質はそんなに変わらないということでしょうか?
前田:そうですね。人間の本質はそう変わらないでしょうね。この志という言葉は英語でいうと“ビジョン”と言います。ビジョンすなわち先の見通し、到達すべき目的、目標、ということになります。私も見通しがなければ進めません、やる気もおきませんね。
張 :前田PMも私と同じということですかねえ。
前田:プロジェクトでも全く同じです。個々の自分の仕事の役割、期待が明確になっていなければモチベーションは上がらないのです。たとえ叱咤激励し頑張れと尻を叩いて励ましても、長続きはしないのです。
張 :それは良くわかります。いやいややるのと自分からの意志でやるのは大違いですからね。
前田:そういうことですね。やる気は見通しがあって、目的、目標、成果が見えれば自ら起きるのです。他動・受動ではなく自動・能動が重要なのです。そのためにはリーダーはメンバー一人ひとりの仕事について丁寧に伝えることが重要なのです。
張 :モチベーションも奥が深いですね。よくわかりました。
3-4 团队建设
3-4-① 有关团队建设(组织编制)的讨论:
(讨论的背景)
项目的组织因项目的目的、目标、期间、规模、场所和周围的环境而有所不同。
项目经理要在这些条件的限制下决定最恰当的组织编制。
在决定组织编制时,需要有规划项目的上层或者是订货方的协助,否则会有难处。组织编制的任务是,为了达到项目的目的,选拔必要的人才,建立恰当的组织体制,这是团队建设。前田经理要谈谈在项目团队中起主要作用的核心成员的作用和怎么组建团队。
前田:今天我们要谈谈项目团队的组成和配备必要的人选的事情。在前几天的会上,我请各位研究一下体制方案,你们作好了吗?
张 :我是第一次担任软件开发的组长,我做了一个自己觉着不错的方案。
刘 :我担任过几次新商品开发项目中电器控制系统的组长。我参考以前的项目复查资料做了一个方案。
杨 :我和刘工一样,参考老项目的复查资料,结合这个项目的目的、目标和状况有一个自己的意见。
前田:那就听听各位的意见,讨论一下吧。然后我想组织一个最佳的项目团队。先从张工开始好不好?
张 :那我就说说我的方案。有不清楚的地方和遗漏的地方请告诉我。
――――――――――说明方案―――――――――――
前田:你的方案我明白了。我有一个问题。软件开发中需要新技术,你想从协作公司协调,为什么不在公司内部解决呢?
张 :遗憾的是公司里没有这种水平的软件技术人员。我打算在这个项目里培养几个人,所以考虑请协作公司支援。
前田:这样一来,除了委托通常的开发业务以外,还可以得到技术指导。
张 :是的。所以合同价格也高一些,考虑到可以为今后的项目培养人才,还是值得的。
前田:原来如此。你的理由在这里,我明白了。还有一个问题。怎么确认协调来的技术人员的技术水平呢?
张 :这要和对方公司的负责人谈好,请他们提出技术水平的证明书,还有使用新技术的开发经历。我要经过面试给以判断。
前田:明白了。正式签约后,对进度等你还要管理。其他的张工还有什么意见吗?
张 :没了,这一点是我比较在意的,其他没什么了。
前田:我希望团队中的外公司的技术人员和公司内的技术人员把沟通作好。编组时特别要注意作业者之间不要发生沟通的问题。
张 :明白了。我在编组时会留心的。
前田:那么,下面听听刘工的方案吧。
3-4-② 有关成员特性和能力的讨论:
(讨论的背景)
组织都是由人组成的。要想做好项目,人的因素很大。项目经理或者项目组长的作用是如何发挥每个人的特点和能力。做项目,组织体制中能够包容有各种特点、能力、价值观的人才是很重要的。怎么组建强有力的团队,前田经理感到有必要和核心成员统一认识,所以他要和大家交换一下意见。
前田:各位,我们就要开始编组了。在挑选成员时如何考虑人选,都有哪些要点呢?
杨 :我想前田经理一定有同感,搜罗人才很不容易。你想要的人一般都很忙,很难要到项目里来。
刘 :我非常同意。为了想要的人不管怎么交涉,最终和其他项目谈不拢的情况太多了。
前田:是啊。我也很有同感。得不到想要的人才是实际情况。
刘 :还不仅仅是人头数,难的是有需要的能力和需要的技术。
张 :我没办法,请协作公司支援,总算是找到了,杨工和刘工是不是也可以考虑这个办法呢?
刘 :谢谢你的建议。上个项目也从协作公司要人了。目前的状态是没有合适的人。
前田:这很麻烦。公司里其他部门没有合适的人才吗?
刘 :不能说没有。。。
前田:那个人不能用吗?
刘 :能力没问题,就是个性比较强,我担心和周围协调不好。
前田:你担心的是这个。你和那个人接触过吗?
刘 :没有。我从来没有直接接触过。都是听和我同批进公司的同事说的。说他技术很好。但是在内部总和别人有冲突。
前田:是这样啊。你和他谈一次话判断一下怎么样?
刘 :也是。先入为主不太好。
前田:谁都有个个性,有固有的价值观。只要能够在项目的目标上保持一致,就可以说没问题。有独特的价值观的人没准在组织里还能发挥作用。
杨 :前田经理说的我在项目里也有同感。
前田:我会协助你,有必要的话就跟我说,不要客气。
刘 :我尽快和他见个面。希望他能在项目里多发挥作用。
前田:你见过面如果觉着可以,就推荐给我吧。
3-4-③ 有关应对冲突的方法的讨论:
(讨论的背景)
在一个组织里,由于人际关系而影响组织活动是常有的事。组织是由各种各样的人组成的。每个人对事物的看法、世界观以及所在组织的文化都会左右他的想法和行动。在复杂的人际关系里,稍有沟通不畅就会发生冲突。项目组织里也会发生冲突。前田经理要和核心成员谈谈解决冲突的基本应对。
前田:项目将要从计划阶段进入到实施阶段,在每个开发活动中参加的成员会迅速增加。这些成员里会有第一次参加项目的人。在组织活动里少不了会发生人际间的问题。
张 :这方面我也有经验。团队里出现了派别。
刘 :从积极的意义说是比比看谁做得好,互相消极抵触时就会不通信息,有了变更也不通知。
前田:故意制造冲突的情况是没有的,多数是沟通阻塞,不仅是项目成员,项目经理、组长和成员之间也会有这种情况。
杨 :我发现团队里有冲突发生时,一般都会尽快地处理。
前田:对于冲突的基本应对,杨工说的立即处理很重要。冲突的状态持续,会给团队整体的积极性带来恶劣的影响。
刘 :以前因为没有尽快解决冲突,问题复杂化,还出现了辞职的人。
前田:问题发展到这种程度都不能给以适当地解决,可以说项目管理上有很大的责任。无论什么样的管理,“放置问题”都会使问题更加复杂。
刘 :前田经理说的很对。
前田:应对冲突,迅速性是必要的,但是不仅要快,还要确认事实,这也很重要。不能根据一部分意见或者单方的意见和信息作判断。
张 :这次项目我是第一次当组长。真有点担心能不能应对得了。
前田:你有什么拿不准的地方多跟我、杨工和刘工商量吧。可以避免成见,比较客观一些作判断。
杨 :我一开始也要和领导或者前辈商量。你不要有顾虑,有事多商量。以前的事例也可以作参考。
前田:我们互相帮助,组织里就不会发生冲突。事先兼顾到每个人的特点组建队伍,也有助于预防冲突。
张 :团队建设不仅仅是技术和能力。
前田:是的。日本有个谚语叫“船頭多くして船山に登る”,(译:木匠多了盖歪房)意思是说主意大的人太多了,意见纷纭,反而会误事。
张 :您说的我好像以前也听到过,也碰到过。
前田:我们再整理一遍发生冲突时的应对方法。①有苗头时不能放置,要及时应对;②要尊重事实,不要武断地作判断;③在组建队伍的阶段就要考虑到预防措施。这三点要放在心上,注意队伍的状况,不要有所疏忽。
3-4-④ 有关提升团队积极性的讨论:
(讨论的背景)
积极性是人的心气儿,没有积极性,不仅是个人,组织的业绩也会下降。另外,没有积极性的人还会影响其他人的积极性。经常会听到“在这样的地方呆着没意思!”的说法。为了加深对积极性的理解,前田经理要和核心成员一起谈谈。
前田:大家是怎么考虑积极性的呢?杨工经验多,你说说。
杨 :在项目里经常会说起积极性低呀,调动不起来呀的话题。但是我也弄不清初为什么积极性一会儿高,一会儿低。也许多少受心情的影响……
前田:还很少看到杨工有发愁的时候呢……刘工是什么意见呢?
刘 :怎么说呢。好像和心态有些关系。但是心态又会受外在环境和因素的影响。比方说,在公司里挨了老板的批评,情绪会低落,得到表扬,情绪又会高涨。在家里也是一样的。
前田:张工是什么见解?
张 :谈不上见解,不管怎么说得到表扬心情会比较好。挨了呲儿马上就没情绪了。我基本上属于顺毛驴,喜欢听表扬(笑了)。
前田:你也不完全是这样嘛。积极性是重要的因素。现在我们都作一个换位思考。如果做没有目的和目标的工作积极性会怎么样呢?
张 :我是一点儿也提不起劲来。
前田:恐怕会这样。我也一样。有一句名言。大家可能都知道。“夫志,气之帅也”,这是两千四百年前战国时代中国的儒家代表人物孟子的话。
张 :我好像在哪儿听到过。
前田:这句话的意思是说一个人的心志直接影响一个人的气节。用现代语言表达,英语是“Motivation”,也用“动机的形成”表达。
杨 :有这样的名言!先人说的真好。但是,虽然过了两千四百年,可以说人的本质好像没怎么变吗?
前田:是啊。人的本质不会太改变吧。这个“志”用英语表达就是“Vision”。 Vision也就是愿景,就是对将来的期望,要达到的目的和目标。我要是看不到希望,也鼓不起劲来。
张 :前田经理和我一样啊!
前田:在项目里也是一样。每个人不清楚自己的分工和期待,就鼓不起劲。你再怎么鼓动他,也不会持久。
张 :这是很清楚的,勉强去做和主动去做完全不一样。
前田:就是这么回事。有期望,看得到目的、目标、成果,就会生出干劲。不是靠外力,被动地,而是靠内力,主动地做事很重要。为此,组长对每一个成员认真地分配工作很重要。
张 :积极性里也是很有学问的呀。我明白了。
第4章 成果の納入と終結の場面
第4章 交付成品和结束项目的场景
4-1 プロジェクトの成果を納入する
4-1-① テスト結果について話し合う:
(会話の前提)
全ての開発工程も最終段階のテスト工程に入ります。新商品として市場に出荷する前に商品の機能、性能が仕様書通りになっているかの確認が重要です。商品の出荷に至るには信頼性、安全性、操作性など多くのテスト項目を経てなされます。前田さんは筐体構造、駆動系などのハードウエア開発、電気系統、制御系統の開発、ソフトウエアの開発それぞれのテストを終えた結果をもとにコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:みなさん、試作機段階のテスト作業も無事終了しました。テスト担当チームの報告では、小さな問題はあったようですが、特に大きな問題はないと聞いています。大変お疲れ様でした。
楊 :開発直前に仕様の変更要求もありましたが、無事要求仕様通りに開発活動も終了することができました。メンバーの努力の成果だと思います。
前田:そのようですね。いずれも皆さんの努力の結果ですね。
張 :私の担当したソフトウエア開発ですが、少し問題が発見されました。ソフトウエア単体のテストでは問題が発見されなかったのですが、駆動制御回路に制御ソフトウエアを実装した段階でいくつかの問題がありました。
前田:なんらかの問題はどのような場合でも発生しますが、今回の問題は要求仕様書との整合性はとれていますか?
張 :制御ソフトウエアは要求仕様書に基づいて設計、開発していますので、整合性は問題の原因ではないと判断しています。
前田:すると、どのようなことが原因と判断していますか?
張 :単純なプログラムミスと判断しています。いわゆるバグというかプログラミングでの論理的矛盾に気が付かなかったといことだと思います。
前田:深刻な問題ではないということですね。わかりました。現在試作機段階のテストですが、次のステップの量産試作機のテストまでにプログラムの改善を完了するようにお願いします。
張 :大丈夫です。完了します。
前田:劉さんの担当分野では問題はなかったようですが、いかがでしたか?
劉 :電気系統、電子回路系統も問題なくテストを終了しました。
前田:先ほどのソフトウエア開発のところで若干の問題があり、張さんのところで改善の予定ですが、改善ソフトを実装した段階で再度テストを行う必要がありますか?
劉 :電子回路上では問題ないと思いますが、改めて結合テストを行う予定です。
楊 :私の担当する駆動系との関係で、ソフトウエア実装に合わせて動作確認をするために再度結合テストで確認します。
張 :皆さん、申し訳ありません。ソフトウエア不良のためにご迷惑をおかけします。
楊 :張さん、そんなに恐縮にしないでください。こうしたことはプロジェクトではよくあることですから、お互い様ですよ。
前田:試作機のテスト段階で問題を発見したわけですから良かったと思います。そのためのテストですからね。
張 :やさしいお言葉ありがとうございます。再テストまでにしっかりと改善して参加します。
前田:張さんから開発メンバーにも状況を伝え激励をしてください。よろしくお願いします。
4-1-② 発見した問題点について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトも開発フェーズが終了しました。試作機テストの段階で、小さな問題点は幾つかありましたがその後の対応ですべて問題は解消しました。社内の品質保証部門による最終的な検査を終了すると開発プロジェクトはほぼ最終段階に入ります。この後は製造担当部門による量産体制に入り開発プロジェクトは終結します。ところが品質保証部門からの指摘事項が幾つかあるとの報告を受けました。前田さんは早速コアメンバーを集め問題点について対応を話し合うことにしました。
前田:みなさんお忙しいところ緊急にお集まりいただいた理由は、品質保証部からの報告で、若干、問題の指摘を受けました。
張 :極めて重大な問題ですか?
前田:そうですね。放置しておくと重大な品質問題に発展する可能性があるということですね。実は、ストレステストの結果、機械の電源回路に過電流が流れコンデンサーや抵抗器が破損し、焼損の恐れがあるとのことです。そういう意味では製品安全の問題と言えます。
楊 :試作機のテスト段階では発見できなかったことですか?
劉 :過電流が流れる原因は分かったのでしょうか?
前田:原因までは掴めていません。過電流が流れるにはいくつかの要因があると思います。電源トランスそのものの問題、使用電力が集中し、過剰な電流が流れている可能性、駆動系の無理な力、摩擦などが過電流を引き起こしているなどが考えられます。
楊 :分かりました。早速品質結果に基づいて現状の調査、確認に入りたいと思います。
劉 :楊さん私も調査作業を進めます。
前田:ああ、そうしていただけますか?緊急に対応する必要がありますのでみなさん力を合わせて取り組んでください。
張 :私も何かお役にたちたいのですが、前田さんいかがでしょうか?
前田:そうですね。楊さんと、劉さんの調査した結果データの分析をお願いします。多面的なものの見方で問題を発見できるかもしれませんね。
張 :分かりました、ソフトウエア開発の方は完了し何人かの要員も手配できますので、さっそくチーム編成して対応します。
前田:それと張さんには過去のプロジェクトの結果データから参考になる資料を収集してください。
張 :お任せください。
前田:それと、楊さん、劉さんは品質保証のテスト担当者からの情報を確認し、テスト条件などもよく調べておいてください。どのような条件で問題が発生したか明確にしておく必要があります。
楊 :承知しました。テスト条件と問題の再現性について確認します。
前田:そうですね。問題の再現性が確認できると要因は絞り込みやすくなりますからね。では、私はこれから主要なステークホルダーに状況と今後の対応について報告をしておきます。
楊 :結果状況は、逐次報告いたします。
前田:そうですね。皆さんの健闘に期待しています。では、さっそくはじめましょうか。
4-1-③ 問題点の対応と対策について話し合う:
(会話の前提)
量産製造に入る前のテスト段階(量産試作テスト)で問題が発生しましたが、プロジェクトの総力を挙げた問題の要因分析に取り組んだ結果、問題の原因を突き止めることができました。それぞれの原因に対する対応と対策を検討する必要があります。前田さんはコアメンバーと問題点の対応と対策案について話し合うことにしました。
前田:皆さんのおかげで早期に問題の原因を突き止めることができました。本当におつかれさまでした。
楊 :問題現象として指摘のありました電源トランス部分か発煙したという事故に対し、関係の深いと思われる電気部品、電子回路部品、電子回路駆動部品、電源トランスなどをすべてチェックしました。
劉 :調査の結果、駆動系のモーターに過電流が流れ、そのために駆動系の電源回路のコンデンサーが定格電流容量を超過で損傷したのです。さらに電源回路が破損したために、電子回路部品も焼損したというが原因です。
前田:すると、駆動系モーターに過電流が流れたのが原因というわけですか?
楊 :いえ、原因は駆動系に必要以上の負荷がかかったことが原因です。
前田:すると駆動系の構造上にも問題があるということですか
楊 :そうですね。真の原因は、筐体の強度にありました。
前田:それは、筐体の軽量化で強度が不足したということに関係しますか?
楊 :全く関係ないことはありませんが、筐体を軽量化した際の設計にあると思います。
前田:すると今後の商品化計画に大きな影響があると考えていいですか?
楊 :いや、真の原因が明確になりましたから、効果的な対策も打てるので早期に問題は解消できると考えています。
前田:そうですか。それはよかった。ベテランの楊さんの自信あるお言葉ですからPMとしても安心しました。
張 :参考までにお聞きしたいのですが、そもそもの原因は筐体の軽量化で駆動系の機構を支える構造上に問題が発生したということですね。つまり荷重に耐えきれなかったということですか?
楊 :単純ではないのですが、駆動部品の荷重と振動が繰り返し、連続的な力となったために部品を支えるプレートが歪み、駆動回転に無理が掛かり駆動モーターに異常電流が流れ、電気部品を焼損したということですね。
張 :なるほどそういうことが真の原因だったのですね。
前田:ところで対策は比較的容易と聞きましたが、楊さんの対策案をお聞かせください。
楊 :そうですね。もっとも重要なポイントは振動と荷重に対応できるような駆動系部品を取り付けるプレートに制振部品を採用することと、プレートの形状に工夫を凝らし、荷重的にも耐えられる形状にします。
前田:その対策に必要な組立工数の負担はどの程度になりますか?
楊 :量産時の組立ラインに改良部品と入れ替えることで組立工数は当初工数の範囲内で可能です。
前田:すると改善部品の材料費、加工費の追加で対応可能ということですね。
楊 :そうですね。プロジェクト予備費の範囲内で問題はないと思います。
前田:皆さん、いろいろとご苦労様でした。これでプロジェクトも終結に向けて一歩前進ですね。お疲れ様でした。
4-1-④ 検収受入準備の要点について話し合う:
(会話の前提)
検収は一般的には外部から受注したプロジェクト成果物(ハードウエアやソフトウエア等を含む)を発注者に納入する場合に行う検査確認作業です。検収項目は、プロジェクト計画フェーズ合意した要求仕様項目が実現できているかの確認が基本です。前田さんは、プロジェクト成果物の検収承認を手際よく進めるために、コアメンバーと対応について話し合うことにしました。
前田:プロジェクトも終盤を迎え、各開発チームでも検収に備えて準備を進めていると思いますが、懸念事項あるいは問題点がありましたら報告してください。
楊 :最終的な品質テストでも指摘されていました問題点についても対策が完了し問題点はすべて解消しています。
劉 :総合的な機能テストでも問題なく機能しているとテストチームから報告を受けています。
張 :機能テスト、性能テスト、操作テストの結果が順調ということで、組み込んだソフトウエアやアプリケーションソフトも問題ないと判断しています。
前田:そうですか、すべて順調に進んでいると判断していいですね。商品企画部の検収はスケジュール通り行われると聞いています。
楊 :あえて付け加えると、検収が順調に行くように考慮しておくことも必要かもしれません。
張 :それは、なぜですか? テスト結果も問題なく特に考慮する必要がないのでは思いますが?
楊 :そうですね。一般的には問題ないと言えますが、念のためというか、より円滑に検収を進めるには、そのための準備を進めておくといいですね。
張 :楊さんの考慮が必要なところとはどのようなことですか?
楊 :商品企画部で検収を担当する人も様々な経験をしている人ばかりですが、今回の新商品のように、採用した新しい技術やシステムを評価するには、専門的な知識も必要になります。検収仕様書に記載された内容を検証するために補完する資料もあったほうが円滑に進むと考えています。
張 :なるほど、そういう意味での準備をしておくと万全ですね。私たちは検収が承認されないとプロジェクトの活動成果がみとめられないということですかね。
劉 :そういうことですね。検収を円滑に進めることは発注者の責任というのではなく、受注した私たちの責任でもあるわけですね。
前田:皆さんのプロジェクト成果物の検収に臨む積極的なものの見方、態度に私も感謝します。是非、この考え方を基本にして検収準備を進めたいと思います。
張 :検収への取り組みについてよく理解できました。楊さん、貴重なご意見ありがとうございました。
楊 :いえ、どういたしまして!
前田:今回のプロジェクトが順調に進んでいるのも、皆さんの前向きな考え方と、コアメンバーでなんでも話し合えるベターコミュニケーションの結果と言えます。
楊 :お褒め頂きありがとうございます。プロジェクトを発注してくれたステークホルダーの皆さんへの感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。
張 :ますます勉強になります。良いプロジェクトに参画できたことを誇りに思います。
4-1 交付项目的成果
4-1-① 有关测试结果的讨论:
(讨论的背景)
所有的开发工序都已顺次进入到最终的测试工序。在把新商品投放到市场之前,确认商品的功能和性能是否和设计书的要求一致很重要。商品出货前,要经过信赖性、安全性、可操作性等多种项目的测试。针对框架构造和驱动系统中的硬件开发、电气系统、控制系统开发、软件开发中各个部分的测试结果,前田经理准备和核心成员交换意见。
前田:各位,样机阶段的测试作业已经顺利结束了。根据测试组的报告,虽然有一些小问题,但是没听说有很大的问题。大家辛苦了。
杨 :都临近制造了设计还在变,总算是按照设计的要求做出来了。都是大家努力的成果。
前田:确实是这种情况。不管怎么说,是大家努力的成果。
张 :我分工的软件开发,发现了一些小问题。在软件单元测试阶段没发现问题,到了和驱动控制电路一起做控制软件的联机测试阶段发现了几个问题。
前田:问题总是有的,出现的问题和设计书有不一致的地方吗?
张 :控制软件是根据设计规范书设计开发的,我们判断不是一致性的问题。
前田:那你们判断原因是什么呢?
张 :我们判断是单纯的程序错误。是程序中的错误或者是编程的逻辑不对,但是在单元测试阶段没发现。
前田:也就是说不是严重的问题,明白了。目前是样机阶段的测试,下一步就是批量生产样机的测试,到那时要把程序修改好。
张 :没问题。可以完成。
前田:刘工分工的部分好像没什么问题,怎么样啊?
刘 :电气系统和电子线路系统都没有问题,测试已经结束了。
前田:刚才说的软件开发中的一些问题,要在张工那里完善,对完善后的软件要不要再做一次联机测试呢?
刘 :虽然我觉得不是电子线路的问题,还是要重新做结合测试。
杨 :我分工的驱动系统关联部分,要装上软件做联机的动作确认,所以要再做一次结合测试。
张 :很对不住各位,因为软件不好,给大家添麻烦了。
杨 :张工,别太紧张。这样的事情在项目中常有,大家是彼此彼此。
前田:在样机阶段发现问题是好事,这就是测试的目的嘛。
张 :谢谢大家体谅。我们要为再次测试好好修改程序。
前田:张工要把情况告诉大家,还要鼓励大家。拜托了。
4-1-② 有关发现的问题点的讨论:
(讨论的背景)
项目的开发阶段已经结束了。在样机的测试阶段,有几个小问题,经过应对,均给以了解决。公司内部品质检验部门的最终检查一旦结束,开发项目就基本进入最终的阶段了。今后将转移到负责制造的部门,建立批量生产的体制,开发项目就告结束。
但是,前田经理接到汇报说品质保证部门有几个指摘事项。他马上召集核心成员来对应这些问题。
前田:大家都很忙,突然找大家来开会的原因是品质保证部有汇报,提出了若干的指摘。
张 :是特别重大的问题吗?
前田:怎么说呢,搁置下去有可能发展成重大的品质问题。情况是,疲劳测试的结果显示,机械电源电路的电流过载,电容和电阻有击穿、烧坏的危险。也可以说是制品安全的问题。
杨 :在样机测试阶段没能发现吗?
刘 :电流过载的原因查出来了吗?
前田:原因还不清楚。我想电流过载有几个原因。有电源变压器的问题、耗电集中引起电流过载的可能性、驱动系统的过驱动和摩擦引起的电流过载现象。
杨 :明白了。我想尽快根据品质报告对现状作一下调查和确认。
刘 :杨工,我也要做调查工作。
前田:那就请你们着手吧。因为需要紧急对应,希望大家通力合作。
张 :我也想出些力,前田经理可以给我一些工作吗?
前田:我想想。那就请你分析一下杨工和刘工调查结果的数据吧。多方面的看法也许会发现问题。
张 :知道了。软件开发已经结束了,有些人手可以使用,我马上成立一个小组。
前田:另外,还请张工根据以前的项目的数据记录,把可以参考的资料收集一下。
张 :您放心吧。
前田:还有,杨工和刘工要向测试人员了解情况,调查清楚测试条件。要弄清楚在什么条件下发生的问题。
杨 :知道了。我要确认测试条件和故障的重现。
前田:对。如果能够让故障重现,就可以缩小原因的范围。我要把状况和今后的对应向主要的利害相关方汇报。
杨 :我将随时汇报作业的结果。
前田:好。那就靠大家的努力了。我们赶紧分头开始吧。
4-1-③ 有关对问题点的应对和对策的讨论:
(讨论的背景)
在批量制造前的测试阶段(批量试生产测试)发生了问题,项目组集中力量给以分析后,弄清楚了问题的原因。对这些原因要研究如何对应,并给出对策。前田经理要和核心成员谈谈问题点的应对和对策方案。
前田:由于大家的努力,很快找到了问题的原因。都辛苦啦。
杨 :问题的现象是电源变压器冒烟的事故。我们把有紧密关联的电器部件、电子线路部件、电子线路驱动部件、电源变压器等都作了检查。
刘 :调查的结果是,驱动器马达电流过载,由于这个原因,驱动系统的电源电路电容的电流量超过了额定电流,电容烧坏了。又因为电源电路的故障,烧坏了电子线路的部件。
前田:也就是说原因是驱动马达的电流超载,对吗?
杨 :不是,原因是驱动系统负荷过大。
前田:能说是驱动系统结构上有问题吗?
杨 :怎么说呢。真正的原因是在框架的强度上。
前田:这和框架的轻量化造成强度不够有关系吗?
杨 :不是完全没关系。我想问题出在框架轻量化时的设计上。
前田:这对今后的商品化计划影响大吗?
杨 :不会吧。因为已经找到了根本的原因,正在采取对策,我认为可以尽早解决问题。
前田:那太好了。杨工经验丰富,你有信心,我作为项目经理也就放心了。
张 :我想问问,原因是由于框架的轻量化致使支撑驱动系统的结构出现了问题,也就是说承重力不够,是吗?
杨 :不是这样单纯的问题,在驱动部件的承重和连续震动下,造成支撑部件的基板偏移,使得驱动的旋转格外吃力,驱动马达有异常电流,结果烧坏了电器部件。
张 :原来如此,这才是真正的原因呀。
前田:刚才说对策比较容易,我想听听杨工的对策方案。
杨 :我是这样想的。最主要的一点是要在基板上使用控振部件,装配驱动系统部件的基板要能承重和控振,我们还要在基板的形状上下功夫,采用可以承重的形状。
前田:采取这个对策,装配工时的负担怎么样?
杨 :批量生产时的组装生产线要引进改良部件,可以把组装工时控制在当初的工时之内。
前田:也就是说可以通过追加改善部件的材料费和加工费给以对应。
杨 :是的。都在项目预备费用的范围之内,我想没有问题。
前田:好啦。大家都辛苦了。我们离项目的完成又进了一步。谢谢各位。
4-1-④ 有关验收准备工作的要点的讨论:
(讨论的背景)
验收一般指的是接到外边的项目做完后,向发包方交付成品时要做的检查确认作业(包括硬件和软件)。验收项目是为了确认计划阶段的各个设计项目是否实现了。前田经理为了成品的验收顺利通过,要和核心成员们交换意见。
前田:项目进入到收尾阶段,各个开发组都在着手作验收的准备了。有没有不放心的事儿,或者是问题点,请汇报一下。
杨 :对最终测试阶段指摘的问题也采取了对策,所有的问题都处理完了。
刘 :总体机能测试也没有问题,已经拿到了测试组的报告。
张 :机能测试、性能测试、操作测试的结果都很顺利,嵌入软件和应用软件也没有问题。
前田:是吗?可以说一切进展得都很顺利,真不错。商品规划部的验收要按照日程进行。
杨 :可以多说几句吗?为了验收更顺利起见,可能还有一些要考虑的事情。
张 :为什么呢?我觉着测试结果也没有什么问题,没有什么特别要考虑的呀。
杨 :是这样的。一般来说没什么问题,但是为了保险,或者说是为了验收更顺利,能作些准备就好了。
张 :杨工考虑的必要的地方是什么样的事儿呢?
杨 :商品规划部作验收的都是些很有经验的人,但是像这次的新商品,要评价采用的新技术,对系统作评价,需要专门的技术。为了验证设计书里记载的内容,如果有一些补充的资料,对验收会有帮助。
张 :原来如此,要是为了这个,作些准备就更周全了。要是验收得不到认可,咱们的项目成果不就白搭了吗!
刘 :是这么回事。让验收顺利通过不是发包方的责任,是咱们承包人的责任嘛。
前田:大家积极面对项目成品的验收,我非常感谢。务必要基于这样的考虑作验收准备。
张 :对如何看待验收有了深刻的理解。多谢杨工的宝贵意见。
杨 :别客气。
前田:这个项目能够顺利进行,可以说是核心成员有什么事情都能互相沟通,积极思考的结果。
杨 :谢谢您的表扬。我们不能忘了感谢给我们项目做的利害相关各方。
张 :收益匪浅,能参加这么好的项目我很自豪。
4-2 プロジェクトの終結準備
4-2-① プロジェクト終結にともなう手続きについて話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトの最終フェーズである終結フェーズはプロジェクトマネジャーやリーダーなどプロジェクトを運営してきた人達にとって、立上げ、計画、実行のフェーズとは違った役割を果たすことを要求されます。終結フェーズには細々と処理すべき項目も多くあります。前田さんは、円滑なプロジェクトの終結を行うためにコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:いよいよプロジェクトの終結フェーズに入りますが、終結フェーズでは今までの活動成果を納入するだけではなく、多くの事務処理手続きが課題です。
張 :私も今まで、ソフトウエア開発担当者の立場で、終結にともなう手続きはリーダーにお任せだったので詳しいことはよくわかりません。
前田:そうですね。張さんは今回PLを担当するのは初めてなので多少の事前準備が必要ですね。
張 :分かりました。是非、ご指導ください。
楊 :張さん、わが社には様々なプロジェクトマネジメントに関する仕組みと資料が準備されているのでそれを参考にするといいですね。
張 :そうでした。わが社にはプロジェクト・マネジメント・メソドロジー(PM方法論)がありますね。
楊 :わが社の方法論には今までプロジェクトに携わってきた先輩達のノウハウが蓄積されています。
張 :PM方法論の存在は知っていますが、よく読んでいないので詳しい内容は知りません。
前田:プロジェクト終結時の要点を簡単に説明にします。要点は5つあります。①プロジェクト成果を発注者に受け入れられるように準備する。②プロジェクト活動に付帯する事務処理をする。③プロジェクト組織の終結に関する人事的な処理をする。④プロジェクトの最終的な評価の準備をする。⑤プロジェクトでの教訓を整理し展開できるようにする。などです。
張 :主な項目だけで5項目ですか、しかも様々な内容ですね。
前田:そうですよ。確かに多様なことに対処し、文書化してまとめる必要があるので労力はかかりますね。
張 :労力はやむを得ないと思いますが、対応、処理項目を見落とさないようにすることが大事ですね。
前田:そのためにPM方法論の中には、終結時にともなう対応、処理項目がチェックリストとして準備されています。そのリストに従って進めるのが見落としをなくする要点ですね。
劉 :私もそのチェックリストを今でも活用していますよ。
楊 :それが一番いいほうでしょう。人間の記憶にたよるより、ドキュメント化されたチェックリストの方が確実ですね。
前田:プロジェクト終結の中で特に残しておきたいのは、プロジェクトの各フェーズを推進する中で得た教訓です。失敗したことや成功したことの経験がノウハウとなって次のプロジェクトに役立つのです。
張 :それはご尤もなことですが、教訓になるようなことを整理しておくのも手間がかかりませんか?
前田:面倒でも手間がかかっても、やるべきことなのです。教訓となることは最終フェーズになってから収録に取り組むのではなく、それまでのフェーズでも収録に取り組むことが重要です。
張 :プロジェクト計画の中に教訓の文書化(ドキュメンテーション)計画が必要ですね。
前田:そのとおりです。プロジェクトで失敗したこと、うまくいったことを後進に伝えてこそ先輩としての値打ちがあります。
4-2-② 完成図書の準備について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクト活動の成果物には、建築、土木、橋梁など構造物、ネットワーク通信、製造機器システムなどを制御するソフトウエアなど、広範な成果物があります。これらのあらゆる成果物が完成し、発注者に納入する場合には、そのプロジェクトに関連したデータ、資料を最終報告書として公式に文書化します。完成図書を準備には計画的な取り組みが必要なため、前田さんはコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:いよいよプロジェクトの成果物納入と合わせて、完成図書の準備にとりかかります。そのために各開発担当チームのリーダーの皆さんと情報を共有しておきたいと思います。
張 :いよいよプロジェクトも終盤ですね。もう少しでプロジェクトも完成します。
前田:もうひと頑張りですね。完成図書には重要な文書も多く抜け漏れのないようにしたいと思います。
張 :そうですね。私も以前のプロジェクトで、大慌てで間に合わせたことがあります。
前田:それは大変でしたね。慌てた文書には抜け漏れが多くなり、あとで問題が起きることが多いようです。
張 :そうでした。全くその通りです。納入先から重要なことを記載漏れしているとか、データの整合性がとれていないとか、いろいろと叱られましたよ。
楊 :わたしも同じような経験がありますね。
劉 :実は私も同じような経験がありますよ。それから気をつけて終盤で大慌てしないように準備を整えて取り組んでいます。
前田:皆さん、それぞれに苦労された経験があるのですね。そうすると今日の打ち合わせの意義も十分にご理解しておられると思います。
張 :はい、それはよく理解しています。
前田:完成図書は書式と項目が整えれば良いとうことではありません。ドキュメント品質という点も考慮されていることが重要です。
張 :ドキュメント品質といいますと、どのようなことですか?
前田:ドキュメントとは、正式な文書、あるいは証明する文書という意味があります。加えて読みやすい文書、分かりやすい文書、誤謬のない文書、きれいな文書ということもドキュメントの品質に含まれるでしょう。
張 :文書作成もいろいろな要素を考えないといけないのですね。
前田:そうですね。同じような内容を文書化するにしても、内容はもちろんのこと、文書構成を考えることも重要です。
張 :文書構成といいますと、文書の目次のことですか?
前田:そうですね。プロジェクト憲章、プロジェクト契約書、プロジェクト計画書、承認合意済みの要求仕様書、要件定義書、基本設計書、詳細設計書、それぞれの設計図、設計資料、WBS,などなどたくさんありますが、それぞれの関係性を意識した章立てにするということですね。
張 :うーっつ!それは大変ですね。今まで自分の作業範囲のみで考えていましたが、これは大変ですね!
前田:張さん、大丈夫ですよ。まだ時間もあります。それと弊社にはプロジェクト完成図書についてもプロジェクト方法論の中でまとめ文書があります。それを参考にして構成をしてください。
張 :わかりました。それを早速参考にして取り組みます。
前田:楊さん、劉さんは経験もあり、釈迦に説法かと思いますが、完成図書の文書規定とチェックリストを参考に抜け漏れの内容にお願いします。
4-2-③ 協力会社との業務契約終了について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトが終結フェーズに入ると、当然のことながら開発、制作などの実行フェーズ活動は終了し、実行フェーズで外部の協力会社などに委託した開発作業も終了しているはずです。外部に委託した部分は、納入、受け入れテスト、検収が終了し、課題、懸念事項も解消した段階で業務契約も終了の手続きに取り組みます。前田さんは、コアメンバーと現状を把握するために話し合うことにしました。
前田:いよいよプロジェクトも終盤になってきました。メンバーの皆さんや外部の協力会社のご努力でプロジェクトも順調に進捗してきました。確認ですが終結にむけて各協力会社に委託した業務での懸念事項や残されている課題はありますか?
楊 :プリンター筐体、構造開発では特に残されている課題はありません。途中での設計変更でも、協力会社メンバーのチームには大変頑張っていただき感謝しています。
劉 :私の電気・電子回路開発チームも開発工程上の問題は特にありません。強いて言えば、量産フェーズで必要な電子回路部品の調達契約がまだ整っておりませんが、調達部の担当者からは少し遅れているが調達に影響はないと聞いています。
前田:契約締結の遅れの理由はどのようなことですか?
劉 :契約書の文面を見直したために少し遅れたそうですが、来週中には正式に締結できるそうです。
前田:そうですか。それだと大丈夫でしょう。各協力会社を選定された皆さんの選択も良かったのでしょう。もちろん皆さんのマネジメントも素晴らしかったということです。
楊 :お褒めいただき有難うございます。
前田:張さんのところは何か問題や懸念事項については如何ですか?
張 :ソフトウエア開発チームも特に問題はありません。協力会社チームで開発したソフトウエアの受入検査も問題なく完了しています。後は、完成図書に添付する文書、データ資料の作成に取り掛かってもらっています。
前田:わかりました。いずれの開発チームも問題はなさそうですね。付帯のドキュメント作成作業が完了すると各協力会社との業務契約も終了となります。業務契約終了にむけての準備を進めてください。
劉 :わかりました。部品調達契約の方も来週には締結すると思いますので開発業務契約を終了させる準備をします。
前田:契約終了と並行して、各協力会社への支払い状況の確認と支払いの手続きもお願いします。
劉 :わかりました。経理部門、契約部門と連携して進めます。
前田:ご協力いただいた協力会社との信頼関係を維持するためにきちんとした商取引が重要なのです。
張 :私もその点を留意して遅滞の無いように進めます。
前田:私もPMとして、皆さんから起案された手続きは、速やかに処理をいたしますのでよろしくお願いします。
4-2-④ 残された課題への対応について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトも終結に近づいてきました。プロジェクトの活動期間にもよりますが、プロジェクトに参加するメンバーの母体組織への復帰の手続きや、業績評価の手続き、褒章の手続きなど、人事組織上の残された課題があります。前田さんは円滑なプロジェクト終結と参加メンバーのモチベーションも考慮した終結にむけてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:プロジェクト終結に向けた取り組みお疲れ様です。前回は協力会社との関係を中心に状況確認の話し合いをしました。今回は社内組織、人事上の課題について相互確認したいと思います。
張 :人事上の課題とはプロジェクト期間中の業績評価ですか?
前田:もちろんそれもありますが、そのこと以外にも主要なことがあります。 幾つかあると思います。
張 :業績評価以外のことですか?
前田:例えば、本人が引き続き他のプロジェクトに再配置される場合や、元の母体組織に戻る場合などもありますし、今回のプロジェクトで新商品の販売支援組織に配置する場合もあります。また、今回のプロジェクトで残された課題への対応する組織に配置する場合もあります。
張 :そういえば、そういうこともありますね。
前田:いずれにしてもプロジェクトが解散し新たな仕事に就いていただくにはメンバーの方々へのモチベーションを考えて取り組む必要があります。
張 :きめ細かく考えていくと、いろいろとあるのですね。
前田:よく言われることなので、皆さんも十分ご存じのことだと思いますがプロジェクトの立ち上げ時の気分の高まりに比較して、終結時にはどうしてもテンションが下がります。
劉 :確かにそういうことはありますね。プロジェクト自体はまだ途中でも役割の終えたメンバーが次の仕事や、次のプロジェクトに移っていく場合もありますね。
前田:それ自体は仕事のためであり、やむを得ないのですが、フォローのためのコミュニケーションが不足していると残務のために残された人は、何となく取り残された気分になりモチベーションが下がるという事ですね。
張 :それは私も感じたことがありますね。開発したソフトウエアプログラムにバグが発見したことや、改善のための追加開発などが尾を引いて一部の開発者だけが後処理に残ったということがあります。
楊 :そうですね。私の若いときのことですが、プロジェクトの企画立案者で信頼していたキーマンであった人がプロジェクトの終結前に人事異動でプロジェクトから外れた時はモチベーションが下がりましたね。
張 :そのようなこともあったのですか?それはちょっとがっかりされたでしょうね。
前田:そういうこともありますね。チームワークも良く頑張って取り組んできたプロジェクトほど一体感の喪失感があるのですね。
楊 :前田PMが言われたように、フォローのためのコミュニケーションが重要ですね。
前田:人事に関する扱いは、メンバー個々の価値観によっても受け止め方が異なるものです。したがって決して十把一絡げ(大雑把に)で対応をしないことですね。個々のケースによっても対応を考えて行なうことが必要です。
張 :分かりました。よく考えて取り組みたいと思います。
前田:困ったことがあるようでしたら、私に話を持ちかけてください。いつでもご相談に応じます。
4-2 项目的收尾准备
4-2-① 有关项目结束所需手续的讨论:
(讨论的背景)
在项目最后阶段的收尾阶段,要求项目经理、项目组长等运营项目的人员做的工作跟启动、计划、实施阶段有所不同。在收尾阶段,有很多很细致的作业科目要作。为了项目顺利收尾前田经理要和核心成员讨论。
前田:项目就要进入收尾阶段了,收尾阶段不但是交付活动成果的工作,还有很多事务处理的程序。
张 :我以前做的都是软件开发的工作,收尾的手续都是项目组长做,我不太熟悉。
前田:是啊。张工还是第一次作项目组长,要有些事前的准备。
张 :知道了。请多指教。
杨 :张工,公司里有关于各种各样的项目管理的机制和资料,你可以参考参考。
张 :对了。咱们公司有项目管理方法论。
杨 :咱们公司的方法论收集了以前做项目的老同事们的智慧。
张 :我知道有方法论,但是没有仔细读过。
前田:我简单说一下项目收尾时的要点。一共有五点。①把项目成品交付给发包方的准备;②项目活动附带的事务处理;③项目组织的功能结束时的人事处理;④准备对项目作最终评价;⑤整理项目的经验教训。
张 :主要的虽然只有五项,可是内容却是五花八门。
前田:可不是么。要作各种处理。形成文档,要投入精力。
张 :投入精力还不说,重要的是不能遗漏了要对应和处理的项目。
前田:所以在方法论里,准备了收尾时要应对和处理的清单。按照清单整理就不会遗漏了。
刘 :我这次就要借助于这个清单。
杨 :这是最好的办法。借助清单比依赖记忆更可靠。
前田:特别希望在项目收尾时留下项目各个阶段中得到的经验教训。失败的地方以及成功的地方的经验教训都是宝贵的财富,会对下一个项目有帮助。
张 :道理是这样,但是整理起来是很花时间的。
前田:甭管是费事还是花时间,这是应该做的事。需要记取的是不能等到收尾阶段才开始收录,要在每个阶段中收录整理。
张 :在项目计划里也应该有经验教训的文档化计划。
前田:你说的很好。把项目里失败的地方,做得好的地方传承下去,这是老同事的价值。
4-2-② 有关准备最终图文资料的讨论:
(讨论的背景)
在项目的成品里,有建筑、土木、桥梁等结构物;网络通信和制造机械系统的控制软件等,范围很广泛。把这些成品完成后交付给发包方时,要把和项目相关的数据、资料用最终报告的形式写成文档。准备最终图文资料需要做计划,前田经理要召集核心成员一起商量。
前田:就要到了配合成品的交付准备最终图文资料的阶段。为此我想和各组的领导沟通一下信息。
张 :项目终于就要收尾了。还有一点儿工作这个项目就完成了。
前田:还要再努一把力。最终图文资料里有很多重要的文书,不能有遗漏。
张 :在以前的项目里,我为了赶时间,曾经搞得很匆忙。
前田:那可太有问题了。一匆忙就会有遗漏的文书,带来很多遗留问题。
张 :就是您说的那样。对方一会儿提出遗漏了重要的记录,一会儿提出数据不吻合,没少挨批评。
杨 :我也有同样的经历。
刘 :其实我也有同样的经历。现在比较注意收尾不要忙乱,要作好准备。
前田:大家都有各自付出的代价。对今天的讨论的意义我想都很清楚了。
张 :是的,我完全理解了。
前田:把最终文档的格式和项目整理好还不够。要考虑到文档的品质也是很重要的。
张 :文档的品质指的是哪些方面呢?
前田:文档的意思是正式的文书,或者说是作证明的文书。品质里包含有易读、易懂、无误、规整的要求。
张 :写文书也要考虑很多要素。
前田:是的。把同样的内容作成文书,不仅是内容,文书的结构也很重要。
张 :文书的结构是指的文书的目录吗?
前田:是的。项目宪章、项目合同、项目计划书、经认可的需求规范书、需求条件定义书、基本设计书、详细设计书、相关的设计图纸、设计资料、WBS等等有很多,分章节的时候要考虑到它们之间的相关性。
张 :嗯!这还是很复杂的。我只考虑自己的作业范围了,还有这么多的事情那!
前田:张工,不要紧。时间来得及。而且我们公司针对项目最终图文资料在项目方法论里作了归纳。你可以一边参考一边写。
张 :知道了。我得早点看看。
前田:杨工和刘工都有经验了,我再罗嗦几句,你们要参照最终图文资料的文书规定和核对清单,不要有遗漏的内容。
4-2-③ 有关结束与合作公司的合同的讨论:
(讨论的背景)
项目进入到收尾阶段,当然执行阶段的开发和制造的作业都已经结束了,在执行阶段委托协作公司的开发作业也应该完成了。委托协作公司的工作,收货、验收测试、验收都完成了,遗留的课题、疑点都解决了,委托合同就要结束了。前田经理为了掌握这部分工作的状况,要和核心成员交换意见。
前田:项目终于到了可以收尾的阶段了。项目成员和协作公司都很努力,项目进展还是顺利的。我想了解一下,跟协作公司的委托业务还有没有遗留的事项?
杨 :打印机框架、结构开发没有什么残留课题。虽然中途有过设计变更,但是协作公司的团队非常努力,要好好感谢。
刘 :我这里的电器、电子线路开发组在开发的各个阶段也没有特别的问题。如果要强调的话,那就是批量生产阶段所需要的电子线路的零件采购合同还没有准备好,采购部的人动作慢一些,倒没听说有什么影响。
前田:采购合同为什么拖延了呢?
刘 :合同内容有些调整,听说下周可以正式签下来。
前田:是吗?那就好。大家选的协作公司都不错。当然大家的管理做得也很出色。
杨 :谢谢您的夸奖。
前田:张工有什么问题或者是疑难事项吗?
张 :软件开发组没什么问题。协作公司的团队开发的软件部分的验收测试也做完了。后面还在整理图文资料的附件、数据。
前田:明白了。看来哪个组都没有问题。附带的文档作好了就可以和各个协作公司结束合同了。请大家作好结束合同的准备吧。
刘 :明白了。下周就可以签订部件采购合同,我作一下结束开发业务合同的准备。
前田:结束合同的同时,也请确认一下给各个协作公司的支付情况和支付手续。
刘 :明白了。要和财务部门、合同部门一起做。
前田:为了维系和协作公司的信赖关系,认真执行合同很重要。
张 :我也要留心不要有什么慢待。
前田:我作为项目经理,也要尽快处理大家送来的项目合同相关的文件。
4-2-④ 有关处理剩余问题的讨论:
(讨论的背景)
项目已经接近尾声。参加项目的成员根据在项目里的需要,将陆续回到原有的部门,有关复归的手续、业绩考核的手续、表彰的手续以及人事组织上都还有一些遗留的课题。前田经理考虑到项目的圆满结束,考虑到参加成员的积极性,要和核心成员谈谈项目收尾的工作。
前田:收尾工作也是挺辛苦的。上次开会主要确认了跟协作公司的关系的情况。这次想和大家互相了解一下公司内部和人事上的课题。
张 :人事上的课题是指项目中的业绩考核吗?
前田:当然也有这方面的内容,还有其他几件主要的事情。
张 :是业绩考核之外的事情吗?
前田:比方说,有的人要分配到别的项目,有的人要回到原来的部门,有的人也许会加入这个新商品的销售体制。另外,有的人也有可能要接着对应这个项目的课题。
张 :确实有这些情况。
前田:不管哪种情况,项目解散了,对将要进入新的工作岗位的成员,要考虑到他们的积极性,给以安排。
张 :仔细考虑一下,有很多事情啊。
前田:大家也很清楚,通常项目开始的时候,总是士气高涨,结束时就没有紧张感了。
刘 :确实是这样。项目进行中,也会有完成了工作的成员要参加别的项目的情况。
前田:虽然这是为了工作,可是后续工作的交接如果不充分,留下的人就会有被轻视的感觉,积极性也会下降。
张 :我就有过这种体会。程序里有了错误,或者要作追加开发的时候,总得有一部分人需要留下来作善后处理。
杨 :是啊,我年轻的时候,有一个方案规划的关键成员,信誉很好,可是项目还没结束就把他调走了,他的积极性很受影响。
张 :还有这样的事?这是很令人失望的。
前田:还有一种情况。团队越有凝聚力,就越会有失落感。
杨 :前田经理说的很好,后续工作的沟通十分重要。
前田:在人事问题上,由于每个人的价值观不同,会有不同的反应。所以千万不能不分青红皂白,一概而论。需要个别对应。
张 :知道了。要认真考虑给以对待。
前田:有了为难的事,可以到我这里来,一起商量。
4-3 プロジェクト完了レビュー
4-3-① プロジェクト立ち上げ、計画フェーズのレビューについて話し合う:
(会話の前提)
新商品ネットワーク・カラーレーザー・プリンターの開発プロジェクト[OM42P]が計画通りに完了することになりました。このプロジェクトの立ち上げ時からPMとコアメンバー(PL:プロジェクトリーダー)という立場で取り組んできました。PMの前田さんはプロジェクト終結に当たり完了レビュー書を作成するためにコアメンバーと資料を参考にしながら要点であったことを話し合うことにしました。
前田:プロジェクト完成図書の重要な位置づけになる完了レビュー書を作成に取り組みたいと思います。今までのプロジェクト会議やその他の打ち合わせ議事録などの資料を参考に振り返りをしたいと思います。
楊 :そうですね。まず立ち上げ時のところですが、新商品としての画期的な小型軽量、高性能という要求仕様書には驚きましたね。
前田:そうですか、私は楊さんと初めてプロジェクトチームを組むことになりましたが、随分自信たっぷりで頼もしいPLだと安心したことを覚えていますよ。
楊 :いやいや、それは見かけ倒しだったですね(笑)実は本当は、上手くできるか心配していたのです。
前田:そんなことはないですね。ご謙遜でしょう。結果的に上手く目標を達成できたじゃないですか。
楊 :確かにそうなのですが、途中でさらに軽量化という変更要求がでましたが、新商品としては最初の仕様は少し甘かったのでしょうね。
前田:そうですね。要求仕様書に従うことで、技術的な可能性を追求するという積極性が不足していたかもしれませんね。
楊 :そこは完了レビュー書にはどのように表現するか難しいところですが、要求仕様書を吟味のところで話し合いが不足していたかもしれませんね。
劉 :私も同感のところがありますが、ちょっと観点の違った反省もあります。実行フェーズ直前で仕様の変更が出ましたが。当初、軽量化対策は筐体と構造を担当する楊さんの範囲と軽く考えていました。
前田:確かにそうかもしれませんね。実は私も筐体の材質や構造を見直すことでできるのではと考えていました。
張 :私はソフトウエアプログラムの開発担当なので全く気にもしていませんでした。
劉 :変更要求が出たことで、電気部品、電子部品、電気配線系統の設計を見直し、かなり軽量化に貢献できたのですが、先ほどの楊さんのおっしゃった、技術的な改善への取り組み意識が不足していと反省しています。
前田:皆さんのご意見は貴重です。今後のプロジェクトでの取り組み姿勢にも反映できることだと考えています。
張 :諸先輩の素直で実直な反省に、私は感動しました。プロジェクトのリーダーとしてのあるべき姿を教えられたような気がします。
楊 :おやおや、張さん、随分殊勝な心がけですね。後が怖いね!
張 :いや、そんな気持ちではありませんよ。私はプロジェクトの開発チームのリーダーとして、初めて任務に就いたのですが、正直に言って、皆さんに依存する気持ちが強かったのですよ。しかし、いい経験を積むことがプロジェクトだったと感謝しています。
前田:まとめとしては、良いチームワークのプロジェクトだったと言えますね。反省としては、技術者は受身で仕事に取り組むのではなく、可能性をアクティブに追求するという事ですね。特に立上げ、計画時のフェーズでその意欲を発揮することですね。
4-3-② プロジェクト実行フェーズのレビューについて話し合う:
(会話の前提)
前田さんは、プロジェクト完成図書におけるプロジェクト実行フェーズのレビュー書を作成するために、コアメンバーと話し合うことにしました。実行フェーズはプロジェクトの中で、もっとも多くの開発工数と開発者数、それに伴う開発コストの掛かるところです。計画段階と違って実務に入るために、さまざまな問題が発生するフェーズです。プロジェクトの成功のためにマネジメント上で大きな負荷の掛かるフェーズでもあります。
前田:今回は実行フェーズで皆さんがお気づきのところについてお話し下さい。 もちろん、今までのプロジェクト進捗報告会議などで取り上げた問題もあると思いますが、よろしくお願いします。
楊 :では、初めに私の方から実行フェーズでの特に問題と感じたことを取り上げたいと思います。試作機テストの段階で筐体の構造上の問題を引き起こしたことが最も大きな問題でした。
前田:確かにあの時は、終盤に近い段階でしたから大変でしたね。
楊 :皆さんにもご迷惑をおかけしました。特に劉さんチームが開発した電気部品の焼損事故になり、大問題を起こしてしまいました。
劉 :その問題が発生したことで、電気部品、電子回路、電気配線の全体を見直すことになりました。
楊 :あの時は、劉さんの開発チームでも電源トランスの焼損という事で問題の原因ではないかとの見方もあり、ご迷惑をおかけしました。
劉 :確かに根本的な大きな問題だったので、新商品のリリースに間に合うかと心配しました。しかし、その見直しチェックの段階で、電気回路上で数か所の脆弱なところの発見につながったのは幸いでした。
楊 :そう言っていただくと、却って恐縮しますよ。こちらの問題が原因ですから。
劉 :結果論ですが、事故の未然防止という点で良かったのではないでしょうか。それがなければ後々にクレーム事故になったかもしれませんね。
前田:確かに“災害転じて福となす”という言葉がありますが、楊さん敢えてお尋ねしたいのですが、問題の原因は何だったのでしょうか?
楊 :これは当時のプロジェクト報告会議でも詳しく報告しています。プリンター筐体と構造の材質を変更し、軽量化した結果、駆動系の連続した振動に駆動部品を支えるサポートプレートが異常振動したことが真の要因つまり原因です。
前田:確かにそのように分析調査報告を受けています。
楊 :ここで、さらに追加して述べておきたいことがあります。よろしいでしょうか?
前田:もちろんです。是非お聞かせください。
楊 :当時の事故報告では問題の原因はプリンター筐体・構造の軽量化による強度低下としていますが、もう少し深く原因を追究した結果についてお話します。
劉 :私も関心があります。是非、お聞かせください。
楊 :問題は材質の軽量化や構造の変更ではありません。それは前提条件でした。強度的には採用した材質の品質仕様でも把握していました。問題は材質変更や、構造変更した設計の検証確認のあり方にあります。 ストレステストのレベルより低い負荷でのシミュレーションで大丈夫と判断したことが本当の原因ではないかと考えています。
前田:詳しいお話をしていただき有難う。楊さんの原因追及の姿勢は本当に立派です。これは今後の教訓の事例としても取り上げます。とても参考になるお話でした。
4-3-③ プロジェクト変更管理のレビューについて話し合う:
(会話の前提)
今回のプロジェクトでは市場戦略上、新商品の競争力を高めるために必要とされた変更要求項目がありました。それ以外にも技術的な観点から設計変更が必要となり、プロジェクトの判断で変更要求手続きを行ったものもあります。変更要求はプロジェクトに大きな影響を与える場合もあり慎重な判断が重要です。前田さんは、プロジェクトの中で行われてきた変更管理のあり方そのものについてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:このプロジェクトでも幾つかの要求仕様の変更が発生しています。変更はやむを得ない理由により発生するものですが、計画の見直しをするため、スケジュールに大きな影響をあたえます。コアメンバーのみなさんもご苦労だったと思います。
楊 :確かに最初の大きな変更時の対応は大変でしたね。技術的な再検討はもちろんですが、スケジュールもすべて変更でしたから。
前田:そうでしたね。機器の軽量化という変更要求でしたから機器全体の見直しになりました。
劉 :電気部品も少しでも軽くしたいとすべての見直しをしました。
楊 :プロジェクトで仕様の変更があると、技術的な可能性の検討と実現性の確認、そして設計、と作業内容の追加と変更のWBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)が発生します。
劉 :WBSは単にそのWBSを追加するだけでなく、変更のために不要になるWBSや変更の結果、追加されるWBSもありますね。
楊 :そうですね。それらのWBSの追加変更情報を関係する開発メンバーに周知徹底しないと重複作業や抜け漏れによるミスが発生するので慎重に対応することが求められるのです。
前田:変更で問題を発生することなく遂行できたのは、皆さんの用意周到な仕事の進め方であったと言えますが、特に工夫されたところはありましたか?
楊 :そうですね。特に工夫という事はありませんが着実に、確実に抜け漏れの無いようにというところでしょうか。強いて言えば、“あたりまえのことをあたりまえにやる”というところでしょうか。
前田:その言葉は、簡単で短いですが、それを実践することは難しいことです。しかし、あたりまえにやることが求められるのですね。
劉 :確かにその通りだと思います。私も楊さんと連携しながら変更対応をしてきました。
張 :変更対応ではWBSだけを変更するわけにはいかず、作業工数の再見積り、作業の前後関係の段取り、優先順位付の見直し、納期との関係でスケジュールの再設定、開発に必要な要員の見直しと確保、コストの見直し等、計画工程のすべてにかかわってくるので、できるだけ途中の変更は認めてほしくないというのが実感です。
前田:張さんの言われることは他のコアメンバーの皆さんも同じだと思います。 PMの私もできるだけ、当初計画で遂行できることを願っていますが、プロジェクトの目的や目標との関係で已む得ない場合もあります。
楊 :それは、当然のことですね。プロジェクトをやり易くするのが、プロジェクトの本質的な目的ではありませんから。戦略上や、発注部門の意志が優先されると考えています。
前田:プロジェクトの途中での変更を安易に受け入れるべきではありませんが、必要なものはきちんと受入の対応をするということでしょう。
楊 :変更管理はその影響をよく見極めること、各変更作業はもちろんのこと関係者への情報伝達を明確にしておくことが大切と考えています。
4-3-④ プロジェクト終結フェーズのレビューについて話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトの終結フェーズでは、組織が活動の目的を成し遂げ、終息するときのマネジメントには多様な課題が残されています。実行フェーズ段階での残された開発課題の対応と処理、プロジェクト成果納入後の対応体制の準備と引継ぎ、外部の協力会社への契約終了の締結と費用の支払い処理、プロジェクトメンバーの処遇、教訓の整理と蓄積などがあります。前田さんは終結フェーズレビューのためにコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:今回の話し合いはプロジェクト完了報告書に盛り込むことが狙いですが終結フェーズでの課題に取り組み方についてレビューしたいと思います。
張 :外部の協力会社との業務委託契約の終了や費用の支払いは早急に対応できたので問題はなかったかと思っています。
前田:そうでしたね。他の開発チームも対応処理がすべて完了しています。協力会社との信頼関係を損なうことのないように基本的なことはできていると思います。
劉 :私の担当分野では電気部品の購入契約の課題がありましたが、これも先週、完了したと調達部から連絡を受けています。
前田:了解しました。すると対外的な課題はすべて片付きましたね。
劉 :そうですね。対外的な課題はすべて処理できました。後は社内的なことですが、今回のプロジェクトではすべての開発チームがよく頑張りました。この頑張りに報いたいと考えているのですが・・
前田:実は今日皆さんに相談したいことの一つに、いまの提案があります。
張 :私もそうなればメンバーも喜ぶのではと考えていたところです。
前田:みなさんの働きについては、商品企画部から大いに称賛をいただいているところです。
楊 :それは嬉しいですね。我々も苦労した甲斐があったというものです。
前田:社内的な手続きもありますが、プロジェクトのステアリングコミッティ(:プロジェクトを支援する半公式な組織。運営委員会ともいう)からも賛同・合意されると思います。
張 :それは素晴らしいですね。メンバーのモチベーションにも良い影響を与えることができます。
前田:それは、それとして果報を待つことにしましょう。ところで終結フェーズでは各フェーズで残された教訓についてもまとめることが重要な課題です。
楊 :私の担当した開発チームでも、いくつかの教訓があったと思います。失敗したことも教訓の一つですからきっちりと整理して残そうと思っています。
劉 :成功したことよりも、失敗したことの方が奥深いように思います。成功するにはそれなりの基本をしっかりやることで条件が良ければなんとかなる場合が多いようです。
前田:確かにそういうことがありますね。しかし、基本をきちんとやることで成功したというのも教訓の一つです。
張 :いずれにしても教訓を残すことは我々の仕事の一部ですね。私も頑張って役に立つような教訓を残す努力します。
4-3 项目完成情况的复查
4-3-① 有关对项目启动和计划阶段的复查的讨论:
(讨论的背景)
新商品网络彩色打印机的开发项目“OM42P”按计划完成了。从项目启动开始,由项目经理和核心成员(项目组长)来组织管理这个项目。为了编写项目收尾用的复查书,项目经理前田要和核心成员一边参考资料一边商量有哪些要点。
前田:现在我们要编写最后的复查书,复查书在项目完成图文资料里的位置很重要。要再看一遍以前的项目会议和有关会议的纪录。
杨 :是啊。从一开始,新商品的设计书就提出了划时代的小型化、轻量化、高性能的新商品的设计要求,令人振奋。
前田:是吗!我虽然是第一次和杨工一起做项目,但是我感到你很有自信,我当时就觉得很放心。
杨 :别说了,您太看得起我了。(笑了)我心里可是没什么底儿。
前田:你别谦虚了。最后不是做得很好嘛!
杨 :做是做出来了。中间还发生了轻量化的变更要求,对新商品最初的规范有点估计不充分。
前田:是啊。按照需求规范书做的时候,没准儿在技术上的追求还缺少积极性。
杨 :在“完成复查书”上不太好描述,也许当初在掂量“需求规范书”的时候讨论就不够充分。
刘 :我也有同感,用另一种观点看也有值得反省的地方。规范变更发生在实施阶段就要开始时,最初把轻量化的对策只局限在杨工负责的框架和结构的范围之内有些轻率。
前田:确实有些欠考虑。其实我也认为在框架的材质和构造上作些改进就行了。
张 :我分工软件程序的开发,什么也没感觉到。
刘 :在发生了变更要求时,虽然对电器部件、电子部件、电器配线系统的设计都作了改进,减轻了不少重量,我觉着刚才杨工所说的“在技术改善上下的功夫不够”是有道理的。
前田:大家的意见都很宝贵。今后再做项目时值得借鉴。
张 :各位前辈诚恳的态度真让人感动。让我看到了做一个项目的领导应有的姿态。
杨 :张工真不简单,虚心好学,后生可畏。
张 :您过奖了。我是第一次当组长,说实在的依赖性比较强。非常感谢这个项目让我积累了宝贵的经验。
前田:我总结一下吧,可以说这是一个团队精神发挥得不错的项目。值得记取的教训是,技术人员不能被动地做事,要主动地追求更好的可能性。特别是在项目启动和做计划的时候,要发挥这方面的创意。
4-3-② 有关对项目实施阶段的复查的讨论:
(讨论的背景)
前田经理为了编写项目完成图文资料里有关项目实施阶段的复查书,要和项目核心成员交换意见。在一个项目的实施阶段,开发工时和参与的人数都是最多的,是消耗成本的地方。这个阶段和计划阶段不同,进入到实务作业,会发生各种各样的问题。
要想把项目做好,这也是管理负担较重的阶段。
前田:这次请大家把在实施阶段感觉到的问题谈一谈,虽然有些在项目进度会上已经议过了。
杨 :那就让我先说说在实施阶段特别有感触的问题吧。样机测试阶段出现了框架结构上的问题,这是最大的问题。
前田:确实是,那时已接近样机开发后期,很麻烦。
杨 :给大家添发烦了。特别是刘工的作业组还烧了电器部件,引起了大问题。
刘 :正因为发生了问题,才对电器部件、电子线路、电器配线作了全面的改进。
杨 :那时,刘工的组里面,也以为问题的原因是由于电源变压器烧坏了,真是很对不起。
刘 :确实是根本性的大问题,我很担心会赶不上新商品发布。但是,在改进的检查过程中也发现了电器线路上的一些薄弱环节。是不幸之中的万幸。
杨 :你越这么说,我越觉着对不住了。原因还是在我们这里。
刘 :从结果上看做到了防患于未然。要不然说不定以后会发生损害赔偿的事故。
前田:有一句话叫“因祸得福”。杨工能说说问题的原因在哪里吗?
杨 :我在项目报告会议上也作过详细汇报。由于改变了打印机的框架和结构的材质,减轻了重量,导致支撑驱动部件的底板震动失常,这是真正的原因。
前田:我收到过分析调查报告。
杨 :我还想补充说明一下,可以吗?
前田:当然可以了,我正想听呢!
杨 :当时的事故报告说问题的原因是由于打印机框架和结构的轻量化引起的强度下降,我想说说深入查找原因得出的结论。
刘 :我也很想知道。请你说说。
杨 :问题并不是材质的轻量化,还有构造变更什么的。那只是前提条件。对所采用的材质的品质的强度我们是掌握的。 问题出在材质变更和结构变更后的设计检测。我考虑是做疲劳测试时没有进行最苛刻的模拟就作出判断才是真正的原因。
前田:非常感谢你的详细介绍。杨工锲而不舍的精神令人佩服。可以把这个教训作为典型事例。很有参考性。
4-3-③ 有关项目变更管理的复查的讨论:
(讨论的背景)
在这个项目里,为了在市场战略上提高新商品的竞争力,有一些必要的有变更要求的项目。另外也有从技术观点出发认为有必要的设计变更,还有出于项目的判断进行的变更手续。
变更要求有时会给项目带来较大的影响,要慎重判断。前田经理要和核心成员们谈谈在项目中应该怎么进行变更管理。
前田:在这个项目中也发生了几处变更。虽然变更有不得已而为之的理由,但是由于要调整计划,会给日程安排带来较大的影响。各位都很辛苦。
杨 :确实是这样,最初的大变更很费劲。不但在技术上要从新考虑,日程也都要跟着变。
前田:是啊。因为是对机器轻量化的变更要求,导致了对机器整体都要进行调整。
刘 :我们想尽可能减轻电子部件的份量,也作了全面的调整。
杨 :在项目中有了规范变更,要探讨技术上的可行性和实现方法,要追加设计和作业内容,WBS也要变更。
刘 :WBS的调整不仅仅是对那部分的WBS作追加,还有由于变更导致的不再需要的WBS,和由于变更要追加的WBS。
杨 :是啊。跟变更追加内容相关的成员如果不完全了解情况,就会出现重复作业或者是遗漏作业的错误,所以要求慎重对待。
前田:变更没有带来问题,说明大家的工作方法很周到细致,你们有没有专门下了一些功夫呢?
杨 :倒没有特别地做了些什么。可以说本着万无一失的态度吧。也可以是说“理所当然的事就要理所当然地做”。
前田:这句话是说到容易做到难。要求确实是这样的。
刘 :杨工说得很到位。我也配合杨工一起对应了变更。
张 :在变更对应中,不仅是WBS,还要重新估计工时,分出作业的先后、修改优先作业的顺序、根据交货期修改日程、调配必要的开发人员、调整成本等等,牵涉到所有的计划过程,说实在的最好不要认可中途的变更。
前田:我想张工的意见反映了大家的心情。项目经理的我也是希望尽可能地按计划推进。但是由于项目的目的和目标的关系,有时实在是没办法。
杨 :那是当然了。较轻松地完成项目,并不是项目本来的目的。要优先考虑战略上的和订货部门的意图。
前田:不能轻易接受项目中途的变更,但是必要的变更要认真地对待。
杨 :我认为作变更管理时要看清楚它的影响范围,不但要明确变更作业的范围,还要清楚地传达给所有有关的参与者是十分重要的。
4-3-④ 有关对项目收尾阶段的复查的讨论:
(讨论的背景)
在项目收尾阶段,组织达到了活动的目的,进入尾声时有很多管理上的遗留课题。如实施阶段遗留课题的应对处理、项目成果交付后的对应体制的准备和交接、跟协作公司要结束合同并结算费用、项目成员的安置、整理经验教训并积累起来等等,前田经理为了收尾阶段的管理,要和各位核心成员交换意见。
前田:这次的会议内容要写进项目完成报告里,我想和大家一起复查一下如何对待收尾阶段的课题。
张 :跟协作公司的业务委托合同以及最终的费用支付已经抓紧完成了。我想没什么问题了。
前田:是已经完了,其他的组也都处理完了。本着不要不利于和协作公司的信赖关系的方针,基本工作都完成了。
刘 :我分工的电器部件的采购合同的事,采购部上周告诉我已经办妥。
前田:知道了。对外的事情已经都料理妥当了。
刘 :是的。所有涉外的课题都处理完了,下面就是公司内部的事情了,在这个项目中所有的项目开发组都很努力。对此要想想如何表彰。。。
前田:我今天想和大家商量的其中一件事,就是刘工所说的提案。
张 :我也想如果有表彰,大家都会高兴。
前田:对大家的付出,已经得到了商品规划部的高度评价。
杨 :这是让人高兴的事。我们的辛苦得到了肯定。
前田:虽然公司内部有些手续,我想项目的运营委员会(stéering commìttee,半正规的项目的后援组织。)也会赞成的。
张 :那可太好了。会对大家的积极性有很大的鼓舞。
前田:我们先等等吧。另外在收尾阶段,要整理各个阶段的经验教训,这也是重要的课题。
杨 :我分工的开发组里也有几个经验教训。失败的事情也是教训之一,要好好整理保管。
刘 :我想与成功相比,失败的含义更深。为了做成功,认真打好基础,加上条件具备,多数情况都会成功。
前田:确实如你所说的。但是,认真地做好基本工作也是成功的一个经验。
张 :总之留下来经验教训是我们工作的一部分。我也会下力量争取为经验教训的积累作些贡献。
4-4 教訓を整理する
4-4-① 各フェーズで発生した問題について話し合う:
(会話の前提)
前田さんはプロジェクトの教訓を整理するために、各フェーズで発生した問題について情報を共有するためにコアメンバーと話し合うことにしました。
最初の立上げフェーズから、計画フェーズ、実行フェーズ、終結フェーズのなかで発生した問題の大小を問わず自由に話し合うことにしました。全体の整理ができた段階で教訓集として登録することにしています。
前田:今回の話し合いは、皆さんが教訓に残したいと思われた問題を出していただきたいと思います。
楊 :そうですね。私のところでは例の問題ですね。
張 :例の問題って、あの問題ですか?
楊 :そうやっぱりあの問題ですね。
劉 :なんですか!このやりとりは?
前田:私も知っているあの問題ですね。
張 :みなさん、ちょっと今日は変ですね。
楊 :では、まじめに話します。皆さんもご存じのストレステストで電源トランスの焼損事故ですね。軽量化という視点にとらわれて、信頼性、安全性をおろそかになったあの問題ですね。
劉 :確かにあれは反省することも多く、教訓にしたい内容ですね。
前田:他に取り上げたいことはどのようなことがありますか?
張 :ソフトウエア開発での失敗事例です。新商品のアプリケーション開発に外部の協力会社に開発業務委託しましたが、途中で作業遅れが発生したのです。
前田:そうでした。確かにありましたね。その時の対応事例ですね。
張 :そうです。当初派遣されてきた技術者のスキルが低いと判断し、協力会社の責任者に要員の再選抜をお願いしました。
前田:それでもあまり計画通りには進捗しなかったことでしたね。
張 :そうです。それでもあまり作業の遅れを取り戻せないので、強引に作業の進め方に関与してしまったことです。結果、協力会社の技術者のやる気を大きく削いでますます作業の進捗がすすまなくなりました。
前田:張さんは、その原因がどこにあると考えていたのですか?
張 :マネジメントの鉄則は、人のやる気即ちモチベーションを上げることですが、それとは反対の過干渉でやる気を低下させてしまったことですね。
前田:なるほど、それはマネジメントのありかたとして失敗の教訓ですね。その失敗の本質はどのように考えていますか?
張 :失敗の事実は明白ですが、なぜ失敗したかの本質を十分に分析できていない、つまり自分自身の反省すべきことがまだ不十分だと思っています。
前田:張さん、謙虚なのはいいのですが、あまり自虐的にならないほうが良いですね。ご自分では十分に気付いていると思いますが?
張 :そうですね。基本はやはり話を良く聴くというところでしょうか。相手の困っている内容を理解せずに強引に手を出し過ぎたという事ですね。
前田:そうですね。こうした人間関係の問題には、お互いにコミュニケーション力を身に付けるということではないでしょうか。
張 :わかりました。特にマンジメントする側の意識を変えることが教訓といえますね。その意味では重要な教訓ですね。
4-4-② 各フェーズで発生した問題への解決策について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクトで発生する問題は、どのフェーズを問わず発生します。戦略上の問題、技術上の問題、組織編制の問題、要員確保の問題、要員のスキルの問題、前田さんは、こうした問題を含め問題解決への取り組み方で教訓に反映できるものを整理するためにコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:今回のプロジェクトでも様々な問題がありました。特に後半のフェーズで発生した問題には深刻な内容のものもありました。問題は後半で発生 するほどリスクの影響度が大きくなる傾向があります。
楊 :確かにその傾向はありますね。
前田:もちろん前半の初期段階で発生した問題はリスクが小さいという事ではなく、プロジェクトの目的、目標を達成するうえで致命的なものもあります。
楊 :プロジェクトの後半で、スケジュール的にも余裕のない土壇場で発生した問題は、対応にも切迫感が募ります。これは私の実感です。
前田:こうした問題を解決してきたのですが、その問題解決のありかたで教訓になることがないか話し合いたいのです。
楊 :そうですね。問題が起きたことに拘るのではなく、その解決のあり方で教訓になることを話し合うことが狙いでしたね。
前田:そうです。そうです。自分が失敗したときは誰でも責任感で自らの行動を厳しく見つめすぎてしまいます。大事なことはなぜそうなったかについて後進の人の役に立たせることが大事なのです。
楊 :それほど自分自身には厳しくはないと思いますが、若干の拘りが残っていますね。それはさておき、教訓として見直してみたいと思います。
前田:是非そうしてください。劉さん、張さんも教訓としてどう残せばいいか忌憚なくご意見を述べてください。
楊 :あの問題をテストチームから報告を受けた時は、“そんなはずはない”と疑ってかかっていましたが、まずは事実の確認として、担当の開発技術者とテスト室に赴きました。
前田:事実を確認するは、問題解決の第一歩ですね。
張 :確か以前に現場・現実・現状という言葉を聞いたことがあります。
楊 :わたくしもその言葉がまず頭に浮かび、疑問を持ちながらも事実の確認に向かいました。
前田:そこが要点ですね。よくあるのは自分の責任でないことを証明するために問題よりも自分の正当化を確認する行動に入ることが多いのです。
張 :それはどのようなことですか?
前田:例えば、設計仕様の確認を先に行うなどに時間を費やし、問題より責任かの所在に気を奪われ、問題解決行動が遅れてしまうことです。
楊 :私もその気持ちは無かったわけではありませんが、少し理性的だったという事でしょうか。現場を見て、問題の要因は大体把握できました。直ちに技術者を集め、解決策案の検討に入りました。
前田:素早い行動でしたね。私も主要なステークホルダーには状況を報告し解決策に取り組んでいることを伝えました。
楊 :皆さんのご協力で、直ちに解決策が功を奏したのは不幸中の幸いでした。ここでの教訓は素早い行動もありましたが、開発関係者が事実を把握し情報を共有し、目的を明確にしたことだったと思います。そういう意味で日常的にもコミュニケーションが良いことが基本と言えます。
前田:コミュニケーションの重要性と、組織としての目的、目標を共有し、さらに価値観を理解しあえるということですね。もちろん、解決策案を創出できる専門家としての技術力は大前提です。
4-4-③ 各フェーズで発生した問題への対応で得た教訓について話し合う:
(会話の前提)
前回の話し合いの中に問題発生時の対応で、現場、現実、現状という言葉がありましたが、“三現主義”と言われています。プロジェクトに関わらず通常の業務においても同様の対応姿勢が重要です。今回の問題への対応のあり方で得た教訓をまとめるために前田さんはコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:前の話し合いでは、楊さんの経験した問題への対応が中心でしたが、今回は他の人の経験もお聞きしたいと思います。
張 :私が対応した問題ですが、新規技術を採用したアプリケーションソフトの開発で、自社には適切な人材がいないので、外部の協力会社に開発業務委託したことで発生した問題でした。
前田:ところが協力会社の技術者4人の内1人のスキルが要求レベルを満たしていないということでしたね。
張 :そうでした。それで協力会社の責任者に対応を依頼したのですが、結果スキル要求レベルに見合う技術者の調達はできませんでした。しかし、他の技術者は優れていたので、未熟な技術者の担当領域は、他の優秀な技術者で補完することにして開発に取り掛かりました。
劉 :それだと当初の開発計画を見直すことになったのでは?
張 :そうです。当初予定より少し低下し、開発日程も超過しました。
劉 :そうすると開発コストも増加したという事ですね。
張 :わずかですが、超過しました。しかし、協力会社は当初の要求スペックに未達成ということで、超過分の費用は当初契約した料金金額で処理をすることに合意していました。
劉 :コストの問題はそうであったとしても、開発品質の問題はなかったのですか?
張 :開発品質には十分チェックをしていましたので問題はありませんでした。 コストや品質で大きな問題にはなりませんでしたが、大きなリスクとしての要素を持っていたと判断しています。
前田:ところで張さんがこの問題を教訓として残したいところはどういうところですか?
張 :教訓として残しておきたいところは、外部の協力会社とのやりとりで文書ではなく、口頭でやりとりして進めてきたことにリスクの原因があったと思います。
前田:そうですか。それはあとで問題を引き起こしやすい行為ですね。
張 :いまから判断すると、開発技術者の調達に苦労していたので、文書化することをおろそかにして、調達に走ったところがありました。
前田:契約部門や、調達部門との連携にも問題がありましたね。今回はたまたま問題がなく上手くいきましたが、今後はきちんと定められた規則に基づいた手続きをとることですね。
張 :そうです。そういう意味で今後のプロジェクトの中でも起こしやすい問題だと思いますので、教訓になるのではと取り上げました。
前田:十分“教訓”に値する事例だと思います。是非、今回の教訓事項としてプロジェクト完了レビュー書に取り上げたいと思います。
4-4-④ 収録した教訓の展開方法について話し合う:
(会話の前提)
今回のプロジェクトで幾つかの教訓となる事例を残すことができました。
教訓はどのフェーズにもあることですが、日常のプロジェクト活動のなかでは問題解決に注力することで記録し活用することがおざなり(:いい加減なという意味)になっている場合が多くあります。プロジェクトが成功するにも失敗するにも多くの教訓が残ります。前田さんは、こうした教訓が今後のプロジェクトにどのようにすれば活用できるかコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:今回のプロジェクトでもいくつかの教訓を登録しました。登録にあたって皆さんのご協力に感謝します。
楊 :いえ、どういたしまして。それより内容を整理では前田さんから的確なアドバイスを頂き感謝しています。ありがとうございました。
前田:いえいえ、私の方こそどういたしまして。今日の話し合いは、この貴重な教訓をどのようにすれば役に立つか皆さんからアイデアを頂きたいと思ってお集まりいただきました。実際にプロジェクトに関わっているプロジェクトリーダーの方の意見は貴重です。
劉 :いままでもたくさんの教訓があったかと思うのですが、正直に申し上げますと、登録するだけで活かされていないと思います。
前田:張さんのご意見はいかがですか?
張 :私も劉さんと同じ意見です。以前に教訓登録集を見たのですが、肝心なところがはっきりしないので役に立たないと感じたことがあります。
楊 :そうですね。教訓を活用するという意識が希薄なように思いますね。
前田:なるほど、皆さんのご意見では、教訓が活用されていないことは、はっきりしましたね。では、そこでどうすれば良いか皆さんのアイデアをお聞きしたいのですが、いかでしょうか?
張 :えーっと、うーん、文句は言いましたがどうすれば良いですかねえ。
前田:ハハハ、ゆっくり考えてください。
劉 :教訓の展開は、やはりなにかそういう場が必要なのではないですか?
張 :プロジェクト完了レビュー会などで発表するのも良いのではないでしょうか?
劉 :しかし、レビュー会に参加するメンバーの数は限られていますね。参加しない限り知る機会がないというのでは現状と同じですし・・
楊 :教訓の内容をもっと多くのメンバーに知ってもらうには、一つの手段に限らず、各種の手段を繰り返すことで理解を深めます。
前田:そうですね。まずは完了レビュー会で発表するというのも一つですね。他にはどうでしょうか?
張 :やはり、社内イントラネットに収録し、プロジェクトメンバーあるいは関係者は閲覧できるようにする手もありますね。そして分かり難いところは質問メールできるとかも良いですね。
前田:それはいいね。ネットワークを活用しないとね。
楊 :もう一つは、技術者のプロジェクト方法論の教育のカリキュラムに取り組むということも効果的ではと思います。
劉 :教育と教訓を結びつけるということですね。それは良いですね。実際にロールプレイングなどで演習するのも良いかもしれませんね。
前田:とても魅力的なアイデアだと思います。教育部門にもインプットして実現できるように進めたいと思います。ご意見ありがとうございました。
4-4 整理经验教训
4-4-① 有关各阶段发生的问题的讨论:
(讨论的背景)
前田经理为了整理项目的经验教训,让大家共享每个阶段发生的问题的信息,要和核心成员交换意见。从项目启动的阶段起,在计划阶段、实施阶段、收尾阶段,不管发生的问题是大还是小,都进行了畅所欲言的讨论。把所有的问题都整理出来后要记录在经验教训集里。
前田:今天把大家请来,是要谈谈大家认为有哪些经验教训应该记录下来。
杨 :我这里还是已经谈过的老问题。
张 :老问题是那个问题吗?
杨 :就是那个问题。
刘 :你们这是说什么那!
前田:就是我也知道的那个问题吧。
张 :大家今天有点不对劲呀。
杨 :好了,说正经的吧。大家都知道疲劳试验出了事故。烧坏了电源变压器。只考虑到了轻量化,忽略了信赖性和安全性。这就是那个问题。
刘 :确实有很多需要反省的地方和需要吸取的教训。
前田:还有别的值得讨论的事吗?
张 :软件开发里也有失败的事例。新商品的应用开发委托给了外面的协作公司,中间发生了作业延迟。
前田:对啦。是有这么回事。那时的对应也是一个事例。
张 :是的。最开始派来的人水平较低,我们要求协作公司的负责人重新选派人员。
前田:结果还是不能按计划进行,对吧。
张 :是的。因为作业一拖再拖,我们就直接介入进去了。结果,影响了协作公司技术人员的积极性,进度更慢了。
前田:张工觉着原因在哪里呢?
张 :管理的一个重要原则是调动人的积极性,过度的干涉会使积极性下降。
前田:这是管理方法的教训,你认为没做好的本质在哪里呢?
张 :没做好是很明白的。为什么失败的根本原因还没有认真分析,也可以说自身的反省还不够。
前田:张工很虚心,但是也不要太自卑了。我觉着你做事还是很留心的。
张 :主要的还是要善于倾听。没有理解对方的难处,就插手处理有些过分了。
前田:是啊。人际关系的问题上,要提高互相沟通的能力。
张 :明白了。这里的教训是改变管理方的意识。这点是十分重要的。
4-4-② 有关各阶段发生问题的解决对策的讨论:
(讨论的背景)
在项目中,哪个阶段都有可能发生问题。有战略上的问题、技术上的问题、组织编制的问题、人员保证的问题、人员的技术问题,前田经理要把这些问题以及相应的解决方法作为经验教训给以整理,为此他要和核心成员们交换意见。
前田:这次的项目中也有各种问题。特别是在后半部分发生的问题还是很严重的,通常问题出现得越晚影响越大。
杨 :确实有这种倾向。
前田:并不是说前期发生的问题风险就小。也有给项目的目的、目标带来致命影响的时候。
杨 :项目后期,日程安排上已经没有余地了,时间本来就紧,再发生问题,对应的时候就很紧张。我是有切身感受的。
前田:这样的问题是已经解决了,我想和大家谈谈有没有可以记取的经验教训。
杨 :我想您的意思是着重谈问题的解决方法和总结经验教训,而不是追究问题的发生。
前田:对,对。自己出了错,就会感到责任,会过于自责。但是更重要的是弄清为什么会这样,给后人留下可以借鉴的地方,
杨 :虽然对自己也没有过于严格,不过多少还是有些自疚。先不说这些了,还是先作总结吧。
前田:我也这样想。刘工、张工有什么经验教训,也要敞开谈谈。
杨 :从测试组拿到那个问题的报告的时候,我还怀疑“这不太可能”,不过先要确认事实,就和分工这部分的开发技术人员跑到测试室去了。
前田:确认事实是解决问题的第一步。
张 :我也听到过现场、现实、现状的说法。
杨 :我脑袋里出现的也是这几个词,是一边抱着疑问一边去确认事实的。
前田:这是要点。常见的现象有不是先解决问题,而是为了证明自己没有责任,先采取行动把自己正当化。
张 :这指的是什么情况呢?
前田:比方说,先花时间去确认设计规范等,不去确认问题,把精力都放在追究责任上,耽误了解决问题的行动。
杨 :我倒不是没有这样的想法,但还多少有些理性吧。看了现场,基本了解了问题的原因。马上召集技术人员讨论解决方案。
前田:动作很迅速。我也向主要的利害相关方作了情况汇报,告诉他们我们已经在着手解决。
杨 :通过大家的协作,马上有了奏效的解决方案,是不幸中之大幸。这个事的处理经验除了行动要迅速外,有关开发人员要把握事实、共享信息、明确目的。从这个意义上说,日常的沟通良好是根本。
前田:这里有沟通的重要性和作为组织的目的、目标的共享,加上价值观的互相理解几个方面。当然,可以策划出解决方案的专家的技术力量是大前提。
4-4-③ 有关应对问题过程中获得的教训的讨论:
(讨论的背景)
上次讨论的时候,谈到发生问题时的对应,提到了现场、现实、现状几个表现。也叫做“三现主义”。不仅是关联到项目,处理常规业务也要有同样的姿态,这很重要。为了总结这次应对问题得到的教训,前田经理要和核心成员交换意见。
前田:上次的讨论中,主要的议题是杨工碰到问题时的应对,这次也想听听别人的经验。
张 :我碰到的问题是,要使用新技术作应用软件开发,我们公司没有合适的人才,委托协作公司开发时发生了问题。
前田:结果是协作公司的四个技术人员中有一个人没达到要求。
张 :是的。我要求协作公司的负责人给以解决,可是没有找到合适的技术人员。因为其他几个人很优秀,用余力给以支援,弥补了不太成熟的地方。
刘 :这样做调整了当初的开发计划吗?
张 :是的。比当初的预定慢,开发日程也超出了。
刘 :这么一来开发成本也增加了吧。
张 :一点点,还是超了。但是,因为是协作公司没达到当初的要求,我们达成了一致意见,超出的部分由当初的合同金额消化。
刘 :成本问题就这样解决了,开发品质没问题吗?
张 :检测还是充分的,开发品质没有问题。虽然成本和品质都没有造成大的问题,但是我们认为这是大的风险因素。
前田:张工在这个问题上得到的经验教训是什么呢?
张 :想吸取的教训是跟外面的公司打交道时,没有留下文档,都是口头约定,这是风险的原因。
前田:是吗?这是容易引起问题的行为。
张 :现在分析,是因为调配技术人员很费力,就疏忽了文档化作业,光忙着找人了。
前田:和合同部门、采购部门的配合也有问题呀。这次运气好没出现问题,今后要按照制定好的规则履行手续。
张 :是这样的。感觉到今后的项目中也容易出现类似的问题,所以把它作为经验教训提出来了。
前田:这是很值得吸取的“教训”。我们一定要收集到项目完了的复查书里。
4-4-④ 有关推广收集的教训的讨论:
(讨论的背景)
这个项目有几个经验教训作为事例收集起来了。每个阶段都有经验教训,在日常的项目活动中,总是把精力用于解决问题,收集经验教训得不到重视。项目不管成功还是失败,都会留下很多经验教训。前田经理要和核心成员谈谈这样的经验教训怎么样才能在以后的项目中发挥作用。
前田:这个项目里也收集了几个经验教训。谢谢大家对记录作业的协作。
杨 :别客气。还得谢谢前田经理的建议和忠告。谢谢您。
前田:哪里哪里,你也别客气。今天把大家请来,是想听听大家的意见,怎么样才能让这么重要的经验教训发挥作用。脚踏实地地在项目中作领导的各位的意见很珍贵。
刘 :以前也有过大量的经验教训,说实话,只是收集了起来,并没有发挥作用。
前田:张工的意见呢?
张 :我也同意刘工的意见。我看过以前的经验教训集,关键地方都含糊不清,觉着不管用。
杨 :是的。我觉得如何利用经验教训的意识比较薄弱。
前田:原来有这样的问题,根据大家的意见,可以明确地说,经验教训没有得到利用。我想听听大家的主意,怎么样才好呢?
张 :嗯,说了不满了,怎么样才好呢?
前田:哈哈,慢慢想。
刘 :推广经验教训,需要有必要的场所。
张 :在项目结束的复查会上作发言不好吗?
刘 :但是,与会者很有限。不参加就不知道,还是老样子。。。
杨 :想让更多的人了解经验教训的内容,有各种手段。不局限一种手段,反复使用各种手段也可以加深理解。
前田:是啊。首先在项目复查会上发言是一个,还有别的吗?
张 :还可以收录到社内局域网里,项目成员和有关人员可以阅览。不明白的地方可以用邮件提问。
前田:这是好办法。要发挥网络的作用。
杨 :还有一个,可以放到技术人员的项目方法论的教育课程里,我想会有效果。
刘 :把教育和经验教训结合起来,真不错。再作一些角色扮演的实际练习没准也不错。
前田:都是一些很有意思的想法。我想放到教育部门里给以实现。谢谢大家的意见。
4-5 プロジェクト成果のまとめ
4-5-① プロジェクトの目的と目標への達成度について話し合う:
(会話の前提)
新商品の開発プロジェクトも無事に完了しました。プロジェクトの目的であるネットワーク・カラーレーザー・プリンターは、量産体制に入り、市場導入を開始することになりました。前田さんはプロジェクト成果のレビューの場を通して、本源的なプロジェクトの意義をどう理解するか、コアメンバーのマネジメントスキルの高まりを期待して話し合うことにしました。
前田:今回のプロジェクトの目的は達成できたと判断しています。目的とした新製品の開発も無事に完了しました。
劉 :プロジェクトの目的を達成できたことは素晴らしいと思いますし、私達も開発に貢献できたのではと思っています。しかし、目標との関係ではどうだったのでしょうか?
前田:私が皆さんとお話ししたいところはそのことです。わが社ではこのプロジェクトで開発された新商品を、これからのグローバル事業戦略の中軸に位置づけしてと考えています。
張 :するとプロジェクトの目標という事ではどのような関係になりますか?
前田:今回のプロジェクトは新商品開発プロジェクトと位置付けていることは皆さんも十分にご理解していただいていますね。
張 :それは最初のプロジェクト立上げの時から理解しています。
前田:わが社がこのプロジェクトを立ち上げた背景から説明しますが、この新商品開発プロジェクトは、事業戦略の一つで、他の商品開発とも連動しています。
劉 :それは私も理解しています。私の同期の者は他の新商品開発プロジェクトに参加しています。
前田:わが社の事業戦略には、幾つかのプロジェクトを並行して進めていますが、新商品をグローバルな市場にどのように展開していくかというプロジェクトもあります。
楊 :それは、プロジェクトを統合的にマネジメントするプログラム会議で決定されていることですね。
前田:そうですね。プログラムマネジメントでは、事業戦略に必要な投資と選択を判断します。話が複雑になりましたが、今回の新商品開発プロジェクトに限定していえば目的と目標は達成されたといえます。
張 :前田さんのお考えでは、事業戦略上ではまだ成果目標はこれからだということをおっしゃりたいのですか?
前田:張さん、その通りです。まだこれからの状況を見て、この新商品が事業戦略上の成果があったかについて判断が必要という事です。
張 :確かにそれはそうですね。私たちとしては成功したと喜んでいたいのですが、まだ本当に成果が出ているわけではないのですね。
前田:決して皆さん方の努力した成果を軽視するという事ではないのです。真にプロジェクトの目的、目標の達成についても見据えた評価が必要だということですね。
楊 :前田さんが求められていることは。表層でものごとの判断をするのではなく、深層でものごとを評価するということでしょうか?
前田:そうですね。すこし生意気なことをいうようですが、これからのプロジェクトマネジメントをリードする指導者にとって、考え方の深さ、視野の広さということも重要なスキルと思います。
楊 :よく理解できました。小さな成功に安心せずに目標を高くもてという事にもつながりますね。
4-5-② QCDの計画と実績の評価について話し合う:
(会話の前提)
プロジェクト活動では、一つの指標だけでなく、幾つかの主要な目標を設定してマネジメントします。その中の大きな要素として、プロジェクト成果物の品質(Q:クオリティ)、プロジェクトを運営するための費用(C:コスト)開発の最終スケジュール日程としての納期(D:デリバリー)があります。前田さんは、プロジェクト完了レビューに際して、プロジェクトのQCD計画と実績との関係についてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:皆さんと一緒に取り組んできたプロジェクトを評価するに際して、幾つかの指標と比較して評価をしたいと思います。
楊 :大きな指標としてはQCDでの評価ですね。それぞれの内容について順番に進めましょうか?
前田:それでもいいですが、皆さんのお話がやり易い順番でも結構です。それと、プロジェクトを評価するには対象が二通りあります。それも含めてお話してください。
張 :評価対象が二つとはどのような意味ですか?
前田:プロジェクトの結果を評価することと、プロジェクトプロセスのあり方を評価する方法です。プロジェクトは当初計画した目標への到達度で評価することが一般的ですが、より正確な評価をするためにはプロジェクトプロセスも評価の対象にすることが大切です。
劉 :その方法だとプロジェクトの結果さえよければ良いという事ではなくプロジェクトの進め方の巧拙も評価するので、プロジェクトを全体的に評価することになりますね。
前田:その通りです。プロジェクトを進めてきた、施策効果の評価や、施策の進め方によっても、結果は大きく異なるはずです。ただ単に結果を求めて、“結果よければ全て良し”の評価は問題を過小評価にすることになりやすく、次への教訓として活用できないのです。
楊 :では、プロジェクトプロセスでの評価と結果的な評価に分けてQCDのQから順番におはなしします。まずQ:品質に対する私の評価ですが、開発が進み終盤のテストで構造上の問題が発生しました。やはり、設計時のシミュレーションに問題があったと判断しています。結果的には構造の強化で対処し、最終的な品質は達成できました。
前田:今の楊さんのお話では、結果的には問題がなかったが、設計時のシミュレーションには問題があったということですが、なぜ、問題があったのかもう少し深掘してお話いただけませんか?
楊 :そうですね。軽量化策で材質を変更し“ねじれ強度”も変化していたにも関わらず、シミュレーションの方式は以前の材質と同様に設定していたために、筐体部品のねじれ幅を測定できなかったのです。
前田:なるほど、そのために問題の予測ができず、ストレステストまで問題を把握できなかったという事ですね。
楊 :そういうことになりますね。この問題の原因は確かにシミュレーションの設定を変えなかったということが作業的には問題の原因と言えますが開発マネジメントとして、材質変更によるリスクマネジメントが真の原因ではないかと判断しています。
前田:なるほど、真の原因は材質変更というリスク要因に対して対応策を考慮していなかったことですね。つまりリスクマネジメント不足ということですね。
楊 :その通りだと思います。変更時の影響を幅広く考えなかった。つまり物の見方、視野の狭さを感じるものでした。
前田:しかし、その結果、貴重な教訓を得たのではないでしょうか。
4-5-③ ステークホルダーの評価と満足度について話し合う:
(会話の前提)
今回のプロジェクトも、終結フェーズにはいりプロジェクト完了図書の作成作業を進めています。その中にプロジェクトのステークホルダーの満足度について記載する事項があります。前田さんは、プロジェクトをリードしてきたコアメンバーとステークホルダーの評価と満足度について話し合うことにしました。
前田:今回の会議は、ステークホルダーの評価と満足度について話し合いたいと思います。話の進め方は特に決めていませんが、みなさんが話しやすい方法でいかがでしょうか?
劉 :特に複雑な話でもないのですが、ステークホルダーという言葉の範囲を限定しておいた方が良いのではないでしょうか?話し合う内容が分散しないと思います。
楊 :その意見に私も賛成です。今回のステークホルダーとはプロジェクトを起案した商品企画部の関係者、それに事業戦略としてプロジェクトの投資を決定したプログラム会議の関係者に限定すれば如何でしょうか?
前田:あと、重要なステークホルダーとして、新商品を販売する営業部門の関係者や海外への輸出を担当する部門の関係者の評価も入れたいですね。
張 :そうですね。他に入れたいのは、実際にお客様の現場で仕事するメンテナンス部門の関係者の評価も入れたいですね。
前田:それはいいですね。では、まずはこの範囲で始めましょうか。もちろん話の流れで追加項目もあるかもしれませんが。
劉 :プロジェクト会議で、今上げたステークホルダーのプロジェクトの成果に対する意見は集録されています。その中では特に悪い評価はなかったと記憶しています。
楊 :私もその議事録は目を通していますが、特に問題視している項目は無かったように思います。もっとも、ストレステストでの電源トランス焼損事故に対しては納期が遅れるのではと懸念したとありました。
劉 :商品企画部から出された要求仕様書はすべて対応できました。このプロジェクトに期待されていた、成果物の品質は満足していただけたと思っています。
前田:全体のコスト面での満足度ですが、若干のコストオーバーがあったので少し評価のポイントは下がっていますが、プロジェクトのコストマネジメントの範囲内で終結したので問題はないといえます。
張 :コストオーバーを招いたのは私の担当分野で作業の進捗が低下したことによるものです。
前田:ソフトウエア開発だけでなく、筐体、構造開発、電気回路、電子回路設計の作業も若干の遅れは生じましたが、スケジュール的には、作業計画の見直しと組み直しで、最小限の遅れで済ませることができました。
楊 :どのチームもチームワークで乗り切ったところが大きいと思います。
前田:このプロジェクトに対する主要なステークホルダーからの評価と満足度は高かったようです。そして、私自身はコアメンバーの皆さんと、実務で作業を進めていただいた、多くのメンバーの皆さんに対し、文書や言葉では表現しにくいのですが大いに満足しています。改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
楊 :いえいえ、こちらこそ。プロジェクトを成功に導いていただいた前田さんに心から感謝しています。
劉 :私も楊さんと同じ気持ちです。ありがとうございました。
張 :みなさん、ちょっとまだ気が早いですよ。それはプロジェクトの最終レビュー後の打ち上げでの言葉でしょ?
前田:ははは、そうでした。私が話を横道にそらし余計なことをいいました。
張 :まあ、今までのご苦労に免じて許すとしましょう。
4-5-④ ビジネスとしての成果と評価について話し合う:
(会話の前提)
幾つかの困難を乗り越えて新商品開発OM42プロジェクトも成功裏に完了しました。初めて中国でのプロジェクトをPMとして担当した前田さんは、有能はコアメンバーに恵まれたことがプロジェクト成功の最も大きな要因と考えています。また、コアメンバーの各リーダーも前田PMからプロジェクトマネジメントにとって重要な多くのことを学ぶことができました。特にPM方法論を基本にして“当たり前のことを当たり前に行う”ことの重要性をまなんだと言えます。前田さんは、今回のプロジェクトが今後のビジネスにとってどのような成果をもたらすか評価のあり方についてコアメンバーと話し合うことにしました。
前田:いよいよこのプロジェクトでのコアメンバーの皆さんとの話し合いの場としては最後に機会になります。今回の話し合いでは、プロジェクトの成功がどのように進展していくか、みなさんと話し合いたいと思います。
楊 :これが最後のコアメンバーミーティングですか、たくさんのことを話し合ってきましたが、あっというまですね。
劉 :今まで、プロジェクトをしかも、自分の担当する業務を達成することに全精力を注いできました。しかし、今回のプロジェクトでは、自分の目の周りのことだけでなく、プロジェクトの本源的な目的にも意識することを教えられました。
張 :私はPLとして初めて担当したのですが、皆さんのものの見方の広さに感心しました。開発技術者としての自信はあったのですが、プロジェクをこのような視点で見るという事は初めてでした。
前田:みなさんの率直な感想をお聞きできて大変良かったと思います。一般的ですが、プロジェクトをリードする場合、その場面でのことに注力しすぎて真の目的が遠くなってしまう傾向があります。
張 :確かに私の場合はその傾向が強かったように思います。
前田:これはプロジェクトと名前の付く仕事だけではありません。あらゆる仕事においてもいえることですね。
劉 :もう少し詳しくお聞かせください。
前田:わかりました。例えで話をしましょう。家を建てるプロジェクトでは、基礎工事、柱の構造、屋根造り、電気、水道、ガスなどの工事、内装工事などなど多くのメンバーに支えられて工事が進みます。 建築工事全体の進捗を管理するのが大工の棟梁です。つまりプロジェクトマネジャーですね。
張 :家づくりもプロジェクトなのですね。
前田:その通りです。ここで伝えたいことは、どんな家でも住むお客様がいるということです。プロジェクトマネジャーはこのお客様の立場にどれだけなれるかということです。
張 :でも、実際は、早く、安くとかの要求で手抜きをするとかの話をきいたことがありますが。
前田:もしそうだとすると、その大工さんや建築会社は信用されないでしょうね。建築業界の例でいえば、お客様がその家に永年住んで良かったという評価が究極の評価です。
楊 :その事例は私達の仕事の姿勢にも共通するということですね。
前田:私たちの仕事の成果が、利用されるお客様にどのような価値を提供できるかということですね。そのことを考えてプロジェクトに取り組むことが、ビジネスとして最も重要だと言えます。
楊 :よくわかりました。
前田:こうした仕事への取り組み方、仕事の目的、成功の意味について、皆さんだけではなく、より多くのメンバーと価値観を共有することがプロジェクトの成功とビジネスの成果につながっていくのです。これで私の伝えたいことは終わります。
楊 :前田さん、本当に長い間PMとしてご指導いただき感謝しています。次に機会がありましたらまたプロジェクトで一緒に働きたいです。
劉 :私達もこのメンバーでまたプロジェクトを組めることを願っています。本当に長期間ご指導いただきありがとうございました。
4-5 项目成果的总结
4-5-① 有关项目目标达成度的讨论:
(讨论的背景)
新商品的开发项目已经顺利完成了。项目的目的是开发出网络彩色激光打印机,目前已经进入批量生产,开始向市场导入。前田经理想利用对项目成果复查的机会,跟项目核心成员谈谈怎么理解项目的本意,希望他们能够提高管理的水平。
前田:我认为我们达到了这次的项目的目的。顺利地完成了新制品的开发。
刘 :达到了项目的目的是很不简单的。我们都对开发作出了贡献。但是,对目标的达成做得怎么样呢?
前田:我跟大家想说的就是这个问题。我们公司要把这个项目开发的新商品放在今后全球事业战略的中轴的位置上。
张 :这和项目的目标有什么关系呢?
前田:这个项目是定位在新商品开发项目上,这一点大家都已经充分理解了吧。
张 :这个在最初启动项目的时候就理解了。
前田:我们公司对启动这个项目的背景给以了说明,这个新商品开发项目是事业战略的一环,跟其他的商品开发是连动的。
刘 :这个我也理解。我的同事里有人参加别的新商品开发项目。
前田:在我们公司的事业战略里,有几个项目在并行推进。也有在国际市场中如何拓展新商品的项目。
杨 :那是在对项目进行综合管理的项目会议上定下来的,对吧。
前田:是的。在项目管理中,要对事业战略需要的投资和选择作判断。这个话题比较复杂,具体到这个新商品开发项目上,可以说达到了目的和目标。
张 :按照前田经理的考虑,您想说下一步还有在事业战略上的成果目标,是吗?
前田:张工,你说的很对。还要根据今后的状况,判断这个新商品有没有事业战略上的成果。
张 :确实是这样。我们虽然完成了任务,为成功而高兴。其实还没有看到真正的成果。
前田:我一点也没有小看大家努力的成果的意思。只是有必要着眼于项目真正的目的和目标,作出评价。
杨 :前田经理追求的是不是不是从表层对事物作判断,而要从深层给以评价呢?
前田:是的。我可能有点自以为是了,在今后的项目管理中当领头人,考虑问题的深度和视野的广度都是很重要的技能。
杨 :明白了。不要满足小的成功,要树立远大的目标,把他们连系起来。
4-5-② 有关QCD计划与实际表现的讨论:
(讨论的背景)
在项目活动中,不只有一个指标,要设定几个主要的目标给以管理。其中份量大的要素是项目成品的品质(Q:Quality)、运营项目的成本(C:Cost)、还有最终结束开发的日程,也就是交货期(D:Delivery)。前田经理在项目收尾的复查时,要和核心成员谈谈项目的计划和实绩的关系。
前田:我跟大家一起做了这个项目,现在我们要评价它,我们要比照几个指标给以评价。
杨 :份量大的指标为QCD的评价。是不是按照内容顺序进行?
前田:这样也可以。大家觉着说着方便就行。还有,评价项目有两种对象。这也要请大家讨论。
张 :有两种评价对象是什么意思?
前田:一种是评价项目的结果,另一种是评价推进项目的方法。评价项目在多大程度上实现了当初的计划目标是通常的作法。为了作出较为正确的评价,把推进项目的方法也作为评价对象很重要。
刘 :使用这种方法,不是说项目的结果好就可以了,因为对项目的推进方法的巧拙也要评价,这样对项目的评价就比较全面。
前田:你说的很对。项目做过来了,对对策效果的评价和对策的推进方法不同,结果也会大不一样。仅仅追求结果,“结果好就一切都好”的评价,容易对问题作过低的评估,不能作为教训,起到引以为戒的作用。
杨 :那么,就分别对项目的推进方法和结果进行评价,从QCD的Q开始吧。首先,我对Q:品质的评价是,开发进入到最终测试阶段在构造上出现了问题。我们判断是设计时的模拟有问题,通过增加构造的强度,最终达到了品质目标。
前田:杨工的发言没什么问题,设计时模拟出了问题。为什么设计的时候出现了问题,能不能再深入剖析一下呢?
杨 :这样说吧。实行轻量化的方针,改变了材质,“扭曲强度”也变了。可是模拟的方式还是沿用以前的材质规范,没能测出框架部件的扭曲幅度。
前田:原来如此,由于这个原因,没有预测出问题,一直到做疲劳测试都没能抓住问题。
杨 :结果确实是这样。虽然在作业层面上,问题的原因是出在没有改变模拟的设定,但是作为开发的管理,我觉得没有对材质的变更作风险管理才是真正的原因。
前田:你的看法是对改变材质带来的风险因素没有考虑对策才是真正的原因。也就是说风险管理作得不够。
杨 :是这样。对变更的影响没有作全面的考虑。我觉着看问题的方法和视野比较狭窄。
前田:但是,最终我们不是得到了宝贵的教训了吗?
4-5-③ 有关利害相关方的评价和满意度的讨论:
(讨论的背景)
这个项目已经进入到收尾阶段,正在编写项目完了的图文资料。其中有记载利害相关方的满意度的事项。前田经理跟领导项目的核心成员要对利害相关方的评价和满意度给以讨论。
前田:这次会议,想跟大家谈谈利害相关方的评价和满意度。怎么谈好,没有什么框框,大家看看怎么谈好?
刘 :这也不是太复杂的话题,最好局限在利害相关方的话题范围内,别太发散,好不好?
杨 :我也赞成这个意见。这次的利害相关方,可不可以限定在作提案的商品规划部的相关人员,还有把这个项目方案作为事业战略,决定给这个项目投资的项目管理委员会的相关人员的范围内呢。
前田:另外,销售新商品的销售部门的有关人员和负责出口的有关部门的人员也是重要的利害相关方,我想把他们的评价也放进来。
张 :对了,在客户现场工作的维护部门的有关人员的评价也应该放进来。还没有投入使用,希望对维护工作的改善点也给以评价。
前田:这个意见很好。就在这个范围内开始吧。当然,随着话题的展开也许还要有追加项目。
刘 :在项目会议上收集了刚才说到的利害相关方对项目成果的意见。记得里边好像没有特别恶劣的评价。
杨 :我也看过会议记录。不记得有特别要注意的问题。最初在疲劳测试时发生了烧坏变压器的事故,大家都担心不能按时交货。
刘 :商品规划部提出的需求规范书都作了对应。我觉着这个项目的成品达到了所期待的,令人满意的品质。
前田:在整体成本的满意度上,有若干超支,评分稍受了些影响,但是项目整体的成本管理最终都控制在范围内,可以说没有问题。
张 :导致成本超支的原因,是我这个部门分工的作业进度较慢引起的。
前田:不仅是软件开发,框架和构造开发、电气线路和电子线路设计的作业也有若干滞后,但是在日程上对作业计划做了调整,把滞后缩短到了最小限度。
杨 :每个小组都发挥了团队的力量是完成任务不可缺少的。
前田:对这个项目,主要的利害相关方的评价和满意度都很高。我和各位核心成员一起推进这个项目,找不到恰当的语言表达我对大家的满意。我要再一次谢谢各位。
杨 :哪里哪里。我从心里感谢前田经理成功地领导了这个项目。
刘 :我和杨工的心情一样,谢谢您。
张 :大家不要急着道谢。这些话都得等着项目最后的复查结束告终时说才好。
前田:哈哈,你说的极是。我走了题了。
张 :您一直都很辛苦,这点走题不算什么,就不跟您计较啦。
4-5-④ 有关作为商业成果的评价的讨论:
(讨论的背景)
新商品开发OM42项目克服了几个难题,成功地结束了。前田先生第一次担任在中国进行的项目的项目经理,他觉着能跟有实力的核心成员一起工作是项目成功的最大要因。另一方面,各位核心成员组长也从前田经理那里学到了很多对项目管理很重要的东西。特别是以PM方法论为基本,“理所当然的事情,就要理所当然地去做”这个道理的重要性,大家都有很大收获。前田经理要和核心成员谈谈这个项目对今后的事业会带来什么样的成果,如何评价。
前田:在这个项目里,这是我跟各位核心成员讨论问题的最后一次机会。今天我们要谈谈项目成功后应该怎么展开。
杨 :这是最后一次核心成员会议了。我们讨论了很多的事情,时间过得真快。
刘 :以前的项目里,我一直都是专注完成自己分工的部分。但是,在这个项目里,前田经理教给我不仅是自己眼皮底下的事情,也要意识到项目的真正的目的。
张 :我是第一次担任项目组长,我很佩服大家的开阔视野。作为技术人员我是有自信的。但是站在这样的出发点看项目还是第一次。
前田:听了大家直率的感想,非常好。作为常见的现象,领导项目的时候,会有过分关注眼前的事情而忽视了真正的目的的倾向。
张 :确实,我就有这样的倾向,还挺强。
前田:这种倾向并不局限在命了名的项目中,可以推论到所有的工作中。
刘 :请您再详细地说说。
前田:好的。举个例子。在盖房子的项目中,有地基、柱子、屋顶、电气、上下水、煤气、内装修的施工等等,要有很多成员参加施工。整个建筑施工中工匠的大梁的就是项目经理。
张 :盖房子也是项目。
前田:没错。我想说的是,什么样的房子都有住户。项目经理能替住户着想到什么程度很重要。
张 :但是,实际上听到过求快、求便宜的豆腐渣工程。
前田:如果这样的话,工匠和建筑公司就会失去信誉。以建筑界为例,住户长年住在那所房子里,给出满意的评价是最高的褒奖。
杨 :这个例子和我们工作的态度有共通的地方。
前田:也就是说我们工作的成果,给使用的客户带来什么样的价值。可以说带着这样的思考组织项目是开展业务时最重要的。
杨 :我明白了。
前田:有关这样一种组织工作的方法、工作的目的、成功的含义,不仅是各位,有更多的参与者拥有相同的价值观,就会带来项目的成功和事业的成果。我想说的就是这些。
杨 :前田经理,这段时间得到您的指导,非常感谢。下次有机会还想一起做项目。
刘 :我们也希望还能用原班人马组织项目,非常感谢您的指导。
読者への思い
この本は着想の段階から数えると3年間近くの歳月が掛かりました。1年前から、本の作成に着手して、今年の7月に翻訳もようやく終了しました。
この本の目的は、日中間のITプロジェクトの現場で、円滑なコミュニケーションを目指しておられる皆様にご活用していただくことを願っています。
筆者がこの本を作りたいと思うようになったのは、私自身が日本と中国の間でITプロジェクトの実務に関わる中で、双方の言語への理解と習熟がプロジェクトのコミュニケーションに極めて重要と感じたからでした。
八十年代以来、日中間の経済合作に多くのビジネスモデルが形成されました。関連就業者も日々増しています。以前、少なくとも、中国においては一部国際交流や特殊の業務を従事する人たち以外、外国語が学校の中の教養科目だけです。しかし、今は、自由市場の業者も甲高い外国語で顧客と売買の交渉をする光景が日常茶飯事になりました。外国語が教室から出て、必要なコミュニケーション・ツールになりました。
筆者の居るIT業界には、ただ一部分ですが、中国の巨大な市場、日本国の多くの人材需要、両国間のコストのギャップ、多くの日本企業を中国に引き寄せて、貿易から、委託生産、サービス業などさまざまなビジネスが展開されて、一方、中国から多くの起業家、技術者、労働者が日本国に来て働いています。このようなビジネス移動と人材移動に伴って、日本語と中国語とも分かる専門人材に対する需要が膨大です。
筆者の居るIT業界でもオフショア開発を行うためにこのような人材は不可欠な存在です。日中両側のシステム開発組織間のコミュニケーションギャップを埋める人材で、意思疎通や仕様伝達、作業管理の役割を果たしています。その期待役割はあたかも河を跨ぐ橋のようであり。職種の名称をBSE(Bridge System Engineer)とされています。
今までにも多くのプロジェクトが国境を越えて行われてきましたが、BSEの方々の努力のお蔭であると言えます。その成果は発注側のコストが安くなっただけではなく、多量な国際的な技術人材も育成できました。理想は橋渡し役が多くなれば、橋が道路になりますが、しかし、妥当ではないかもしれないですがBSEの副作用として、BSEに頼りすぎる現象もあります。もう一つ、深く感じたことが専門分野において、熟練の外国語を身につける難しさです。教養としての用語だけでは足りません。大学で日本語を専門に学んだ方が技術分野の訳者を務めませんし、無理して、翻訳したカタログやマニュアルは利用者が見て、わけが分からなくて、困った事例があります。
この本は、そうした困った事例を少なくするためであり、プロジェクトに参加する日中双方の管理者やメンバーが、相手を正しく理解しあうことが重要との思いから書いています。BSEに頼りすぎず、自分の耳で相手の意思や気持ちを確かめ、自分の言葉で意思を正確に伝えることだと思います。
そのためには、専門用語が分れば良いだけではありません。その用語はビジネスでどのように使われているか、ビジネスでその技術をどう進めているかは、言葉のノウハウが有ります。言葉は奥深い学問門だとしみじみと感じています。高等で国際的な専門人材に求められる外国語の能力は、一般教養用語、共通ビジネス用語、専門技術用語と、さらにはプロジェクトを管理する管理用語やコミュニケーション力を備えることです。
筆者の知るところでもIT分野のオフショア案件が円滑に進まない例が少なくありません。そうした中で、プロジェクトのコミュニケーションがよりよく出来れば、多くのトラブルが消えるでしょう。この本はより多くのプロジェクトを成功させる思いを託して、皆様の活躍する現場で少しでもお役に立てば、光栄と思います。読者の皆様からの感想を聞かせていただくことが、さらに喜んでいただける作品を産み出す原動力になります。
最後にこの本の原稿考案、作成していただいた久井信也氏に心より深くお礼を申し上げます。中国語版の訂正をしてくれた主人の王大群に衷心より大変感謝しています。
平成25年8月8日
東 京
致读者
从最初的构思到本书面世,花费了将近三年的时间。一年前开始着手翻译,至今年7月才终于完成。
本书的目的是希望能够为那些在中日IT项目现场工作的人员提供帮助,促进项目中的顺畅沟通。
我们之所以萌生了想要编写这本书的念头,是因为在我参与的中日IT项目实践中,越来越深刻地认识到对双方语言的理解和掌握对于项目沟通至关重要。
自八十年代以来,中日之间的经济合作中,已经形成了众多商业模式,相关从业者也在日益增加。以前,至少在中国,除了从事国际交流或特殊工作的人员之外,外语基本上只是学校里的课程内容而已。然而,如今,自由市场中的商人也可以用流利的外语与顾客进行日常交易和洽谈。外语已从课堂走向实际生活,成为了必要的沟通工具。
在我所处的IT行业中,中国庞大的市场,日本对人才的巨大需求,以及两国之间的成本差距,吸引了众多日本企业进入中国,从贸易到委托生产再到服务行业等,各种业务形式不断发展。与此同时,许多中国企业家、技术人员和劳动力也来到日本工作。在这样的背景下,既懂日语又懂中文的专业人才需求正在迅速增长。
在IT领域,离岸开发项目中,这样的人才不可或缺。他们填补了中日两国系统开发团队之间的沟通空白,负责沟通、传达需求以及项目管理的工作。这些桥梁角色的重要性就像一座跨越河流的桥梁,被称为桥梁系统工程师(Bridge System Engineer, BSE)。
过去,很多跨国项目的成功,离不开BSE们的努力。BSE的贡献不仅降低了发包方的成本,还培养了大量的国际技术人才。理想情况下,随着桥梁角色的增加,桥梁将变成道路。然而,虽然这一比喻未必准确,但依赖BSE的现象也逐渐显现出来。此外,我深刻感受到,在专业领域中,熟练掌握外语并不容易,单靠课堂上的词汇是远远不够的。即使是专门学习日语的大学毕业生,也很难担任技术领域的翻译。而那些翻译出来的手册或目录,很多情况下读者往往看不懂,带来了不少困惑。
本书的目的就是为了减少这样的困惑,帮助中日双方的项目管理者和成员更加准确地理解彼此。不应过度依赖BSE,而是应当通过自己的耳朵去确认对方的意图,用自己的语言准确地表达自己的意思。
这不仅仅是了解专业术语的问题。还需要知道这些术语在商务中是如何使用的,如何推进这些技术,以及它们在业务中的具体应用。语言有着深奥的学问。我深感,在高级国际专业人才身上,所需要的不仅仅是一般教养的语言,还需要掌握商务用语、技术专用术语,以及项目管理和沟通能力。
在我所知的IT领域中,不少离岸项目未能顺利进行。而在很多情况下,如果能够改善项目中的沟通,许多问题都会迎刃而解。我希望本书能为更多的项目成功做出贡献,并且在您的工作现场能发挥一些作用。如果能够听到读者们的反馈意见,将成为我继续努力的动力。
最后,我要深深感谢本书的原稿设计和撰写者久井信也先生。同时,我也衷心感谢我的丈夫王大群对本书中文版修订的支持。
译者 杨 嘉丽
2013年8月8日
东 京